今週の予想

今週は、いったん下げたあと大きな反発期待も

 先週は、三角保ち合いの中で動いているとしたものの、三角保ち合いを下放れした格好となって、昨年8月20日のボトム2万7,013円(ザラ場では2万6,954円)に近づいてきました。

 週末の米国株が反発に転じていれば、これまでのように2万7,000円水準からの反発が期待できるところでした。昨年、夏以降の下落局面では、2万7,000円前後で転換するパターンを繰り返しており、このパターンが崩れると目先は厳しいものの、期待される企業決算発表や年金資金の出動も控えており、ここからの下値は限られていると思われます。

 三角保ち合いの下放れは、1月19日に日経平均は、一時▲942円と急落し、▲790円の2万7,467円で終わりました。昨年8月から続く、三角保ち合いは下値の下限は柴田罫線のチャートから2万7,900円どころでしたが、ここを下放れてしまいました。下放れしたことで売りが集中し2万7,000円水準を試す動きとなりました。

 その程度も自立できない日本株は、米国株式の反発がない限り、大きな上昇は期待できません。FRB(米連邦準備制度理事会)は3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の会合で利上げに踏み切るという観測が広がっており、ここでは政策金利を一気に0.5%引き上げるという見方も浮上しており、それを織り込む株価の急落と考えることができます。

 また、24日に米議会が再開されますが、宙に浮いているバイデン大統領の経済対策を実行する法案が進展すれば相場の落ち着き要因となります。

 日本国内では、決算発表が26日の日本電産とファナックを皮切りにスタートします。業績が期待通りであれば反発することになりそうですが、米株次第では一段の下げも避けられない状況ですが、これまでのように下げてもいったん切り返しての戻りのスピードに期待したいところです。

 国内では新型コロナ感染が拡大しており、これも上値を重くしており、当面のレンジは2万6,700~2万8,300円(1月下旬まで下げて、そのあと2月(節分))にかけて切り返す例は珍しくありませんので悲観することはないでしょう。

今週の指標:日経平均株価

 先週は見て分かりますように、2万7,900円どころで三角保ち合いの下放れとなっています。年末年始まで上げてきた相場が、1月後半に向かって下げることはよくあることで、すでに1月後半まで安く、そこから2月(節分)に向けて上昇を開始する可能性があるとしてきました。

 ただし、米国株式の3月利上げ観測が広がっており、これが今回の下げで織り込まれていれば反発してくる可能性があり、その場合は日経平均もリバウンドに入ります。リバウンドは当面は2万9,000円を目指す動きとなります。

先週の動き

 先週の予測では、引き続き米国では、当面の早期の金融引き締めへの警戒感や急増するオミクロン株の感染拡大の懸念から落ち着きどころを探るとし、三角保ち合いの中で、目先の下値を切っていくとしました。

 当面は2万7,500~2万8,500円の中で、下値を試すとしていましたが、1月19日(水)には早くも2万7,500円を切ったことで、下値を2万7,000円水準に修正しました。

 結局、さらに下値を試す動きとなり、21日(金)に2万7,129円まで下げ、終値は▲250円の2万7,522円と何とか2万7,500円を守りました。これで米国株が反発すればいったん戻る可能性が出てきました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は1月25~26日に開催されるFOMCが目先ポイントとなり、この水準から反発するかどうかが日経平均のリバウンドとなるかどうかとなりそうです。ロシアによるウクライナ侵攻も警戒感が続くことになり注目です。

 今週の注目は、

24日(月)米国1月製造業PMI(購買担当者指数)
25日(火)FOMC、IMF(国際通貨基金)世界経済見通し
26日(水)FOMC終了後の政策金利発表とパウエル議長の記者会見
27日(木)米国の新規失業保険申請件数
28日(金)ミシガン大学消費者信頼感指数

先週の動き

 先週のNYダウは、1月17日(月)は、キング牧師誕生日で休場でした。3連休明けの18日(火)は、金利が上昇し将来の利益の現在価値が目減りするグロース株が下落し、NYダウは▲543ドルの3万5,368ドルとなりました。19日(水)は、FRBの早期の急激な金融引き締めへの警戒感から▲339ドルの3万5,028ドルと続落しました。

 さらに20日(木)は上昇して始まるものの、来週にFOMCを控えFRBの金融引き締めが警戒され▲313ドルの3万4,715ドルと3日連続の大幅下落となりました。

 週末の21日(金)は、ハイテク大手の決算やFRBの金融政策会合(FOMC)を控え警戒感やロシアのウクライナ侵攻の可能性から地政学的リスクで▲450ドルの3万4,265ドルと6日連続の下落となりました。

 6日続落で、目先の下値ポイント3万3,800ドル水準へ接近してきています。

今週の指標:ドル/円

 今週は、1月25~26日のFOMCやパウエル議長の記者会見があります。これを受けて株価が反発に転じればドルも買い直されて114円台に戻すことになります。

先週の動き

 先週は、半ばまで長期金利の低下を受けて、1ドル=114円台でもみあっていましたが、週末になるとロシアのウクライナ侵攻の可能性から地政学的リスクが生まれ、リスク回避の円買いとなって、一時、1ドル=113円までドル売り・円買いとなり、株安もあって引けは、1ドル=113.68円でした。

先週の結果

先週は、三角保ち合いの下限ぎりぎりを2回も試す

 先週の予測では、引き続き三角保ち合いの中で、直近の安値を切って落ち着きどころを探る展開とし、米国の金融政策で早期利上げの警戒や、日本国内のオミクロン株の感染拡大も加わって、下値を探る不安定な状況の中で、2万7,500~2万8,500円のレンジの下限を試す動きを想定しました。

 しかし、19日(水)には、終値で▲790円の2万7,467円と想定したレンジの下限を割って、三角保ち合いの下放れの格好となって2021年8月20日の終値2万7,013円以来、5カ月ぶりの安値水準となりました。

 そのため、この時点では、三角保ち合いのボックス下限である、2万6,954円(8月20日のザラ場安値)を試す動きとなって、その水準が押し目買いとなってきそうだとしました。

 その後の動きは、20日(木)は、前日の反動から一時+415円の2万7,882円まで上昇しました。この上昇はイレギュラーなもので、日本銀行も利上げするという観測から買われたものの、結局、据え置きだったことで急反落し、+305円の2万7,772円で引けました。

 週末の21日(金)は、前日の米国市場では、NYダウは一時+461ドル高となったものの、来週のFOMCを控えて、FRBの積極的な引き締め政策への強い懸念から、大引けにかけて売られ▲313ドルの3万4,715ドルの急落となり、これを受けて日経平均も急落となりました。

 前場は▲368円の2万7,404円で寄り付くと▲643円の2万7,129円まで下げ、後場になると終盤に押し目買いや買い戻しで下げ渋り▲250円の2万7,522円となりました。

 結局、20日(木)の2万7,217円、21日(金)の2万7,129円と2万7,000円水準を2回試して、終値は2万7,522円と2万7,500円水準を守ったことで、米国市場が落ち着けば、いったん反発に転じることが想定されます。