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 オフィスビル仲介大手の三鬼商事は、オフィスビルの『空室率』や平均賃料を毎月公表しています。2021年12月の東京ビジネス地区の平均『空室率』は6.33%と2カ月連続で低下しました。一方、平均賃料は17カ月連続で下落しました。コロナ禍でテレワークが普及するなど働き方の変化が広がってきていますが、この動きは今後も続きそうです。来年はオフィスビルの大量の新規供給も見込まれており、その影響にも注意が必要です。

【ポイント1】2021年12月の東京のオフィスビル『空室率』は6.33%

 三鬼商事が13日に発表した東京ビジネス地区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の2021年12月のオフィスビルの平均『空室率』は前月比▲0.02ポイントの6.33%と、2カ月連続で低下しました。このうち、新築ビルは募集面積を残して竣工した影響によって同+0.63ポイントの13.09%となった一方、既存ビルは館内増床などに伴う中小規模の成約の動きがあったことから同▲0.03ポイントの6.25%となりました。

 東京ビジネス地区の2021年12月時点の空室面積は前年比+約14.6万坪の約49.7万坪となりました。新型コロナウイルスの感染拡大により、空室面積は2019年を直近の底に増加傾向にあります。ただし、2021年秋以降は停滞していたテナント企業の成約に向けて動きが出始めたことから、空室面積は2020年に比べて増加幅が縮小しました。

【ポイント2】平均賃料は17カ月連続で下落

 2021年12月の東京ビジネス地区の平均賃料は、前月比▲0.44%の坪当たり2万596円と、2020年8月以降17カ月連続の下落となりました。前年同月比では▲6.38%でした。内訳では、新築ビルが前月比+220円の2万8,730円、既存ビルが同▲100円の2万514円でした。

 

【今後の展開】企業のオフィス戦略の動向と、来年の大量新規供給に注意

 新型コロナウイルスの感染拡大により、業績悪化に伴う経費削減やテレワークの普及などから、オフィスビルの『空室率』は上昇が続いていましたが、足元では2021年の11月、12月と小幅ながら低下し、その上昇傾向が一服しました。オフィスビルの新規供給は、2022年は前年比+約1.5万坪の約16.5万坪と、直近のピークであった2020年の約53.1万坪と比べて低水準となりそうです。一方で、2023年は50万坪弱と再び大量の新規供給となる予想もあります。また、コロナ禍ただ中にあって、テレワークなど働き方の変化の広まりを受け、企業のオフィス戦略の転換はこれからも進むと考えられ、オフィス需要も不透明感が残ります。今後もオフィスビル市場の動向には注意が必要です。