今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは115.50

下値メドは113.85

[FRB] 今年最初の利上げは3月。年内4回実施も。バランスシート縮小は5月から
[円] 日銀が気候変動オペ。気候変動対策関連の投融資に、金利0%で資金供給
[エネルギー] 世界最大の石炭輸出国インドネシアが、輸出を1月末まで禁止

 18日(火曜)のドル/円は114円台で横ばい。24時間のレンジは114.45円から115.06円。値幅は0.61円。

 先週、日銀が2%物価目標の達成前に利上げの可能性があるとの観測記事で、ドル/円は113円前半まで円高に動きました。しかし、米国ではFRB(米連邦準備理事会)の3月利上げがほぼ確実といわれ、さらにその幅を0.25%でなく一気に0.5%まで引き上げるとの観測が強まると、金利差の観点ではやはりドルが断然有利ということで、また値頃感もあって買い戻されて114円台に戻しました。

 2022年の12営業日目は114.61円からスタート。東京時間朝につけた114.45円がこの日の安値。下げは限定的で、昼過ぎになって、日銀金融政策決定会合が緩和政策を維持することを確認すると115円にのせて115.06円まで上昇して高値。しかし115円の滞在時間は短く、海外時間は114円台後半で横ばい。終値は114.59円(前日比▲0.02円)。

 日銀はこの日まで行われた日銀金融政策決定会合において、インフレ見通しを0.9%から1.1%に引き上げました。さらに日銀展望レポートでは、物価見通しを「下振れリスクが大きい」から「バランスしている」へと2014年以来8年ぶりに上方修正。一方で日銀は、2023年会計年度の成長見通しを1.3%から1.1%へ下方修正。日本経済にとって緩和政策の継続が必要であり、利上げ議論はまだまだ時期尚早であることを示唆しています。日銀は当座預金のうち政策金利残高に対する0.1%のマイナス金利を維持することを決定しました。

 レジスタンスは、18日の高値115.05円、このレベルは200時間移動平均線と一致。115円台に乗せ、維持できるかに注目。その上は116.00円、1月4日高値の116.50円。
サポートは、114.00円、113.48円、その下は112.82円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

型破りな結果を残したいならば、まず基本となる「型」を勉強しなくてはならない。勉強するだけではなく、実践して自分のものにしなければならない。

I Feel It Coming

 世界の中央銀行は、いつ収束するか不確実な新型コロナよりも、確実となったインフレの対処を優先することを明確にしました。FRBは緩和縮小のペースを1月から2倍速で進めているだけではなく、2022年末までに3回あるいは4回利上げを実施する意志を示しています。一方、ECB(欧州中央銀行)はPEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)を3月末で終了予定。BOE(イングランド銀行)は12月に続き2月の追加利上げが確実。RBNZは利上げサイクルに入り、後を追うBoC(カナダ銀行)は1月の会合で利上げを決定する予定。RBA(豪準備銀行)も2月に緩和縮小を終了すると見られています。

 世界の主要中央銀行は、新型コロナのリスクは、インフレやデフレと同じように、「決して消えることのないリスク」であるとの認識を持ち始めています。中央銀行総裁の多くは、世界経済は、当初の期待に反して、新型コロナ前の状態に戻ることはないだろうと発言しています。従ってコロナ前の世界で用いられていた金融政策も、現状に即したものに再調整する必要があるとの考えで、方向転換を図っています。

 オミクロン変異株は、すでに深刻な状況となっている流通網の目詰まりをさらに悪化させてコストプッシュ・インフレが一段と上昇する可能性が指摘されています。米国のインフレ率は40年ぶりの高水準まで上昇しています。

 インフレには無縁といわれていた日本でも、物価上昇が激しくなります。1月に食パンの値段が10%近く値上げされたことを皮切りに、今年は食料品や衣料品、家電や自動車、保険料から交通運賃に至るまでほぼ全分野の商品が大幅値上げとなるのは避けられません。昨年11月の国内企業物価指数は、すでに41年ぶりの上昇となっています。

 その一方で、オミクロン変異株による移動制限が再び強化が、世界経済の回復を遅らせるとの意見も無視できません。中央銀行は難しい選択を迫られることになります。

 経済ダメージが深刻になれば、中央銀行は「コロナ・シフト」の緩和政策を継続することになります。つまり、供給インフレの長期化により、より引き締め政策が必要とするなかで、量的緩和の延長、利上げの延期を強いられることになります。

 しかし、ワクチンの開発などで感染、重症化リスクが減少すれば、その先には何が待っているのか?それは、急激で大幅な金融引き締めです。FRBが利上げ前倒しに踏み切った場合、それはドル高材料である一方、株式市場にとっては強烈な逆風になります。

 それでも日銀は、「金融政策運営は現行の金融緩和を粘り強く続けていく」と宣言しています。2年後も金融緩和を続けている中央銀行は、日銀だけかもしれない。20年間も一貫して量的緩和政策を続けている日銀はある意味透明性があるとの評価で、リスクオフのときの円買い理由になったりします。

今週の重要経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑116.74円 ↓112.34円

 ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は114.54円。
114.54円より上ならばドル買い優勢、114.54円より下ならばドル売り優勢。

117.58円 :     第4レジスタンス(HBO)

116.74円 :     第3レジスタンス
116.35円 : 01月 高値

115.90円 :     第2レジスタンス 
115.64円 :     第1レジスタンス
115.25円 :     01月 61.8%

114.92円 : 01月 平均値
114.58円 :     01月 38.2%

114.54円 : ピボット

113.48円 :     01月 安値
113.44円 :     第1サポート
113.18円 :     第2サポート

112.34円 :     第3サポート

111.50円 :     第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 ドル/円データ