2021年10-12月期決算は予想上振れか、2022年の販売目標は強気の15%増

現地コード 銘柄名
02238

広州汽車集団

(グァンジョウ・オートモービル)

株価 情報種類

7.50HKD
(1/12現在)

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 広州市政府系の自動車大手、広州汽車集団の2021年10-12月期の純利益が、前年同期比36.6-140.3%増の13億-23億元に達する見通しとなった(経営陣が発表した2021年通期の業績見通しから算出)。これは2018-2020年の実績を超えるだけでなく、市場予想を上回る水準となる。また、同社が設定した2022年の販売台数目標は前年比15%増とかなり強気の数字。広汽トヨタ、広汽ホンダの好調や、自社ブランド「伝棋」(Trumpchi)の販売回復、自社EVシリーズ「Aion」の成長加速が2桁増を支える見通しという。現在株価の2022年予想PER(株価収益率)は7.5倍で、BOCIは値ごろ感を指摘。予想PER9倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。短期的な支援材料としては「Aion」ブランドを生産する広汽埃安新能源汽車(GAC Aion New Energy Automobile)のスピンオフ計画の進展を挙げている。

 経営陣がこのほど発表した業績見通しによれば、2021年12月通期の純利益は前年比11-27%増の66億-76億元。特別損益除外後のコアベースでは56-67億元に上る見通しであり、これは10-12月期のコア利益が10億-21億元に上ることを意味する。BOCIは仮にこのレンジの最も低い数字であっても、市場の予想を上回るとみている。同社の業績は10-12月期に低迷する傾向があり、2021年10-12月期の決算は2018年以降で最良となる可能性が高いという。一方、半導体不足の緩和により、10-12月期の販売台数は前四半期比で39.3%増加した。うち広汽トヨタ、広汽ホンダが30.7%増、47.1%増。広汽伝棋と広汽埃安は同46.8%増、16.6%増だった。

 2021年通期の販売台数は前年比4.9%増の204万台。業界全体が半導体不足に直面する中、従来型の自動車メーカー(EV新興勢力以外)の中で成長を確保した数少ない事例となった。続く2022年の販売台数目標は前年比15%増。うち広汽トヨタ、広汽ホンダは前年比約20%か、それ以上の伸びを確保し、そろって100万台超えを達成する見込み。経営陣はほかに、広汽埃安の販売台数が前年比50-60%増加するとみている。

 広汽埃安は2021年10-12月期に資産再編と増資を完了したが、経営陣によれば、「混合所有制」(国有企業への社会資本・民間資本の導入)改革の次のステップとして、2022年1-3月には従業員持ち株制度を創設する計画。その後、戦略投資家の受け入れを行うという。BOCIは広汽埃安のこうした動きやスピンオフ計画が、広州汽車集団のバリュエーションの向上につながるとみる。

 BOCIは2021年10-12月決算の予想上振れや2022年に関する経営陣の強気見通しを理由に、2021-2023年の予想純利益を2-4%上方修正。2022年予想PER9倍(上場以来のヒストリカル平均値)をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。