製薬セクターのディフェンシブ銘柄、新薬投入サイクルが次の成長のカギに

現地コード 銘柄名
01093

石薬集団

(CSPCファーマスーティカル)

株価 情報種類

9.32HKD
(1/11現在)

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 米国の利上げ観測とバランスシートの縮小観測を理由に、BOCIは低バリュエーションかつ収益成長見通しが堅調な大型銘柄が、製薬セクターにおける2022年上期のディフェンシブな選択肢になると指摘。トップピック銘柄として石薬集団を挙げた。同社株価の2022年予想PER(株価収益率)が14倍と、2019年以来の平均値である19.5倍を下回ることが一因。ほかに、◇パイプライン(新薬候補)の強化に向けたR&D(研究開発)とBD(ビジネス・デベロップメント:新事業の開発)への積極的な取り組み、◇新型コロナのmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンの開発に向けたプラットフォームの構築などを強気見通しの理由としている。

「国家医療保険償還医薬品リスト」(NRDL)に収載されている主力製品「恩必普」(NBP:ブチルフタリド、急性脳梗塞治療薬)は、2020年の当局との価格協議の下、52-56%という大幅値下げの対象となったが、2021年には据え置かれた。BOCIは販売量の伸びが値下げの影響を相殺し、2021年通年の「恩必普」の販売収入はほぼ前年並みを維持するとみる。一方、医薬品の一括調達制度「帯量採購」の対象となるジェネリック(後発薬)に関しては、この先、「帯量採購」による影響が縮小していくと予想しながらも、まずは抗がん剤「克艾力」(パクリタキセル注射液)の2022年の契約更新時の価格見直しが焦点になるとの見方だ。BOCIはまた、新たに投入するジェネリックに関しては、急速な販売増が見込めるという点で、「帯量採購」(対象製品の価格は基本的に抑えられる)がプラスに働くとみる。

 同社は豊富な手元資金を強みに、優良資産の権利取引を積極化させており、2021年には、EGFR-TKI、IL-4Ra、HER2二重特異性抗体、抗TSLP mAbのライセンスイン案件4件をまとめた。経営陣は2021-2022年に計50億元規模のライセンスイン契約の締結を見込む。

 一方、すでに販売規模の大きい既存の中核製品は今後、成長ペースが減速するとみられ、次のステージにおいては、新薬のサイクルがカギを握る見込み。具体的には、アムホテリシンB群(2021年4月に承認取得、2021年12月にNDRLに収載)、ミトキサントロンリポソーム(近く承認の可能性)、P13K阻害剤であるデュベリシブ(2021年4月に新薬承認申請)などが、成長を後押しする見通しという。

 BOCIは2021年7-9月期の売上高の下押しやミトキサントロンリポソームの承認の遅れなどを反映し、2021-2023年の予想売上高を減額修正。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づき、目標株価を小幅に引き下げた。ただ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。レーティング面の潜在リスク要因としては、予想外の新製品投入ペースの遅れや薬価の引き下げ、R&Dの失敗の可能性などを挙げている。