今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは115.25

下値メドは113.30
 

[用語] 今年は「ツインデミック」に警戒。‘twin’と‘pandemic’の合成語で、新型コロナとインフルエンザの両方が流行して深刻な状況になること。

 13日(木曜)のドル/円は「円高」継続。24時間のレンジは114.00円から114.71円。値幅は0.70円。

 2022年の9営業日目は114.62円からスタート。116円台を売り逃したオーダーは115円台まで南下中で上値は重い。高値は東京午前9時前につけた114.71円。徐々に値を下げ未明(NY時間)に安値114.00円をつける。ただこの水準では押し目買いも入り、やや反発して終値は114.17円(前日比▲0.48円)。

 ドル/円のレジスタンスは、114.70円、200時間移動平均線の115.48円、116.00円。
サポートは、114.00円、113.55円、その下は112.82円

 今月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)に向けて、FRB高官の発言が活発になっています。内容をまとめると、FRB(米連邦準備制度理事会)は今年3回から4回の利上げを行い、バランスシート縮小も開始する、ということです。ハト派の連銀総裁も利上げの必要を認めています。

 パウエルFRB議長は今週の議会証言で、「FRBは完全雇用の達成よりもインフレ対策を重視する必要がある」と述べ、利上げに肯定的。バランスシート縮小については、「開始は2022年後半になるだろう」との見通しを示しました。7月開始を主張しているFRBタカ派とは時期に違いがありますが、遅くとも今年中に開始ということでは一致しています。FRBは完全なるタカ派に変身しました。それを金融市場に周知徹底するための強力なフォワードガイダンスを行っています。

 しかしドル/円は下落。今週発表された米12月CPI(消費者物価指数)は、前月からさらに上昇して、前年比+7.0%上昇と、約40年ぶりの水準に達しましが、マーケットには「予想の範囲内」で、少なくともFRBが今年3回以上利上げを増やすことはないだろうとの考えでドルは逆に売られています。ドル/円が上昇するには、これ以上の強い材料が必要だということです。

 13日のユーロ/円は「下落」。24時間のレンジは130.62円から131.44円。

 夜のはじめ頃131.44円まで上昇しましたが、1月5日の高値131.60円の手前で失速。ドル/円の円高に連れて下落が強まり、未明に130.62円まで下げて安値をつけました。終値は130.78円(前日比▲0.38円)

 レジスタンスは131.45円、1月5日高値の131.60円。132.00円、そして132.60円
サポートは、1月3日安値の130.02円、その下は129.65円。

 13日のユーロ/ドルは「ユーロ高」。24時間のレンジは1.1435ドルから1.1482ドル。 

 東京時昼頃につけた1.1435ドルが安値。1.1400ドル前半からすでに底堅い。安値が1.14ドル台にとどまったのは2カ月ぶり。

 緩やかに上昇を続けて、夜遅くに昨年11月11日以来となる高値1.1482ドルをつける。堅調地合いは続いていますが、やや勢いはペースダウンしている様子。終値は1.1435ドル(前日比+0.0014ドル)。

 レジスタンスは1.1500ドル、1.1600ドル。
 サポートは、1.1350ドル、その下は1.1290ドル。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

型ができていない者が芝居(トレード)をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。

Pour Some Sugar On Me

 インフレに関して、FRBは「著しくエスカレートしている」ことを認めています。エスカレートしているけれど一過性なのか、それとも長く続くのか。実はこの点がたいへん重要だと思っています。今年になってからのFRB高官の発言をよく聞いてみると、サプライチェーンの目詰まりが引き起こした供給サイド以上インフレ、つまり需要インフレ圧力が拡大していることを認めながらも、こうした圧力は夏までには沈静化するだろうというのが見解の主流です。

 FRBは今年3回(75bp)利上げするところまでマーケットはすでに織り込んでいいます。ドル/円が116円に戻し、さらに2017年以来の118円台を目指すためには、それ以上の利上げ、つまりインフレが夏以降も持続するという見通しが必要です。ドル/円が下落しているのは、FRBの見解を正しく受け取ったからだといえます。

 今後数カ月でインフレ率がピークに達するならば、FRBが金融市場を過度に混乱させないペースでバランスシートを縮小する進めることができます。いずれにしても、FRBがどのような考えを持っているかは、今月の2022年最初のFOMCで示されるでしょう。

 FRBは、緩和縮小と利上げは別物だと繰り返してきましたが、緩和縮小は、FRB金融政策正常化というフルコースのなかの前菜のようなもの。前菜の次はメインディッシュの「利上げ」を期待するのは当然です。

 しかし、緩和縮小は、雇用に関わる政策。利上げはインフレに関わる政策と、目的が違います。順序としては、まず量的緩和を終了して政策をニュートラルに戻す。金融引締めの利上げはその次の段階になります。ところが、 インフレ目標が完全雇用より先に達成される可能性が高いという状況が起きています。つまり、前菜(緩和縮小)の前にメイン(利上げ)をマーケットに提供しなくてはいけない。

 パウエル議長が、金融政策の軸足を雇用対策からインフレ対策に移すことを明らかにし、またFRB高官が「完全雇用は達成された」と発言しているのは、それ自体が明確な利上げのメッセージです。

今週の重要経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

01月の予想レンジ ↑117.13円  ↓111.84円

 今月のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は114.49円。
114.49円より上ならばドル買い優勢、114.49円より下ならばドル売り優勢。

118.61円 : 2017年 高値
118.15円 : 第4レジスタンス(HBO)

117.13円 : 第3レジスタンス

116.12円 : 第2レジスタンス

115.81円 : 第1レジスタンス
115.52円 : 2021年 高値

114.49円 : ピボット

113.16円 : 第1サポート

112.85円 : 第2サポート

111.84円 : 第3サポート

110.83円 : 第4サポート(LBO)
110.58円 : 2021年 61.8%

109.06円 : 2021年 平均値

107.53円 : 2021年 38.2%
107.32円 : 2017年 安値 

104.61円 : 2018年 安値   
104.01円 : 2019年 安値

102.59円 : 2021年 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 ドル/円データ