新型コロナで寧波工場一時閉鎖も影響は限定的、長期見通しは良好
現地コード | 銘柄名 |
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02313 |
申洲国際集団控股 (シェンジョウ・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
144.10HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のニット衣料最大手、申洲国際集団が新型コロナ感染事例の発生を受け、浙江省寧波工場の操業を一時停止したことで、BOCIは短期的に投資心理の悪化による同社株価の調整もあり得るとみている。ただ、ファンダメンタルズへの影響は限定的とし、長期見通しは依然として良好との見方。この件による調整局面は買いチャンスにつながるとみて、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
同社は現地での新型コロナ・デルタ株の感染を受け、1月3日に寧波工場の操業を一時停止すると発表した。封鎖(ロックダウン)エリアに含まれるのは、グループ全体の衣料品生産能力の約20%を占める3つの縫製部門。その他の縫製3部門(衣料品生産能力の20%強)は管理エリアに位置する。一方、ファブリック(布)生産部門は最も影響が小さく、予防エリアに属するという。地元政府はすでにデルタ株の発生源の追跡に向けて動き出している。
BOCIは今回の操業停止によるファンダメンタルズへの影響は限定的とみている。実際にマイナス影響として考えられるのは、◇操業停止期間中の売上損失(1日当たり損失はグループ全体の衣料品売上高の0.1%程度)、◇1日当たり1,200万元に上る従業員向けの補償費用(従業員数4万人、1人当たり1日300元を想定)、◇主要顧客に適時納品するための物流コストの追加発生。ただ、政府は感染防止に向け、この旧正月休暇中の移動自粛を要請しており、今回の操業停止によるマイナス影響は旧正月(2月1日)前後に営業日を増やすことで、一部軽減できる可能性があるという。また、BOCIは中国政府による効率的なパンデミック対策を理由に、寧波工場の操業停止期間そのものが、2021年のベトナム工場、カンボジア工場の事例ほど長引く可能性は低いとの見解。この先、予防エリア、管理エリア、封鎖エリアの順に、段階的に生産再開にこぎつけるとみている。
パンデミックが常態化する中、経営陣は国内での垂直統合モデルの強化を目指す方針。2021年に寧波でのファブリック生産力を20%ほど拡大することにより、国内での衣料品生産の内製化が進む可能性を示唆していた。一方、海外ではベトナムに加え、カンボジアにファブリック生産能力を追加する予定であり、それぞれ現地での衣料品生産業務に対応する方針。さらにその他地域(インドネシアなど)での生産増強の機会をうかがっている。
BOCIは2021-2023年の利益見通しと目標株価(2022年予想PER(株価収益率)36倍相当)を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング面での潜在リスク要因としては、◇主要顧客による需要の減退、◇新規生産ライン立ち上げの遅れ、◇人件費や商品価格の予想外の上昇、◇為替変動、◇政策リスクを挙げている。
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