今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは116.10

下値メドは114.60

 [FRB] FRBはまだ「ハト派」? 見通しはタカ派だが、実際の政策は緩和的
 [雇用統計] ADPとNFP(非農業部門雇用者数)の相関関係、過去1年で15%とかなり低い

 11日(火曜)のドル/円は「横ばい。24時間のレンジは115.13円から115.68円。値幅は0.55円。 

 2022年の7営業日目は115.16円からスタート。前日116円を失敗して売りが優勢になる中で、東京時間夕方に115.13円 まで下げて安値。ただ、議会証言を行うパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の「タカ派発言」期待と、今夜の「強いCPI(消費者物価指数)」期待で徐々に買い戻されると、夜遅くに115.68円まで戻して高値。その後はパウエル議長の発言が強気さに欠けたという理由で売り戻されて、終値は115.29円(前日比+ 0.08円)

 パウエルFRB議長はこの日の議会証言で、「FRBは完全雇用の達成よりもインフレ対策を重視する必要がある」と述べ、利上げには肯定的でした。しかしバランスシート縮小については、「開始は2022年後半になるだろう」との見通しを示しました。FRBのタカ派は7月開始を主張していることを考えると、パウエル議長のスタンスは「弱気」。そのためドル/円の上昇も途中で止まり、この日も116円には戻ることはできませんでした。

 レジスタンスは、200時間移動平均線の115.57円、116.00円、その上は1月4日高値の116.50円。サポートは、1月3日安値の114.95円、その下は114.65円。

 この日のユーロ/円は「ユーロ高」。24時間のレンジは130.40円から131.20円。 

 前日つけた130.16円を底値に買い戻しモード入っていて、東京時間朝の130.40円を安値に上昇。途中まではドル/円と共に、円安の勢いが止まったあとは、ユーロ/ドルと共に上昇して東京時間明け方に高値131.20円をつけました。終値は131.07円(前日比+0.54円)

欧州のインフレは昨年11月ピークとのECB(欧州中央銀行)の予想に反して、いまだ上昇が続いていて、ECBは今年の年末には利上げを始めるとの予想が強まっています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今週の重要経済指標

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

夢というのは魔法で叶うものじゃない。汗をかき、決断を下し、一生懸命取り組んでこそ実現するものなのだ。- コリン・パウエル(元米国務長官)

Walking On Sunshine

 前回11月米CPI(消費者物価指数)は前年比+6.8%と39年ぶりの高水準となりました。インフレの勢いは衰えを知らず、今夜発表される12月はさらに上昇して前年比+7.0%の予想となっています。詳細を見るとCPIの主要構成要素である自動車価格や住宅価格が沈静化の兆しがでている一方で、その他のコア商品が全般的に高くなっています。コア指数の予想は前年比+5.4%(前回+4.9%)に上昇する予想。

 同じく重要なインフレ指数であるPPI(米生産者物価指数)の11月は、前年同月比+9.6%。統計でさかのぼれる2010年以降で最大の伸びとなっています。コアPPIは前年比+7.7%で、こちらも過去最大の伸びとなっています。

 米国のインフレは中古車自動車から始まりました。中古車価格の高騰は、コロナで自動車通勤の需要が急増したことに加え、半導体チップの供給不足による新車生産の大幅な遅れが理由でした。

 半導体のサプライチェーンは徐々に修復が進んでいるようですが、安心するのはまだ早い。アメリカの中古車価格の指標である「マンハイム指数」は異常な高水準で高止まりしています。マンハイムは、米国最大の自動車オークション会社で、米国内の約80カ所の拠点から年間約600万台の自動車を販売しています。ライブ・オークションとデジタル・オークションの両方を運営しており、入札者はリアルタイムで参加することができます。

 マンハイム指数は昨年初めから上昇傾向が続いていましたが、特に5月からは、新型コロナの感染拡大の深刻化とともに急激に上昇しています。2021年1月に163.0だった指数は、10月には223.7、そして11月にはさらに234.8になっています。オークションの動向は、数ヵ月の遅れをもって中古車小売価格に反映されるので、CPIの上昇はまだ続く可能性があります。

 交通網が発達している日本や英国では、中古車価格が急上昇したところでそれほどインフレの実感はわきません。電車を主に利用する人にとっては、中古車価格が2倍になろうが関係ないからです。

 しかし、食料品はそうはいかない。運転をしない人は大勢いるが、食事をしない人はいない。先進国の食料品価格は、農業生産国のエネルギー価格と労働コストが大部分を占めます。最近では中東の政府が小麦を大量に購入したり、中国人が食料の備蓄を増やしたりするなどパニック買いが発生しています。

 ついに日本にも食料品インフレがやってきました。1月に食パンの値段が10%近く値上げされたことを皮切りに、今年はマヨネーズ、ハム・ソーセージ、冷凍食品、醤油、食肉、果物、アルコールなど、ほぼ全ての食料品が大幅値上げされる予定です。中古車インフレはローカルな問題ですが、食料品インフレはグローバルな問題です。

今日の注目通貨:豪ドル/円

2022年の予想レンジ ↑74.52円 ↓91.24円

 2022年のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、82.88円。
82.88円より上ならば豪ドル買い優勢、82.88円より下ならば豪ドル売り優勢と考える。

94.44円 : 第4レジスタンス(HBO)

91.24円 : 第3レジスタンス

90.30円 : 2017年 高値
89.09円 : 2018年 高値

88.05円 : 第2レジスタンス

87.83円 : 2016年 高値
87.06円 : 第1レジスタンス

86.25円 :     2021年 高値

82.88円 : ピボット

82.07円 : 2021年 平均値 

78.85円 : 2021年 安値
78.70円 : 第1サポート

77.72円 : 第2サポート
77.12円 : 2018年 安値

74.52円 : 第3サポート

71.33円 : 第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 豪ドル/円データ