国債が買われている(利回りが下がっている)という現象は、リスクマネーの収縮を意味する。すなわち、資産デフレ=現金のバブルが続いているということだ。この傾向は2008年の6月から顕著である。

米国の利下げを受けて12月19日に日銀は0.2%の利下げ(0.1%)とCPの購入、国債買い切り増額などを発表した。日本の利下げ後は円売り傾向となっているが、今週のドル/円相場が堅調なのは米金利が下げ止まっているからである。リスクマネーの動向は各国の債券市場をみていればわかるが、現在、買われすぎの国債が修正安(金利上昇)となれば、株高・円安の可能性も出てくる。現在の外為市場は金利感応度が上昇しているので、今後の動きを注視していきたい。

米国10年国債(黒)日本10年国債(赤)ドイツ10年国債(青)の推移


(出所:石原順、ブルームバーグ)

投機筋の仕掛けによってショートカバー(買い戻し)主導で上昇したものの、やはりユーロ/ドルの1.47台や、ドル/スイスの1.04台は短期的に買われすぎであった。しかし、トレンドは買いに転換しており、今後は押し目買いが有効となろう。年末から1月中の相場でユーロ/ドルやドル/スイスの急落場面があれば、ユーロ買い・スイス買いの好機と考えている。

相場変動率(26日標準偏差ボラティリティ)からみると、現在は値幅の調整か日柄の調整を待ちたいところだ。焦らずじっくり押し目を待ちたい。

ユーロ/ドル(日足)
26日変動率(青色)と14日ADX(緑色)
トレンドの発生(黄色)から短期間で急上昇したため、押し目を待ちたい


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ドル/スイス(日足)
26日変動率(青色)と14日ADX(緑色)
年末・年始の相場でドル安相場になるなら、先導役はスイスフランだろう


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/ドル(日足)と抵抗線


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/ドル(日足)と支持線


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ユーロ/ドル(日足)と一目均衡表


(出所:石原順、ブルームバーグ)

外為市場の潮流はこれまでの「円キャリー取引の巻き戻しによる円全面高相場」から「ドル安相場」に移行している。だが、バーナンキ議長のヘリコプター・マネーの投下や、オバマ新政権への期待感で年明けの相場はリバウンドの可能性もある。筆者はユーロやスイスの利食いをした後、クリスマスシーズンの現在は様子見中である。年末・年始の相場は荒れやすく、相場の反転も起こりやすい。はっきりした方向性が出るまでは、1時間足等の短いタイムフレームの短期売買で相場についていくという方針をとりたい。

円相場の相場変動幅(ATR)の動向(データは2008年12月25日まで)

ドル/円およびクロス円市場は“円の上昇時に変動幅が拡大し、円の下落時に変動幅が縮小する”という市場の構造を持っている。(特に変動幅縮小の過程では円安になりやすいというのが円相場の特徴である)ドル/円やクロス円通貨は、ATR(アベレージトゥルーレンジ)が下がる過程で円安、上がる過程で円高となるパターンが多い。黄色の期間では円の売り放置やキャリートレードはリスクが高くなる。ATRは過去に見ないような高い変動幅を記録しており、現在は平時よりも(円高)リスクの高い局面であることに注意していただきたい。変動幅が低下しても変動幅の絶対水準が高すぎるので相場の振れが大きくなる。

ユーロ/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

豪ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ランド/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ドル/円(日足)とATR 緑のATR低下期間が円売りの有効時間帯


(出所:石原順、ブルームバーグ)