★トウシルYouTubeで対談動画をチェック

 ここ数年で、日本でも投資を始める人が増えてきました。日本人の投資リテラシーの向上には、多くの投資系YouTubeチャンネルが貢献しています。

 今回は3名の人気投資系YouTuberの方にお集まりいただき、資産形成についての考えや投資初心者へのアドバイスなどについてお話いただきました。

出演者紹介(50音順)

■つみたてシータ シータさん

 YouTubeチャンネル『つみたてシータ』を運営。

 自身の体験に基づいて、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)、ポイ活、ふるさと納税など、お金周りのさまざまな情報を短時間の動画にまとめ、ブログやメルマガでも投資に役立つ情報を惜しみなく発信しています。

■BANK ACADEMY 小林亮平さん

 YouTubeチャンネル『BANK ACADEMY』を運営。

 YouTubeとブログのコンセプトは「元メガバンク銀行員といっしょに、資産運用とお金を学ぶアカデミー」。つみたてNISAやiDeCo、楽天経済圏、ふるさと納税など、資産形成の入門知識を伝えるコンテンツが満載です。

■もふもふ不動産 もふ社長さん

 YouTubeチャンネル『もふもふ不動産』を運営し、不動産投資の世界で広く知られる投資家の1人。

 YouTubeとブログでは不動産投資のほか、自力でお金を稼ぐ方法やお金の基礎を勉強できるコンテンツも多数配信しています。

コロナショックのあった2020年に比べて2021年の投資環境は穏やか

――まず、2021年の振り返りをお願いします。YouTuber活動で印象に残っていること、投資の成功談、失敗談などを教えてください。

もふ社長(以下、もふ):僕自身、2020年まではめちゃくちゃ動画を出しまくっていたのですが、2021年は週2本くらいをアップするというふうに少しペースを落としました。自分の事業を立ち上げたりとか、他の部分にリソースを使っていたりしたからです。

 もう不動産や投資系のコンテンツは撮り切ったかなという感じがしていますね。なので、今は楽しく役立つ情報を提供しています。

 印象に残っていることが2つあって、拠点を名古屋から東京に変えたことに合わせて、ライブ配信ソフトの「OBS Studio」を使うようになりました。2018年にYouTubeを始めて、3年目で動画のスタイルを変えて、それがようやく軌道に乗ってきたかなというところですね。

 あとは、YouTubeではショート動画や切り抜き(第三者が長編動画の一部を切り抜いて編集し再投稿する手法)が増えてきていて、見る人が長い動画を好まなくなってきました。

 今までは20分ぐらいの動画を出していたのですが、どうやって、ぱっと見てぱっと分かる流れに適応していこうかなと考えているところです。2021年はYouTuber目線でいろいろ考えた1年でした。

小林亮平(以下、小林):2021年の僕は淡々と動画を上げていましたね。2、3日に1本の割合で、140本ぐらい上げました。

 あとはYouTubeがきっかけとなって、KADOKAWAさんからお声がけをいただき、「これだけやれば大丈夫!お金の不安がなくなる資産形成1年生」という本を出すことができたことが印象に残っています。コンテンツは、「つみたてNISA」関連だけで50本はありますね。

もふ:すごい数ですね。

小林:あらゆる切り口でコンテンツをつくっています(笑)。その中で、一番見ていただいている動画も「つみたてNISA」関連ですね。

つみたてシータ(以下、シータ):2021年に印象に残ったのは、チャンネル登録者10万人を達成して、YouTubeから「銀の盾」を贈られたことです。YouTubeをやって良かったと思いました。

 別の意味で印象に残っているのは、「家族に身バレ事件」が起こったことです。動画によく猫が登場しているのですが、親戚の人に、「あの猫って、もしかして……」とバレてしまいました。

 今では、いつも監視されているような複雑な気持ち(笑)で、YouTubeをやっています。

小林:そんな事件が! 僕は顔出しをしていないので、YouTubeをやっていることを知っているのは、妻と両親程度です。

シータ:顔出しをしているもふさんは、よく突っ込まれるんじゃないですか?

もふ:意外かもしれないんですが、家族や親戚はYouTubeをやっていることを知りません。顔をこれだけ出している僕がバレなくて、猫1匹で猫バレするって、すごい確率ですね(笑)。僕も猫を出したらばれるかもしれませんね。猫は飼っていないんですけど(笑)。

小林・シータ:あはは(笑)。

小林:僕は今年、投資の成功談も失敗談もあまりなくて、インデックス投資と高配当ETF(上場投資信託)を淡々と買い続けました。

 インデックスファンドは主に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を買っているのですが、2020年のコロナショックの時は、わかりやすい下がり方だったので、普段はやらない一括投資をしました。

 2021年の相場は、そうしたショックもないので、今まで通り淡々と積み立てた方がいいと思いました。

シータ:僕もメインはインデックス投資なのでつまらないかもしれませんが(笑)、インデックスに連動した成果が出ている感じです。それだけでは面白くないので、サブで成長株投資をしています。

 小型株を買って短期売買をしているのですが、失敗談という意味では、2021年の前半あたりで米国小型株がぐんと伸びて、その後、大きく下がった時期がありました。米国小型株は2020年に2倍、3倍になったのですが、2021年は一気に半分に減ってしまいました。

 それが一番の失敗です。個別株でリスクを取り過ぎていたことに気づいたので、リスクを今まで以上に意識する配分に変更しつつあります。

 うまくいった投資は、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)です。NFTとは、改ざんができないデジタルデータのことです。

 2021年11月の頭に100万円ほど買いました。1、2週間で15倍くらいに増えて、100万円が1,500万円ほどになり、今のバブリーな空気を感じることができたのが面白かったですね。初心者の方には絶対にお勧めできませんが……。

もふ:僕は不動産投資家ですが、もともと株でもうけたお金で不動産投資を始めました。今は、それほど株のウエートは大きくなくて、全資産の5%くらいです。

 個別株としては、スクエア(SQ)(※)やマネーフォワード(東1・3994)、ズーム(ZM)を2020年に買い、値上がりしたので2021年になって利確をしました。ただ利益は微々たるものです。

 インデックス投信も積み立てで、S&P500とかQQQ(NASDAQ100指数に連動するインデックスETF)を買ったりしていますが、資産のほんの一部です。あとはエンジェル投資と呼ばれる、上場する前の会社3社に合計800万円くらい投資をして、上場を目指す会社のお手伝いをしています。

 他には、1棟9,000万円弱の名古屋の新築アパートを買ったり、いろいろなことをやっています。住居はコロナの影響をそれほど受けていない印象です。店舗を保有されている方はかなり厳しいと思います。でも不動産投資家は住居メインで保有されている方が多いので、そこまで影響を受けていないと思います。

※編集部注:スクエアは2021年12月10日に「ブロック」に社名変更しました。本記事では対談実施時点の社名で掲載しております。

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