11月の米国相場は新型コロナ感染再拡大懸念で下落

<直近3カ月間のS&P500指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 11月の米国株式市場は、上旬は10月から続く良好な米企業の決算発表を受けて上昇傾向が続きました。中旬には、米CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回りインフレ懸念が強まったことで、株式市場の上昇の勢いが弱まりました。

 下旬から月末にかけては、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大や新型変異株「オミクロン株」への懸念から大きく下落する展開となりました。

2021年11月 個人投資家に人気だった銘柄は!?

2021年11月 米国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 VTI 1 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ETF、米国株式
2 TSLA 4 テスラ 電気自動車
3 NVDA 19 エヌビディア 半導体
4 RIVN リヴィアン・オートモーティブ 電気自動車
5 SPYD 3 SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
6 VOO 2 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
7 MQ 8 マルケタ フィンテック、
カード発行
8 MSFT 11 マイクロソフト ソフトウェア、PC
9 AAPL 5 アップル スマホ、PC
10 QQQ 9 インベスコQQQ 信託シリーズ1 ETF、
ナスダック100
※楽天証券内買付代金ベース。2021年11月1日~11月30日、国内約定日ベース。

 楽天証券における11月の米国株式月間買付者数ランキングのトップとなったのは10月に続きバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)でした。特に、下旬から月末にかけて相場全体が大きく下落した中で、米国株全体に投資ができるVTIに人気が集まりました。

 5位のSPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)やバンガード・米国高配当株式ETF(VYM)などのような高配当株式ETF(上場投資信託)は引き続き人気銘柄ではありますが、ここ最近はETFの人気銘柄の流れが変わってきているように思います。

ランキング上位の銘柄について、最近の動向を確認!

テスラ(TSLA)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近3カ月間日足チャート)

 10月、米レンタカー大手ハーツ社がテスラのEV(電気自動車)を10万台購入する計画を発表したことを受け株価が大きく上昇していたテスラ(TSLA)ですが、11月に入り上昇は一服しました。

 イーロン・マスク氏がツイッター上で「保有するテスラ株約10%を売却すべきか」の賛否を問う投票を行った結果、57.9%が売却を支持するという結果となりました。

 それを受け、イーロン・マスク氏は保有株式の一部売却を実行することとなり、同社株価の上昇をストップする要因となりました。

 しかしながら、テスラの今後の業績が悪化するというニュースではないことから、個人投資家の方々は同社の今後の業績拡大を期待して、下がった場面では買いを入れられているお客さまが多かったものと思われます。

エヌビディア(NVDA)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近3カ月間日足チャート)

 先月の19位から3位に大きくランキングを伸ばしたエヌビディア(NVDA)は、11月17日に決算発表すると同時に第4四半期(11~1月)の売上高見通しを発表しました。その売上高見通しが市場予想を上回ったことを受け、株価は上昇しました。

 人工知能(AI)や最近注目のメタバース(巨大な仮想空間)への投資を加速するネット企業が増えていることを受け、データセンター事業のさらなる成長が見込まれています。

リヴィアン・オートモーティブ(RIVN)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近1カ月間日足チャート)

 4位のリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)は11月10日に新規上場したばかりの新興EVメーカーです。上場直後は株価の上昇が続き、時価総額は一時1,000億ドルを突破し、EVメーカーの中でテスラに次ぐ2位となりました。

 目先は、黒字化できるかという課題がありますが、テスラを筆頭に今後もEVメーカーには注目が集まりそうです。