今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは114.55

下値メドは112.78
 

[自動車] 中国のマグネシウム供給不足で世界の自動車工場が相次ぎ閉鎖。
[自動車] 英国の自動車生産、前月比42%減。生産回復は1年後まで期待薄
[自動車] タイヤメーカー大手コンチネンタルタイヤが収益見通しを下方修正

 8日(木曜)のドル/円は「円安」。高値113.95円、安値113.31円、1日の値幅0.64円。

 この日は113.53円からスタート。マーケットの材料はこの日もオミクロン変異株。英国がロックダウンの再導入を検討中とのニュースで上値が重く、夜の初め頃(欧州時間朝)に前日の安値(113.40円)を下回り113.31円まで下押し。

 ところが、夜遅く(NY時間)になって113.95円まで急反発。米ファイザーと独バイオ企業のビオンテックは、共同開発したワクチンがオミクロン変異株にも有効であることを確認したと発表。新しいワクチンの開発には数カ月必要といわれていただけに、リスクオンが強まりました。終値は113.70円(前日比+0.15円)。

 米感謝祭以後の抵抗ゾーンとなっている113.90円から114円にいったん食い込んだものの、抜け出すことはできませんでした。114円が短期ターゲットで、ドル強気派が自信を取り戻すためには完全クリアが必要。ただ、オミクロン変異株の不安を打ち消すような材料が出たにもかかわらず届かないことは、売りの強さを示します。来週の2021年最後の大イベントを前にポジションを傾けるよりも、身軽に反応できるようにポジション・ダイエットしようとする投資家の方が今は多いようです。

 ユーロ/円はユーロ高、127.83円から129.10円まで上昇。8営業日ぶりの129円台でした。豪ドル/円は続伸。80円台後半が堅く、81.72円まで上昇。

 ポンド/円は149.35円から150.70円まで上昇も、前日の高値(151.13円)には届かず。リスクオンで上昇するユーロ/円や豪ドル/円に比べると冴えない動きでした。英国のコロナ対策の強化が、景気のマイナス材料として受け取られたからで、ジョンソン首相は公共空間のマスク着用、大規模イベントのワクチンパスポート提示義務や在宅勤務の奨励を発表しています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替トレッキング

今日の一言

強い者が生き延びたのではない。変化に適応したものが生き延びたのだ。- ダーウィン

Danger Zone

 米国の金融政策は、米国のコロナ感染流行から1年8カ月を経て、大きな転換の節目を迎えました。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は11月の会合で量的緩和の規模を段階的に縮小することを決定し、米国債100億ドルと住宅ローン担保証券50億ドルで合計150億ドルの毎月減額を開始しました。

 FRBの量的緩和は、国債と住宅ローン関連の証券を合わせて毎月1,200億ドルだったので、このペースで行けば、2022年6月に量的緩和が終了することになります。さらにパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は12月のFOMCで緩和縮小パースの加速を議論すると述べています。緩和縮小額は倍額の毎月300億ドルになるというのがマーケットの予想。その場合、緩和縮小は2022年3月に完了することになります。

「緩和縮小は、利上げの旅の一里塚」。緩和縮小が前倒しされるなら、利上げも早まると考えるマーケットに対して、パウエルFRB議長は、緩和縮小と利上げは「別々の金融政策」だと改めて強調。しかし、米国のインフレ率が高く強さが増すなかでマーケットを納得させるのは難しくなってきているは事実。主要インフレ指標のひとつである個人消費支出(PCE)物価指数の10月は前月から4.4%からさらに加速して前年比5.0%上昇して1990年11月以来、31年ぶりの高水準を記録しています。

 FRBの2022年の「最初の利上げ」は9月というのがマーケットの予想です。つまり来年3回の利上げを織り込み始めていることになります。確かに、FRBが一過性という表現を使うことを止めるほどインフレは昂進していますが、それでも来年4月から7月には下落に転じるとの考えを捨てたわけではない。とりあえず緩和縮小をスタートしてみて、完了した時点で状況を判断すればよい。緩和縮小は利上げまでの時間を買う戦略ともいえます。緩和縮小のペース加速は、利上げを含めた政策の選択肢をできるだけ早めに確保することが目的。必要なければ使わなければ良いのです。

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ポンド/円

12月の予想レンジ ↑158.57円 ↓145.04円

 今月のブルベアの分かれ目は151.81円。
151.81円より上ならば買いが優勢、151.81円より下ならば売りが優勢。

 2021年これまでの高値は158.22円、安値は139.52円。平均値は148.87円。
1日の最大値幅は2.42円、最小値幅は0.29円。平均値幅は1.04円。
2021年の値幅は18.70円。

161.16円 :     第4レジスタンス(HBO)

158.57円 :     第3レジスタンス
158.22円 :     2021年 高値

156.50円 :     11月 高値

155.99円 :     第2レジスタンス
155.19円 :     第1レジスタンス

153.60円 : 11月 平均値

151.81円 : ピボット

151.07円 :     2021年 61.8%

150.71円 :     11月 安値

148.87円 : 2021年 平均値
148.42円 :     第1サポート

147.63円 :     第2サポート

146.66円 :     2021年 38.2%

145.04円 :     第3サポート

142.46円 :     第4サポート(LBO)

139.52円 :     2021年 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 ポンド/円 データ