優待マニアが本音で選んだ老舗&新設優待銘柄

 皆さんこんにちは。「お宝優待株」を連載しているまる子です。毎月お読みいただきありがとうございます。

 さて、今年2021年の「トウシル」年末年始特集は「2択」。運命の分かれ道、どちらを選んだ方がよいの? お得なの? こっちの道は甘いのか、それともいばらの道なのかというテーマ。

 安心してください! 優待投資はどちらの道を選んでも大丈夫な安心設計。見える景色が多少違いますが、穏やかでなだらかな優待ロードですので一緒に歩いてみませんか。

 そして、今回の2択優待投資のお題は「老舗」か「新設」か。

 長く優待投資をなさっている方なら、「毎年ここの優待を楽しみにしている」とか「この優待が来ないと年を越せない、夏が来ない」と季節のイベントとして楽しまれている方も多いと思います。

 私も夏前に届くアークス(9948)のリンゴジュースは夏の楽しみですし、TAKARA & COMPANY(7921)の優待は毎回「だし醤油」。年末に届く正栄食品工業(8079)のお菓子詰め合わせに入っている翌年の干支のチョコレートを、お正月に食べるのを楽しみにしています。

 一方、新しいもの好き、他の人がまだ知らない、保有していない優待をゲットする喜びもあります。

 ここ最近はコロナ禍で、コスト面からか優待新設は低調に推移していますが、全くないわけでもなく、クオカードや「プレミアム優待倶楽部」での新設は増加傾向。

 今年2021年3月に優待新設を発表した築地魚市場(8039)の株価急騰は、まだまだ強い株主優待人気をまざまざと実感しました。

 調べたところによると、株主優待の歴史は諸説ありますが、株主総会に来場したときのお土産の名残といった説が有力です。 記録の残っている最初の株主優待は今の東武鉄道株式会社で、同社の社史に、「明治32(1899)年、優待株数300株以上、範囲は鉄道全線、優待株主数41名」との記述があります。

 約120年続く株主優待制度。日本文化の「お中元」「お歳暮」の贈り物文化が土壌にあるようですが、長く続いている優待老舗か、今の時代に合った新設優待か、どちらがお好み、どちらもお好み。私のおすすめ銘柄をいくつかご紹介します。なお新設優待は2020年~現在まで発表のあったものから選んでいます。

安定感バツグン!老舗優待銘柄5選

 まずは老舗。メーカーの新商品詰め合わせで毎年のトレンドを感じたり、毎年図柄が変わるオリジナルクオカードをコレクションされたりしている方も多いかと思います。また長期優待の縛りがあり、気が付いたら3年、5年がたっていたという銘柄もあるのでは。

 長期で優待を出しているということは、優待廃止のリスクも少なく、継続的に配当を続けている企業ですと、長期保有のメリットも感じられます。

 また、長く持っているとその株の癖のようなものも分かり、下がったときに株数を増やして配当や優待のランクアップを狙うのも株投資の楽しみ方かもしれません。「この銘柄なら任せて!」と言えるような優待老舗銘柄のプロになるのもよいのでは。

老舗優待銘柄1:ライオン(4912)

 ライオン(4912)は年に一度、新製品を中心にした商品詰め合わせが贈られます。株主への優待ですが、消費者でもあるので、自社の商品を好きになってほしい、今年はこんな商品を出しましたとのごあいさつとも感じられ、これぞメーカー系の優待品だと思います。

老舗優待銘柄2:吉野家ホールディングス(9861)

 先日、優待変更を発表した吉野家ホールディングス(9861)も優待老舗。BSEの影響で牛肉の輸入が厳しく、業績悪化したときも優待は継続していました。

 変更内容は2月・8月とも100株で3,000円分の食事券でしたが、これが100株で2,000円分となり、100株優待はグレードダウン。

 しかし200株優待を新設、200株ですと5,000円分の食事券となりお得。優待を使って株主心理をくすぐるのも人気優待、老舗優待ならではですね。

老舗優待銘柄3:オリックス(8591)

 今では人気優待の1位、2位を争うオリックス(8591)ですが、優待導入は2015年と老舗とはいえませんが、今後老舗の仲間入りをするだろうと期待して選定。

 当時は外国人持ち株比率が高く、個人株主が少なかったオリックスでしたが、魅力的な優待を発表し、あっという間に人気優待銘柄に。配当も高く、3年以上の長期保有でカタログがランクアップするのも楽しいです。

老舗優待銘柄4:アサヒグループホールディングス(2502)

 アサヒグループホールディングス(2502)の優待、株主限定ビールも長く続いていますね。

 投資額や利回り的にはそれほど魅力的ではないかもしれませんが、「限定」という何かスペシャルな言葉に弱い者としては外せない優待品です。

 通常売られている商品とどこが違うのか、昨年贈られた限定ビールと何が違うのか、私の舌では判断できかねますが、毎年楽しみにされている方が多い優待が廃止になることはないでしょう。

老舗優待銘柄5:リコーリース(8566)

 最後の1銘柄はリコーリース(8566)

 こちらも先日優待変更し、保有期間1年未満、100株はクオカード3,000円から2,000円にダウンしたものの、長期保有では金額変わらず。

 また300株のカテゴリーを新設。こちらの銘柄は配当利回りも高く、長く持つと優待額も増え、長期保有にお勧めの銘柄。ちなみにリコーリースがクオカードに優待変更したのは2007年からで、以前はコカ・コーラギフト券でした。

金券多し!新設優待銘柄5選

 一方、2020~2021年に新設された優待の内容は「プレミアム優待倶楽部」やクオカードなどの金券類、または自社運営サイトで使えるポイントなどが多くなっています。

 優待を出せる企業は既に出していますし、新規上場やサービス業、B to B(企業間取引)の企業などは自社商品ともいかず、このような結果になっているのではと思っています。

 その中でも2020年、2021年と気になった銘柄をいくつかご紹介します。2020年新設優待は既に現物が届いていますね。

新設優待銘柄1:ひろぎんホールディングス(7337)

 まずは、圧倒的人気のひろぎんホールディングス(7337)

 2021年3月が初めての優待で、100株のカタログがネットで見られるようになったときにはなかなかつながらず、ヤキモキ。

 地方の名産品が選べる優待はやはり人気ですし、投資額もあまり高くなく、配当も高めと文句なしの新規オススメ優待。唯一の心配は人気になり過ぎて、欲しい商品がもらえないリスクでしょうか。

新設優待銘柄2:シミックホールディングス(2309)

 シミックホールディングス(2309)の優待も魅力的。2020年2月末に優待新設を発表し、2021年で2回目です。

 カタログから選べますが、お米5キログラムが人気でしょうか。他の商品も会社とゆかりのある地域からのもので、会社のことを知ってほしいとPRも兼ねた優待新設なのだと思います。

新設優待銘柄3:アマガサ(3070)

 会社の業績が少し心配なアマガサ(3070)ですが、女性を中心に優待内容の「靴1足」に惹かれた方も多いのでは。

 売り上げ減少が続き、継続前提に疑義注記が付いていますが、優待新設で株主を増やし、優待を使ってでも在庫を減らしたい意図があるのかもしれません。こちらの銘柄が老舗優待になるかはかなり怪しいですが、株価復活もあるかもしれない銘柄ですね。

新設優待銘柄4:築地魚市場(8039)

 2021年の新設優待も2020年同様、数は少なくさみしくなりました。ただ、その中でも築地魚市場(8039)の上昇ぶりはすごかったです。

 100株での初優待は漬け魚セットで、200株ですとプラスいくらの醤油漬け。増配とセットでの発表でしたので、インパクトは大きかったですね。私も2022年ぜひぜひ権利を取りたいと思っています。

新設優待銘柄5:ゆうちょ銀行(7182)

 最後に、新設優待の発表に驚いたゆうちょ銀行(7182)

 500株からと少しハードルは高いですが、配当もよいのでコツコツ買い集めても。2015年の上場以来、株価は元気なく、ここに来て「あなたも優待に頼ったのね」と驚きました。内容は「ふるさと小包」やオリジナルフレーム切手など、なかなかおもしろそうです。

老舗or新設の勝負の結果は? 

 老舗でも新設でも優待の魅力はどちらも変わらず。勝負は引き分けでしょうか。

 毎年変わらず安定した優待をもらいつつ、新設優待発表のアンテナを張って、老舗でも新設でも、どちらもおいしいところをうまくつかんで、優待投資をしていきたいですね。

今月のお宝優待株