3月13日のドル/円相場は12年4カ月ぶりの1ドル=100円割れとなった。100円割れについていろいろ解説されているが、前回のコラムで述べた2月 29日のバーナンキFRB議長の議会証言での発言が「ドル売り・インフレ買い(原油や金など商品相場の高騰)」の決定打となっているのである。
本日のNY時間もバーナンキ米FRB議長の講演「持続的な住宅所有の促進」が予定されており注意が必要だろう。バーナンキ米FRB議長が何を発言しても、市場のバイアスは「景気後退懸念とインフレ懸念」に傾いているからだ。18日のFOMCでは利下げ幅が注目されているが、議長が推し進める金融緩和は結果的にドル安・株安にしか反応しなくなっているため、今後も苦しい舵取りとなるだろう。現在、FRBばかり金利を下げてECBは知らん顔といったチキンレースとなっているが、この構図は1987年のブラックマンデー当時と似ている。
4月2日にもバーナンキFRB議長の議会証言が予定されている。上院下院合同経済委員会にて東部時間午前9時半より議会証言予定となっており、テーマは「リセッション危機・住宅市場問題・ドル安・米景況一般について」である。市場関係者は米国経済の悪化やドル安をすんなりと認めるのではないかと疑心暗鬼になっており、その質疑応答に注目している。
ドル/円相場はテクニカル的に長期のサポートラインとなっていた101円を下抜けた。今後、終値で100円を下回ってくると97円・95円・90円といった水準までの下落余地が生じている。一方で100円という水準は値ごろ感からのドル投資も出てくるだろう。現在、ドル/円相場は長期に及ぶ三角保合いの「下抜け」か「切り返し」かの正念場に差し掛かっている。
相場は保合い離れにつくのが基本であるため、現状はドル売りでよいと考えるが、現在のドル安相場はサイクル分析ではエクステンション(延長)の領域にあり、対ユーロでは売られすぎの状態にある。こういった局面ではドルの大きな自律反発もあり得るので、実践のトレードでは動的に利食いの逆指値をおいておくか、小刻みな利食いを繰り返しながら相場についていくのがよいだろう。
- ドル/円(日足)とトレンドライン
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- ドル/円(月足)とトレンドライン
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- ユーロ/ドル(日足)とトレンドライン
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- ユーロ/ドル(月足)とトレンドライン
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