低予算で買える右肩上がり企業に投資!企業も株価も成長期待大

 成長企業株は、株式投資の王道です。自分が選んだ会社の業績が成長し、株価も上がってリッチになっていく経験をした人は、株式投資にお金もうけ以上の喜びを感じることでしょう。

 成長株の例としてしばしば取り上げられるのは、衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングです。1994年7月に広島証券取引所(2000年3月に東京証券取引所が吸収)へ株式を上場したばかりの頃は、地元山口県など中国地方の郊外に小規模な衣料品店をチェーン展開する地方企業でした。

 その後の快進撃は、説明するまでもないでしょう。柳井正会長兼社長の陣頭指揮の下、売上高2兆円を超える規模へ一気に駆け上がり、今では世界有数の衣料品小売りグループです。

 ファーストリテイリングの株価は現在(2021年11月24日)7万2,890円。上場時の株価は1万4,900円なので一見すると4.9倍ですが、1株を2株に分けるなどの株式分割を繰り返した結果、株数も増えています。

 株価が4.9倍に値上がりし、さらに購入した株数が100株から1,452株に増えているイメージで、ざっと71倍高です。10万円が710万円です。この間に配当金もあったので、ファーストリテイリング上場以来の株主は資産がもっと膨らんでいる計算です。

 この種の成長株を買って、期待通りに値上がりしたら売りたくなるはずですが、簡単に手放す前に考えてみてください。先のファーストリテイリングの例でいえば、後に71倍高に成長する株を、2~3倍になった時点で喜んで売ってしまうのは惜しいことです。

 SNS(交流サイト)上では「ガチホ」「グリップ力」などという個人投資家の書き込みがよくみられます。ガチホは「ガチ(本気)でホールド(所有)する」を、グリップ力は株式を握りしめて離さない力を意味する造語です。どちらも「多少の環境悪化には負けず、簡単には売らない!」という、売りたい誘惑と戦う投資家の気持ちがにじみ出ています。

 買い値をある程度上回っていれば、日々の株価変動に一喜一憂せずにいられるはずです。何年か保有して株価がさらに上がれば、買い増ししてもいいでしょう。株価に元気がなくなり、買い値を下回りそうになったタイミングで売っても、その間の配当金は手に入ります。

 買い値を上回った銘柄ほど長く保有する方針で投資すれば、今は小規模でもやがてファーストリテイリングのように急成長する銘柄に巡り合うチャンスが生まれてきます。

 ただ、企業の経営方針に共感できなくなったとか、売り上げの減少が続いてしまったとなれば話は別です。グリップする手を離し、別の成長株を見つけましょう。

 小さい企業の場合は売り上げの伸びが最大のポイントです。売り上げアップは商品やサービスが社会に受け入れられた証拠。若い企業ほど利益は後からついてきます。

 以下の銘柄は、三つのポイントでセレクトしました。ぜひ参考にしてください。

・15万円以下で買える
・ここ2~5年間で、売上高の伸びが大きい(予想値を含む)
・今期の純損益予想が黒字で配当をだしている

■初めてでも選びやすい成長企業株10選

※株価などのデータは12月1日現在。

ケアネット(東証マザーズ・2150)
株価 1,049円
いくらから
買える?
10万4,900円
成長ポイントは? 5年間で売り上げ3.5倍を予想
どんな会社? 医師向けに情報を提供するサイトで、製薬会社の営業活動を支援。新型コロナウイルス禍で、製薬会社のMR(医療情報担当者)はインターネットを活用した営業への転換を急いでいる。多忙な医師からのニーズも高い。2021年12月期の売上高は、2016年12月期に比べて3.5倍に拡大する見込み。
ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス(東証1部・3657)
株価 950円
いくらから
買える?
9万5,000円
成長ポイントは? ソフト検査で増収、増配
どんな会社? ゲームソフトなどの不具合チェックやネット監視が本業。海外売上高が3割に迫る。買収に積極的で、規模を拡大中。売上高は右肩上がり。2022年1月期の売上高は2017年1月期に比べて7割アップの予想。
エニグモ(東証1部・3665)
株価 988円
いくらから
買える?
9万8,800円
成長ポイントは? コロナ禍で通販サイトが好調
どんな会社? 「世界を買える」をキャッチフレーズに通販サイト「BUYMA(バイマ)」を運営。海外に住む人が現地で買い付けたブランド品などを、日本のサイト利用者に販売する。コロナ禍で巣ごもり消費が拡大し、業績は好調だ。2022年1月期の売上高予想は81億~88億円と、2019年1月期比で5~7割増を目指す。
ブイキューブ(東証1部・3681)
株価 1,129円
いくらから
買える?
11万2,900円
成長ポイントは? ネット会議システムで急成長
どんな会社? コロナの感染拡大でネット会議システムやイベント配信の需要が急増した。遠隔医療システムやテレワーク用ブースの運営でも話題になった。2021年12月期の売上高予想は130億円と、2019年12月期からの2年間で倍増する見通し。海外展開にも力を入れており、成長加速に期待。
Jストリーム(東証マザーズ・4308)
株価 819円
いくらから
買える?
8万1,900円
成長ポイントは? 動画のプロ集団、コロナ禍で真価発揮
どんな会社? ネットで動画を流すストリーミング配信のサポートなどを手掛ける動画全般の専門家集団。KDDIが出資する。DX(デジタルトランスフォーメーション)関連の成長株として注目される。2022年3月期の売上高はコロナ前の2019年3月期に比べて倍増、営業利益は7.7倍を予想する。
シーティーエス(東証1部・4345)
株価 774円
いくらから
買える?
7万7,400円
成長ポイントは? 建設 x ITに力、売上高100億円突破へ
どんな会社? 建設業向けに特化したITインフラシステムを手掛ける。IT化が加速する建設業のニーズに応え、現場作業の省力化や効率化をサポート。3D(3次元)を活用した測量機器の導入支援も急速に進んでいる。2022年3月期の売上高は100億円の大台を突破する見通し。配当金も前期比プラスが続いている。
トレンダーズ(東証マザーズ・6069)
株価 816円
いくらから
買える?
8万1,600円
成長ポイントは? SNSマーケティングに強み、総フォロワー数は500万人
どんな会社? SNSを活用したマーケティング支援を展開。画像共有アプリ「インスタグラム」の活用に強い。美容情報に特化した独自メディア「MimiTV」では、インスタグラムや動画投稿サイト「ユーチューブ」などを活用し、メイクやスキンケアの人気商品を紹介する。同メディアのSNS総フォロワー数は500万人を突破。2022年3月期の売上高予想は60億円と、2年間でほぼ倍増を見込む。
テクノホライゾン(ジャスダック・6629)
株価 817円
いくらから
買える?
8万1,700円
成長ポイントは? 企業買収に積極的
どんな会社? 映像 x ITの分野でさまざまな製品やサービスを提供するハイテク企業。10月に、2022年3月期の売上高予想を365億円と前回予想の330億円から上方修正した。買収した海外企業の業績が貢献する。電子黒板も販売し、学校 x ITの関連銘柄としても注目。
ヤーマン(東証1部・6630)
株価 1,007円
いくらから
買える?
10万700円
成長ポイントは? 日本や中国で人気の美顔器を販売
どんな会社? 美顔器など家庭で使える美容・健康機器を製造・輸出入販売する。テレビCMの効果もあって知名度が徐々に高まり、採算の良い自社販売を伸ばしている。中国向け販売も好調。
アルチザネットワークス(東証2部・6778)
株価 1,125円
いくらから
買える?
11万2,500円
成長ポイントは? 5Gの次は6G、次世代に欠かせないインフラ
どんな会社? 通信インフラの構築に必要な通信用計測機器を開発し、ネットワーク運用や保守も行う。携帯電話基地局が増えると仕事が増える。2022年7月期の売上高は、2018年7月期比でほぼ倍増の45億円を予想。高速通信規格「5G」の普及に加えて、2030年に予定される次世代規格「6G」の実用化に向けて仕事がさらに増えそう。