2021年8月通期は実質48%増益、政策リスクも職業教育部門の発展が追い風
現地コード | 銘柄名 |
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00839 |
中国教育集団 (チャイナ・エデュケーション・グループ) |
株価 | 情報種類 |
14.20HKD |
株価 企業情報 チャート |
大学や専門学校などの高等教育機関を運営する中国教育集団の2021年8月本決算は、売上高が前年比37.5%増、純利益は同128%増、調整後純利益が48.3%増だった。売上高と純利益はほぼ、BOCIの予想および市場コンセンサス予想通りの数字となり、調整後純利益は2つの予想をそれぞれ10.7%、8.2%上回った。年度下期(2021年3-8月期)を見ると、売上高は前年同期比36.4%増で、粗利益率は59%を維持。販売費および一般管理費の対売上高比率は19.6%から18.8%に低下し、最終利益の押し上げに寄与した。BOCIは同期決算がほぼ予想通りだったとして利益見通しを据え置いたが、目標株価の算出ベースを2021年度予想PER(株価収益率)27倍から、2022年度予想PER20倍に変更。これに伴い目標株価を引き下げた。目標基準のPER20倍への下方修正は、政策リスクが続く教育セクター全体に対する評価の引き下げによるもの。同社株価の先行きに対しては、強気見通しを継続している。
2021年度の好決算を支えたのは、買収した海口経済学院(Haikou University of Economics)の2020年9月以降の連結化や、平均学費の上昇、販管費の削減など。一方、同社は新たな政策方針に沿って、広東省、山東省、重慶市にある3つの「独立学院」(独立系カレッジ)の民営普通科大学への転換を完了。これに伴い、この3校の2021年9月の新入生は前年同期比で平均50%増え、同社全体の利益見通しがより明確化した。配当性向は43%と、同業他社を上回る水準にある。
経営陣は自社の業績見通しを楽観しており、毎年2件の買収を行うとの目標も据え置いている。この分野では買収をめぐる競争環境が比較的緩やかであり、豊富な軍資金を持つ同社は有利な立ち位置にある。
また、マーケットリーダーとしての同社にとっては、中国での職業教育システムの発展が追い風。ただ、BOCIは公立の専門学校に志願者が流れ、その結果、民営(私立)大学への入学者数が減少する可能性を指摘。この点が懸念材料になるとした。さらに、中国政府が掲げる「共同富裕」という政策理念の下、学費値上げがむずかしくなる可能性にも言及している。
BOCIは2021年8月本決算がほぼ予想通りだったとして、2022-2023年の収益見通しを据え置いた。予想売上高は同社経営陣が示したガイダンスを9%下回る数字だが、BOCIは慎重スタンスを維持する方針。目標算出ベースを下方修正する形で、目標株価を引き下げた。
レーティング面でのリスク要因としては、教育セクター全体に対する政策リスクを挙げている。
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