2021年9月中間期は60%増益、出店計画の上方修正でさらにシェア拡大へ
現地コード | 銘柄名 |
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01929 |
周大福珠宝集団 (チョウ・タイフック・ジュエリー) |
株価 | 情報種類 |
17.02HKD |
株価 企業情報 チャート |
香港系の宝飾品販売最大手、周大福珠宝集団の2021年9月中間決算は、純利益が前年同期比60%増の35億8,100万HKドルに達した。中国本土での金の売れ行き好調や卸売事業の拡大が背景。BOCIは金価格の変動による粗利益率の低下を小さなマイナス要因とし、収益の力強い伸びを前向きに評価。さらに、同社が2022年度の出店目標を再び上方修正し、店舗純増数を700店から1,000店に引き上げたことをプラスに受け止めている。引き続き2023年予想PER(株価収益率)23倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。
9月中間期の売上高は前年同期比79%増の442億HKドル。本土での卸売事業の好調が寄与し、予想を上回った。粗利益率は8.6ポイント低下して24.4%。歴史的な金相場の高騰を受け、前年同期の粗利益率が直近の高水準にあった上に、2021年9月中間期には金相場が下落したことが響いた。ただ、卸売事業の加速を受けた営業レバレッジ効果で、純利益率は8.1%に踏みとどまり、低下幅はわずか0.9ポイント。結果的に、純利益は60%増の35億8,100万HKドルと、ほぼ市場の予想通りの水準に達した。
同社によれば、直近の販売状況も堅調。2021年10月1日-11月18日のグループ全体の小売販売額は前年同期比32.6%増だった。中国本土の既存店売り上げは同12.4%増と、やや鈍かったが、これは比較対象となる2021年度下期(2020年10月-2021年3月)実績の高さが一因であり、ほぼ市場予想の範囲内だった可能性が高いという。経営陣は中国本土での2022年3月通期の売上伸び率が前年比30-40%に達するとの見方。BOCIは店舗網の拡大を理由に、この数字は達成可能とみている。
一方、経営陣が2022年3月通期の出店目標を1,000店舗(純増数)に上方修正したことを、BOCIはポジティブに受け止めている。市場シェアの拡大を後押しし、2023年3月期の収益成長の基盤になるとの見方。これにより、店舗総数は2022年3月末に5,600店超、2023年3月末には6,300店に到達するとみられ、2021-2023年度の店舗数伸び率は年率平均17%になる見通しという。
BOCIは最新の業績と経営陣によるガイダンスを受け、同社が強力なマーケットリーダーとして、市場シェアを継続的に拡大させるという見方がさらに強まったとしている。今後のけん引役としては、中国本土での店舗網の拡大を指摘し、2022-2024年度の予想EPS(1株当たり利益)をそれぞれ3%、13%、12%引き上げた。これまでと同様に2023年度予想PER23倍をあてはめ、目標株価を上方修正。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
一方、レーティング面の潜在的なリスク要因としては、新型コロナに起因する中国小売市場の低迷、金相場の変動による金製品の売上高や粗利益率の低下、店舗開設ペースの遅れ、予想以上の販管費の増大などの可能性を挙げている。
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