2021年7-9月期は実質小幅減収、競争激化と出生率低下で乳幼児製品が苦戦

現地コード 銘柄名
01112

健合国際控股

(ヘルスアンドハピネス・インターナショナル)

株価 情報種類

 17.10HKD
(11/17現在)

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 中国の粉ミルク・サプリメント大手、健合国際の業績は引き続きさえず、2021年7-9月期の売上高は前年同期比わずか2.8%増。多くの事業部門が減収となった。BOCIは主力の乳幼児向け、成人向けの栄養食品・ケア用品事業がそろって厳しい競争環境下にある上に、新たに買収したペット用品事業も本格的な収益貢献までには時間がかかるとの見方。目標株価を引き下げ、株価の先行きに対する中立見通しを継続した。

 7-9月期の売上高は前年同期比2.8%増の26億7,200万元だったが、為替変動要因や買収の影響を除く実質ベースでは同0.7%減。地域別では、主力の中国本土市場で苦戦した(7-9月の売上構成比は78%)。BOCIによれば、出生率の低下もあり、乳幼児製品の事業環境は厳しいという。一方、成人用の栄養食品・ケア用品を扱う「ANC」部門では、中国の越境ECプラットフォーム上での豪サプリメントブランド「Swisse」の売れ行きが悪化した(通常販路での売れ行きは改善)。BOCIはこの事業が、「抖音」(動画アプリTikTokの中国版)へのトラフィックのシフトといった構造的変化に対応するまでには、ある程度時間を要するとみている。

 経営陣は2021年12月通期の売上高が前年実績を上回ると予想しながらも、乳児用調整乳に関しては減収の可能性があるとしている。この予測は乳児用調整乳の売り上げが10-12月に減少することを意味する。経営陣はまた、製品構成の悪化(高利幅のプロバイオティック製品の比重低下)と原材料コストの高騰により、通期の利益率も低下圧力にさらされるとの見方。BOCIは経営陣のこうした慎重見通しを受け、同社が現在の難局を突破するまでには、まだ時間がかかる可能性を指摘している。

 一方、ペット用品ビジネスによる収益貢献を見込むのは時期尚早。経営陣はZesty Pawsの買収(2021年10月4日に買収完了)によるバランスシートへの影響について、繰り返し「限定的」と述べているが、BOCIは10-12月期の財務報告では、この買収がEPS(1株当たり利益)の希薄化にはつながらないという点を投資家に納得させる必要があるとしている。

 BOCIは乳幼児用製品の売れ行き低迷とコスト増大圧力を反映させる形で、2021年、2022年の予想EPSをそれぞれ11%、6%減額修正。2022年予想PER(株価収益率)8倍をあてはめて目標株価を引き下げ、株価の先行きに対する中立見通しを継続した。

 この先のレーティング引き上げにつながる要因としては、中国における2022年の主力製品の販売回復を指摘(渡航規制の緩和が実現した場合にはオーストラリア・ニュージーランド市場での売り上げ増も加わる)。半面、レーティングの引き下げにつながるリスク要因としては、乳幼児製品市場のさらなる低迷と、シェア維持に向けた広告宣伝費の増大の可能性を挙げている。