2021年9月中間期に29%の増益見通し、付加価値サービスなどがけん引

現地コード 銘柄名
00384

中国燃気控股

(チャイナ・ガス・ホールディングス)

株価 情報種類

17.58HKD
(11/15現在)

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 都市ガス大手、中国ガスの2021年9月中間決算について、BOCIは純利益が前年同期比29%増の65億7,000万HKドルに達するとみている(11月29日に決算発表予定)。ガス販売量および付加価値サービスの力強い伸びや人民元高といったプラス要素が、利幅の低下や新規のガス管接続件数の落ち込みを十二分にカバーするとの見方。また、最近の急落で、同社株価のバリュエーションがセクター内の最低水準まで低下したことに言及し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2021年9月中間期のガス小売販売量について、BOCIは前年同期比16%増を見込む。産業用需要の力強い伸びが背景。また、都市ガス部門がカバーする1億5,000万人規模のエリア人口と自前のオンラインECプラットフォーム「一品慧生活」(Smart Life)を強みに、付加価値サービス部門の売上高と利益がいずれも同30%増加するとみる。都市部での暖房供給(セントラルヒーティング)という新規ビジネスも成長エンジンの一つ。このほか、決算通貨が香港ドルであるため、対香港ドルでの前年同期比8.6%の元高も収益押し上げ要因となる。

 半面、9月中間決算のマイナス要因の一つは、都市ガス事業の利幅の低下で、1立方メートル当たり利益は前年同期の0.65元から0.60元に後退する見込み。閑散期にもかかわらず、川上の天然ガス価格が予想外に高騰したためで、価格転嫁を進めたものの、タイムラグが発生した。もう1点はガス管の新規接続件数の減少。中間期の家庭用新規接続数に関するBOCIの予想は前年同期比6%減の約267万件。都市ガスの接続がほぼ横ばいの221万件となる半面、「煤改気」(石炭から天然ガスへの転換政策)がすでに終盤に入ったことで、地方部での接続件数は29%減の50万件程度にとどまる見通しという。

 一方、中間期のLPGスマート・マイクログリッド(マイクログリッドは大型発電所に依存せず、地域内のエネルギー地産地消を促進する小規模ネットワーク)の新規接続件数は、引き続き5万件程度という低水準にとどまる見込み。多くの省でまだ、明確な補助金政策がないことが影響しているという。また、都市部の暖房供給ビジネスにとっては、9月中間期は需要の閑散期。新規接続エリアに関する通期目標(1,600万平方メートル)の達成率は、4分の1程度にとどまる可能性が高い。

 同社株価の年初からのパフォーマンスはガスセクターで最悪の水準。BOCIは現在株価の2022年予想PER(株価収益率)がわずか7.8倍と、魅力的なレベルにあると指摘している。目標株価は2022年予想PER16倍相当。2020年以来の取引レンジの中で、最も高い水準をベースとした。一方、BOCIはレーティング面での潜在リスク要因として、新規ビジネスの進捗(しんちょく)状況の予想以上の遅れ、新規ガス接続状況の一段の遅れという2つの可能性を挙げている。