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 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(『COP26』)は11月13日に閉幕し、気温上昇を産業革命以前と比べて1.5度に抑制するというパリ協定で掲げられた目標を確認しました。また、争点となっていた石炭火力発電についても、段階的に削減することで合意しています。温室効果ガスの排出削減量の取り引きを国際的に行うカーボン市場に関するルールについても合意されています。

【ポイント1】『COP26』は石炭火力発電の段階的な削減などで合意

『COP26』は11月13日に閉幕しました。主な合意内容は以下の通りです。

・削減対策が講じられていない石炭火力発電の段階的な削減

・非効率な化石燃料に対する支援の停止に向けた努力

・2025年までに先進国による途上国への支援を倍増

・温室効果ガスの排出削減量の取引市場に関するルール

【ポイント2】パリ協定の1.5度目標を確認

 また、『COP26』では2015年のパリ協定で掲げられた、気温上昇を産業革命以前と比べて1.5度に抑制するとの目標を確認しました。そのために、2030年までに世界の温室効果ガスの排出量を2010年対比で45%削減し、今世紀半ばにはネット・ゼロにすることも再度認識されています。

『COP26』のシャルマ議長は、「気温の上昇幅を1.5度に抑制する合意が生きていることが確認できた。しかし、その鼓動は弱く、私たちが約束を守り、約束を迅速な行動へと移さなければ生き延びることはできない。」と述べています。今後は『COP26』の合意を基に、各国が具体的な対策を進めていく段階に移ります。

【今後の展開】生活を守り、生きていくためにも、脱炭素は必達の目標

 世界の平均気温は21世紀に入ってから上昇が加速しており、現時点で産業革命以前と比べて既に約1度上昇しています。今後は今まで以上の気温上昇が予測されており、熱波による死者の増加、山火事の頻発、永久凍土の融解による海面上昇に伴う水害の拡大や有害ガスの排出、さらには居住地域の水没等も考えられます。昨今、企業での脱炭素を目指す取り組みが続々と見られていますが、私たちの生活を守るため、ひいては「生きていくため」にも、脱炭素は必達の目標であると言えます。『COP26』の合意を受け、国別の排出削減目標を達成するために、今後どのような政策や具体的な取り組みが示されるのか、その動向に注目です。