毎度ながら株価が乱高下する決算発表シーズン
今は11月半ば。3月決算企業の第2四半期(7-9月)の決算発表シーズンも間もなく終わりを迎えようとしています。
筆者は原則として保有株は決算発表前に売却せずに持ち越すことにしていますが、やはり今回も決算発表を受け、株価が急落したものもあれば、逆に株価が急騰したものもありました。
急落・急騰、そしてあまり株価が変動しなかった銘柄、トータルでみればプラスになっています。ひとまず今回も3カ月に一度の株価激動シーズンを無事に乗り越えることができそうだ、とホッとしています。
決算発表に投資家が戦々恐々とする理由とは
筆者を含め、決算発表に対してなぜ多くの投資家が戦々恐々とするのでしょうか。それは「出たとこ勝負」となることが多いからです。
筆者は決算発表の有無に関係なく、株価が上昇トレンドとなっている銘柄については保有し、下降トレンドになったら売却して保有しないようにしています。
それは、上昇トレンドの銘柄は大口の投資家が買っている可能性が高い、つまり業績が良好である可能性が高いからです。逆に下降トレンドの銘柄は業績があまりよくないため、大口の投資家が売却している可能性が高いと考えられます。
ところが、それまで株価が順調に上昇していて、かつ発表された業績も良好であるにもかかわらず、決算発表で株価が急落するケースがよくあります。
発表された決算の内容が思わしくなければ筆者もあきらめがつきますが、決算内容が良好なのに株価が急落してしまうと、もはや理解不能、なすすべがありません。このような結果になるかどうかを事前に予測することもほぼ不可能です。
これが決算発表の結果、株価がどう動くかが「出たとこ勝負」であるゆえんです。
決算発表が通過すれば、次の決算発表まで「素直」な動きになりやすい
でも決算発表が終われば、それまでの「出たとこ勝負」による株価急落のリスクからは解放されます。
株価に大きなマイナスの影響を及ぼすようなニュースを企業側が発表していないなら、上昇トレンドを描いている株価が突然急落するきっかけは、まず決算発表です。そのため、決算発表シーズンを通過することにより、突然株価が急落するリスク要因の多くが取り除かれるわけです。
例えば、決算発表の内容がよく、大口投資家が注目して買いを入れ始めたような銘柄は、株価が上昇トレンドを描くことが多くなります。その動きに個人投資家も乗じることができれば、利益を得やすくなります。
一方、決算発表後に株価が下落基調にあるような銘柄については、安易に買いを入れないようにすることで、余計な損失を回避することができます。
このように、企業の業績に即した、素直な株価の動きになりやすいため、株式投資がやりやすくなるのです。
「強気」と言っても万年強気では危ない
ということは、好決算を発表し、かつ株価が上昇トレンドを描いている銘柄については、強気で買っていくという投資判断ができます。
ただ、勘違いしていただきたくないのですが、「強気」といっても無条件で万年強気となるべき、ではありません。
要は、突発的かつ予測が極めて難しい株価変動要因がないため、株価が業績に伴って素直に動きやすいという意味で、上昇トレンドの強い銘柄について「強気」のスタンスを取りやすいということです。
ですから、仮に好決算の内容だったとしても、株価が下降トレンドを描いている銘柄については買いを控えるべきですし、上昇トレンドだった銘柄が下降トレンドに転じた場合は、速やかに保有株を売却すべきです。
それでも、突発的な株価変動要因が少なくなれば、株価もきれいなトレンドを描きやすくなりますし、トレンドに応じた投資行動をすることで、利益を得やすくなることは確かです。
決算発表後の各銘柄の株価の動きを注視し、上昇トレンドとなっている銘柄については強気を貫く、しかし下降トレンドに転じたら速やかに売却する…筆者はこのような戦術で決算発表シーズン後は臨んでいきたいと思っています。
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