THE S&P 500 MARKET: 2021年10月
「上昇と下落が幾度となく繰り返され、そして、こっぴどく打ちのめされても、その度に私は立ち上がり、[市場に]挑んでいくという一つのことが分かった」ような株式市場でした。これが投資というものであり、私は投資を楽しんでいます。
10月は市場のボラティリティの高さと暴落が起きたことでよく知られています(1987年10月19日: 20.47%の下落; 1929年10月28日: 12.34%の下落; 1929年10月29日:10.16%の下落)。S&P500指数が9月に 4.76%下落(月間の騰落率がマイナスとなったのは、2021年1月のマイナス1.11%以来です。
また、下落率は2020年3月のマイナス12.51%に次ぐ大きさとなりました)するとはほとんど予想されていなかったため、10月を迎えるにあたり警戒感が高まっていました。10月の株式市場はボラティリティの高い幕開けとなりました(月初3日間は、前日比の変動率が1%を越えました)が、その後は落ち着きを取り戻し、小幅に値を上げながら9月の損失分を取り戻し、さらに上昇基調が続いた結果、最高値を5回更新しました(年初来では59回。年間の高値更新回数は1928年以降では3番目に並びました)。最終取引日にも終値で最高値を更新し、初の4,600超えを記録して4,605.38で月を終えました。市場の流れを変えた要因としては、個人投資家からの安定的な資金流入と一部の機関投資家による安値拾いの他に、企業業績が(再び)予想を上回ったこと(80.8% の企業で業績が事前予想を上回りました)、売上高が過去最高を記録したこと(76.6%の企業の売上高が事前予想を上回りました)、営業利益率が13.33%に達したこと(1993年第1四半期以降の平均は8.12%)が挙げられます—“マネーの動きを追え”ということです。その他の「ブースター(相場の押し上げ要因)」としては、良好な経済指標(予想には届かなかった場合でも)、新型コロナウイルスの感染拡大の鈍化 (新たな変異株のデルタプラスが出現したようですが)、ワクチン接種の進展(ペースが鈍化しているとはいえ接種は進んでいます。「集団免疫」という用語は聞かれなくなりました)、金利が(変動はあるものの)低位で推移していること(米国10年国債利回りは1.46%-1.69%のレンジで推移)が指摘できます。
また、「マネーの動きを追い」かけ、それに対して課税しようと試みている議会は、期限切れが迫る中で債務上限の引き上げとつなぎ予算の成立という「見事な」仕事ぶりを見せました (12月3日まで連邦政府の債務上限の引き上げとつなぎ予算による政府歳出が認められました)。さらに、1兆ドル規模のインフラ法案の採決を3.5兆ドルの教育・環境・医療関連法案を可決するまでは見送り、後者については規模を1.85兆ドルに圧縮して、これら2つの「関連性のない」法案の採決を11月2日の州知事選挙日以降に先送りにするという偉業を成し遂げました。
結局のところ(と言ってもまだ終わっていませんが)、市場の楽観的ムードが勝利してS&P500指数は10月に6.91%上昇し、年初来では22.61%の上昇となりました。また、月末の取引を最高値で締めくくりました。 いつかは市場は調整を余儀なくされます。しかし、利益を求めて市場に参加しないのであれば、マネーを追っていない(そして失業している)のも同然です。
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