米国の決算シーズン到来!米国主要株価指数は過去最高値を更新!

<直近3カ月間のS&P500指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 10月の米国株式市場は9月の下落基調から反転。10月冒頭に底を付け、その後、決算シーズンに突入するなかで株価は上昇基調となりました。月初は米連邦債務上限問題や中国恒大集団を巡る不透明感から9月の流れを引き継ぎ、軟調な展開が続いていました。

 しかし、10月7日に米与野党が債務上限問題の先送りで合意したことを受け投資家心理が改善しました。その後、決算発表が本格化する中旬以降は株価上昇のスピードが加速。下旬には米国主要3指数は連日過去最高値を更新する展開となりました。

2021年10月 個人投資家に人気だった銘柄は⁉

2021年10月 米国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 VTI 4 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ETF、米国株式
2 VOO 2 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
3 SPYD 1 SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
4 TSLA 28 テスラ 電気自動車
5 AAPL 3 アップル スマホ、PC
6 T 10 AT&T 通信、高配当、配当貴族
7 SOXL 13 Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF レバレッジETF、半導体
8 MQ 12 マルケタ フィンテック、カード発行
9 QQQ 6 インベスコQQQ 信託シリーズ1 ETF、ナスダック100
10 CCL 11 カーニバル 旅行、クルーズ
※楽天証券内買付代金ベース。2021年10月1日~10月29日、国内約定日ベース。

 楽天証券における10月の米国株式月間買付者数ランキングのトップとなったのはバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)でした。米国ETFの中でも代表的な銘柄で、米国市場に上場している投資可能銘柄のほぼ100%をカバーするETFです。

 2位にランクインしたバンガード・S&P 500 ETF(VOO)も米国主要指数であるS&P500指数に連動するETFです。相場全体が、9月に大きく下落し、10月に入り反転したこともあり、米国市場全体に投資ができるETFが人気を集めたようです。

ランキング上位の銘柄について、最近の動向を確認!

テスラ(TSLA)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近3カ月間日足チャート)

 10月25日、米レンタカー大手ハーツ社がテスラのEVを10万台購入する計画を発表したことを受け、テスラ(TSLA)の時価総額は1兆ドルを突破しました。その後も株価は急速に上昇を続けており、11月1日終値時点で1,208.59米ドルを付け、上場来高値を更新しています。

 10月20日に発表された第3四半期決算においては、売上高は137億6,000万ドルとなり、5四半期連続で過去最高となりました。第3四半期の納入台数は過去最高となり、新型コロナウイルス禍、世界的な半導体不足という厳しい状況をうまく切り抜けています。

マルケタ(MQ)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近3カ月間日足チャート)

 マルケタ(MQ)は、2021年6月に新規上場したカード発行プラットフォームを提供するフィンテック企業です。

 10月19日、仮想通貨(暗号通貨)での支出を促進し、デビットカード等から仮想通貨の報酬が得られる新しいカードソリューションを仮想通貨のリーディングカンパニーであるコインベース社(COIN)、Shakepay社、Fold社、Bakkt社に提供することを発表しました。

 また、10月25日にはUberからスピンアウトした物流事業のUber Freightと、10月27日には中小企業(SMB)のバックオフィス金融業務向けにクラウドベースのソフトウエアを提供するビルコム・ホールディングス(BILL)との取引契約をしたことを発表しました。

 19日の発表以降株価は上昇基調となり、10月29日の終値は30.60ドルとなり、前月末比+38%の大幅な上昇となりました。

メルク(MRK)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近3カ月間日足チャート)

 メルク(MRK)は10月の買付者数ランキングのでは14位(前月は39位)でしたが、新型コロナウイルス関連で大変注目を集めている企業です。

 10月1日に、同社が開発中の新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」が、重症化の恐れがある患者の入院や死亡のリスクを約50%減らす効果があるとの中間臨床試験結果を公表しました。

 その後、11日にFDA(米食品医薬品局)に「モルヌピラビル」の緊急使用許可を申請。承認されれば新型コロナ感染症の初の経口治療薬となります。また同社は、12月に米当局の承認が得られれば、来年末までの売り上げが50億~70億ドルになる見込みだと発表しています。

 株価の面だけでなく、我々の生活にとっても注目していきたい企業です。