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10月31日、約4年ぶりに『衆議院選挙』が行われます。今回の選挙では、小選挙区と比例代表の合わせて465議席が争われます。総議席数に対して、法案可決に必要な過半数となる233議席のほか、安定多数といわれる244議席、絶対安定多数といわれる261議席、参議院で否決された法案の再可決や憲法改正の発議ができる「3分の2」といわれる310議席が、重要な議席数として注目されます。
【ポイント1】野党候補一本化により、小選挙区では与野党の優勢状況が拮抗
今回の衆議院解散時の与党の勢力は、自民党が276議席、公明党が29議席の合計305議席でした。選挙では、与党がどの程度議席を確保できるのかが1つの焦点となっています。
今回の『衆議院選挙』では、289の小選挙区のうち、213選挙区において野党が候補者を一本化しました。これにより野党勢力の分散は抑えられ、与党対野党の対立構造がより色濃いものとなっています。いくつかの事前の世論調査を見ると、小選挙区では与野党の優勢状況がおおむね拮抗(きっこう)している模様です。
前週末に行われ、『衆議院選挙』の前哨戦と見られていた2つの参議院補欠選挙では、山口で自民党の候補者が勝利したものの、静岡では立憲民主党などが推薦する無所属の候補者が勝利する結果となりました。
【ポイント2】争点は「新型コロナ対策」と「経済対策」
今選挙における各党の政策のキーワードを見ると、自民党は新型コロナ対策として、3回目のワクチン接種や経口治療薬の年内実用化などをアピールしています。また経済対策では、「成長」と「分配」を柱としています。岸田首相は、26日に「新しい資本主義実現会議」の初会合を開き、すでに動き始めています。
一方、野党においては、最大野党の立憲民主党では「1億総中流社会」の復活を掲げています。具体的には、所得税の最高税率引き上げや金融所得課税の強化などに加え、個人年収1,000万円程度までの所得税の実質免除や消費税率5%への引き下げなどの減税策などを挙げています。
【今後の展開】本格政権に向けて、どの程度議席を確保できるのか注目
前回2017年の『衆議院選挙』での投票率は53.68%と過去2番目の低さでした。しかし、今回は期日前投票を済ませた人が中間状況(24日まで)で567万人(前回比+156万人)となるなど、新型コロナ対策を中心に有権者にとっては関心の高いものとなっています。岸田首相は10月4日に就任して以降、わずか1カ月足らずの間に衆議院解散・総選挙に至りましたが、本格的な政権に向けてどの程度議席数を確保することができるのか、いよいよ今週末の結果に注目です。
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