今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは114.60

下値メドは112.40

金融政策は経済環境が良好なときほど予測が難しい

 ドル/円は「円安」高止まり。高値113.79円、安値113.00円、1日の値幅0.79円。 
この日は113.30円からスタート。東京時間午後にいったん113.00円まで下落。しかし円安相場は衰え知らずで、欧州時間に入ると113.79円まで上昇して、2018年12月以来ほぼ3年ぶりの高値を更新しました。終値は113.61円(前日比+0.28円)

 ドル/円は、円安スパイラルになっています。ドル/円の押し目買いとストップロスの買い戻しが作用し合あって、円安がどんどん進んでいる状況。113円台前半に大量にあった輸入企業などが持っていたオプションのノックアウト価格の半分近くが今週いっぺんにトリガーして消滅したといわれています。ノックアウトトリガーにはマグネット効果といって、その水準に近づくとストップロスを誘発します。

 次の目標は114.50円。2017年半ばから2018年にかけて何度も挑戦してはそのたびに押し戻されている強力な抵抗ゾーンです。反対から見ると、つまり時系列では、ドル/円は2017年新年に118.61円をつけてから、大きく円高になっています。そのきっかけとなったのが、この時公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録。「緩やかな利上げペースが適切」という文言でマーケットが慎重になり、ドルが大幅下落しました。米長期金利の急上昇が続く今の状況は、当時と同じような危うい雰囲気があります。

 9月FOMCの議事録は今夜発表されます。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替トレッキング

今日の一言

なりたかった自分になるのに遅すぎることはない

Careless Whisper

 今夜は9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が11月に緩和縮小を開始することはほぼ確実ですが、その減額幅つまり完了がいつになるかはまだ見方がわかれています。今夜のインフレ指標はそのヒントになります。

 前回8月のCPIは、前月比+0.3%と、予想(+0.4%)を下回りました。指数の下落はコア商品に集中していて、特に中古車価格下落の影響が大きかった(中古車のウェイトは3.49%)。またサービス部門も前月比+0.1%。にとどまりました(7月+0.3%、6月の+0.4%)。サービス部門のウェイトは61%を占めるため、指数の下げ要因になりました。

 前回のCPは「インフレは一過性」というFRBの見解を支持する結果になりました。1回のデータで結論を出すことはできませんが、9月の予想も前月比+0.3%と、ハイパーインフレの気配は見えません。

 何がインフレを引き起こしているのかを考える必要があります。消費者の需要なのか、それとも小売店がコロナ後に備えて在庫の補充に乗り出しているだけなのか。もし後者だとすれば、インフレは一過性で終わる可能性が高いといえます。

 

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑114.29円、↓112.71円  
↑ 次の目標は114.55円、2018年高値
↓ 113円割れなら、いったん調整モード?

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は113.06円。113.06円より上ならばドル買い優勢、113.06円より下ならばドル売り優勢。

 2021年これまでの高値は113.41円、安値は102.59円。平均値は107.34円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.56円。
2021年のこれまでの値幅は9.66円。

114.59円 :     第4レジスタンス(HBO)
114.55円 :     2018年 高値
114.29円 :     第3レジスタンス

113.99円 :     第2レジスタンス 
113.90円 :     第1レジスタンス
113.79円 :     2021年 高値(10月 高値)

113.50円 : ピボット

113.11円 :     第1サポート
113.01円 :     第2サポート

112.71円 :     第3サポート
112.66円 :     10月 61.8%
112.41円 :     第4サポート(LBO)
112.31円 :     10月 平均値

111.96円 :     10月 38.2%

110.82円 :     10月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成