9月21日(火)は中国の中秋節(旧暦の8月15日)、日本にも「中秋の名月」「お月見」の風習があるのですが、中国ではその日、家族が集まって月餅(げっぺい、中国のお菓子)を食べながら、一年で最も美しい満月を楽しみます。みなさんはどのように過ごされましたか?
9月29日(水)には、日経平均株価が一時800円を超える大幅安となる中で岸田文雄自民党新総裁の誕生を迎えました。
恒大リスクで揺れる中国市場、米国市場の主要指数も軟調!
<直近3カ月間の香港ハンセン指数の推移>
9月の中国株式市場は8月に続き、軟調な展開となりました。その背景には、中国当局による教育産業やゲーム業界に対する規制強化の強まりと中国恒大集団のデフォルトリスクがありました。
7月24日に中国政府は少子高齢化を止める施策の一つとして、「小中学生の宿題を軽減し、学外教育の負担を軽減する」という「双減」方針を発表しました。
しかし、その発表を受け、8月中旬から大手学習塾が次々と突然閉鎖を発表し、各地の教室や事務所は次々と無人となり、支払い済みの学費をめぐってトラブルが起きています。
また、8月末に中国当局は国内のゲーム業界の規制強化を発表し、未成年のオンラインゲーム利用を週3時間までと定めました。
そして、9月中旬から話題になったのは「中国恒大集団」の破綻リスクです。「中国版リーマン・ショック」になるのではとの懸念が市場に広がりました。
<直近3カ月間のS&P500指数の推移>
9月に入ってからの米国株式市場は、8月の上昇基調から一転して、軟調な展開となりました。S&P500株価指数は米国のデフォルト懸念で9月28日に4カ月ぶりの大幅安となり、月間ベースで2020年3月以来の大幅下落となりました。
過去のデータをみると、9月の株式相場は大きく下落しやすいというアノマリーがあります。
新型コロナのデルタ変異株の広がりや景気回復ペースの鈍化で、米国消費者支出の減少が見込まれることを理由に、9月上旬にゴールドマン・サックスは2021年の米国経済成長率見通しを引き下げ、モルガン・スタンレーは米国株の投資判断を「アンダーウェート」に引き下げました。
2021年9月 個人投資家に人気だった銘柄は!?
2021年9月 米国株式買付代金ランキング
順位 | ティッカー | 前月順位 | 銘柄名 | 関連するテーマ | |
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1 | VOO | 2 | バンガード・S&P 500 ETF | ETF、S&P500 | |
2 | VTI | 10 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | ETF、米国株式 | |
3 | QQQ | 12 | インベスコQQQ 信託シリーズ1 | ETF、 ナスダック100 |
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4 | AAPL | 19 | アップル | スマホ、PC | |
5 | SPXL | 11 | Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF | レバレッジETF、 S&P500 |
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6 | CCL | 13 | カーニバル | 旅行、クルーズ | |
7 | DOCS | 8 | ドクシミティ | 医療ネットワーク | |
8 | SOXL | 5 | Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF | レバレッジETF、 半導体 |
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9 | TECL | 17 | Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF | レバレッジETF、 テクノロジー |
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10 | MSFT | 15 | マイクロソフト | ソフトウェア、PC | |
※楽天証券内買付代金ベース。2021年9月1日~9月30日、国内約定日ベース。 |
楽天証券における9月の米国株式月間買付代金ランキングのトップとなったのはバンガード・S&P 500 ETF(VOO)でした。米国企業と関連するETF(上場投資信託)がトップ3を占めていました。
軟調な相場が続く中、個別銘柄への投資よりも市場全体への投資でリスク分散ができるETFに投資をする動きが見られました。また、相場が上下に大きく変動するなかで、そのボラティリティ(変動幅)を生かして短期的な利益を狙うレバレッジETFの取引も増加しました。
2021年9月 中国株式買付代金ランキング
順位 | ティッカー | 前月順位 | 銘柄名 | 関連するテーマ | |
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1 | 700 | 1 | 騰訊控股 (テンセント・ホールディングス) | インターネットサービス大手 | |
2 | 9988 | 2 | 阿里巴巴集団控股 (アリババ・グループ・ホールディング) | ネット通販大手 | |
3 | 2318 | 5 | 中国平安保険集団 (ピンアン・インシュランス) | 金融(保険) | |
4 | 941 | 10 | 中国移動(香港) (チャイナ・モバイル) | 通信大手 | |
5 | 2800 | 4 | Tracker FUND OF HONG KONG (トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン) | ハンセン指数連動のETF | |
6 | 1810 | 3 | 小米集団 (シャオミ) | スマホ大手 | |
7 | 6066 | 234 | 中信建投証券 (シーエスシー・フィナンシャル) | 金融(証券) | |
8 | 1211 | 6 | 比亜迪 (BYD) | 自動車・電池メーカー | |
9 | 3333 | 99 | 中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ) | 不動産開発 | |
10 | 9888 | 8 | 百度(バイドゥ) | 検索エンジン最大手 | |
※楽天証券内買付代金ベース。2021年9月1日~9月30日、国内約定日ベース。 |
楽天証券における9月の中国株式月間買付代金ランキングのトップとなったのはテンセント(700)でした。中国政府によるオンラインゲームへの締め付けが強まる中、4カ月連続で1位に輝きました。
テンセントが出資している富途控股(FUTU)が近日中に香港証券取引所への上場を申請する予定です。2位のアリババ(9988)は、中国当局が「支付宝(アリペイ)」の融資機能である「借唄」と「花唄」を独立したアプリに分離させるよう求めていると伝えられました。
6位の小米集団(1810)は10月4日大引け後に、240万株の自社株買いを行ったと発表しました。
ランキング上位の銘柄について、最近の動向を確認!
アップル(AAPL)
アップル(AAPL)は9月14日(火)に年次の新商品発表会を開きました。「iPhone 13」シリーズを披露し、「iPhone 12 Pro Max」のカメラに導入されたセンサーシフト式の光学式手ぶれ補正を搭載し、カメラ性能の強化に焦点を当てました。
9月24日(金)に発売されてから、多くの店舗でProとPro Maxモデルが在庫切れとなっています。また、ディスプレイが20%大型化になる「Apple Watch Series 7」は、発売日が10月15日に決定し、10月8日(金)21時から予約受付が開始されました。
チャイナ・エバーグランデ・グループ(3333)
過去20年の中国経済のけん引役だった不動産開発大手「中国恒大集団」は、9月から過剰債務問題で話題となり、不動産業界や世界金融市場に波及するリスクが懸念されています。
同社が抱える負債は中国の国内総生産(GDP)の2%相当と言われ、9月23日以降に社債の利払いを控えてデフォルト(債務不履行)不安が高まっています。
香港証券取引所は中国恒大集団(03333)と傘下の恒大物業集団(06666)の株式取引を10月4日から一時停止すると発表しました。
中誉集団(00985)と藍河控股(00498)は中国恒大集団傘下の電気自動車(EV)メーカー、中国恒大新能源汽車(00708)の株式を公開市場で売却したと発表しました。
また、中国の不動産開発会社「花様年控股」は10月4日に償還期日を迎えたドル建て社債約2億600万ドル(約230億円)を償還できなかったと発表し、中国不動産会社の債務返済能力に対する懸念が一段と強まっています。
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