つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)だけでなく、個別株投資でも成功したい方々に株式市場の最新情報をお伝えする「トレンドマーケットスクールTOKYO」。今週9月27日(月)から10月1日(金)の1週間は、いよいよ自民党総裁が決まります!

FOMC、中国恒大ショックで波乱展開が続いた1週間。国内はコロナ情勢の一休みで旅行・外食株上昇!

 先週の日経平均株価は中国第2位の不動産会社・中国恒大集団の債務不履行(デフォルト)懸念で祝日明けの21日(火)~22日(水)にかけて2万9,500円台まで急落しました。

 しかし、22日(水)夜に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受け、米国株とともに反転上昇。24日(金)の日経平均株価の終値は3万248円と600円以上、上昇しました。

 1週間を通じてみると「行って来い」(いったん下がってまた上昇するなど株価が同水準で落ち着くこと)の展開だったといえます。

 個別株では国内格安航空券のネット予約を手掛けるエアトリ(6191)が週間で14%超上げたのを筆頭に、エイチ・アイ・エス(9603)串カツ田中ホールディングス(3547)日本航空(9201)コシダカHD(2157)など、株主優待でもおなじみの旅行、航空、外食、カラオケ、テーマパーク関連株が軒並み上昇しました。

 世界的な株安の引き金になった中国恒大集団の債務不履行問題は中国人民銀行が大量の短期資金を市場に供給し、中国政府が不動産購入者の救済に乗り出したことで、ひとまず収束に向かいそうです。

 注目の米国FOMCは、11月早々に量的緩和策の縮小(テーパリング)を開始する可能性に言及。

 参加メンバーの半数が2022年中の利上げを予測するなど、”タカ派色”の強い(金融引き締めに積極的な)内容だったにもかかわらず、「FRB(米連邦準備制度理事会)の米国経済に対する自信の表れだ」と見なされたのか、米国株が反転上昇するきっかけになりました。

 FOMCの結果発表を受け、24日(金)には米国の長期金利が1.45%台まで上昇。同日の米国株は3日連続大幅続伸とはならず、ほぼ横ばいで終了しました。

週後半は組閣人事期待で株高へ?米国長期金利の上昇に要注意!

 今週の日本株を左右するのは、なんといっても、29日(水)に予定される自民党総裁選の結果でしょう。

 菅首相の退陣に続く総裁選をきっかけに自民党支持率が回復し、11月に予定される衆議院選挙で勝利する、というシナリオが日本株上昇につながってきました。

 そう考えると、世論調査で人気の高い河野太郎氏の総裁選出が株価には好影響だと思われます。もし河野太郎氏が総裁に選出されれば、同氏が政策に掲げる再生エネルギー関連株や脱ハンコなどのデジタル、DX関連株に注目が集まるでしょう。

 とはいえ、誰が選ばれてもすぐに衆議院選挙が控えているだけあり、「材料出尽くし」で株価下落に転換することは考えにくいと思われます。

 一方、海外では中国恒大集団の債務不履行問題が尾を引きそうですが、さすがに中国政府も国内の金融危機につながる事態はおなじみの強権で阻止するはず。

 最近、習近平主席のもと、統制強化を強め過ぎていたこともあり、経済重視へ軟着陸する兆しが見られれば、世界の株式市場でも好感されるでしょう。

 その意味でも、30日(木)に発表される中国のPMI(景気指標・製造業購買担当者景気指数)は注目度大です。

 米国では先週1.45%台に達した長期金利がさらに上昇するかどうかが心配です。

 急激な長期金利の上昇は、ナスダックに上場するハイテク株の下落や金利差に着目したドル高につながります。実際、先週末には1ドル110円台後半に達するドル高/円安が進んでおり、ドルが上昇すると下落しやすい新興国の通貨や株の混乱につながる懸念もあります。

 10月1日(金)には、米国の長期金利の動向に影響を与える8月のPCE(個人消費支出)の価格指数(デフレーター)が発表されます。

 価格変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコア価格指数の6月、7月の伸び率は30年ぶりの高水準で推移しており、その勢いが続くと株価にとってはマイナスになりそうです。

 国内では、29日(水)の総裁選のあと、来週早々にも臨時国会の召集、新政権の組閣人事の発表が始まります。

 一連の過程で自民党に注目が集まり、支持率回復につながるなら、当然、株価にも好影響。中でも、海外情勢に左右されにくい、内需株の反転上昇に期待できそうです。