今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.05円
↓下値メドは108.60円
総裁選に費やされる時間は、他の重要なことのために費やされない時間
21日(火曜)のドル/円は「円高」継続。高値109.71円、安値109.18円、値幅は0.53円。
中国の恒大集団の破綻リスクを巡っては、世界的な金融危機に発展するという悲観的な考えと、リーマンショックのようにはならないという楽観的な考えが入り混じっています。当局の出方が不透明であるためにマーケットはどれだけリスクを織り込むべきか悩んでいる状況です。
この日109.35円からスタートしたドル/円は、欧州時間までは楽観論が上回り109.71円まで上昇。しかしその後は悲観論に徐々に押し戻され、NY時間夕方には109.18円まで下落。終値は109.22円(前日比▲0.16円)。米長期金利は1.32%前後を維持していますが、ドル/円上値が重く110円に登る元気はなし。ただレンジを抜けたわけではなく、109円台は今のところ守っています。
世間は「シルバーウィーク」の真っ最中。今週の東京市場は本日を含めてあと2日間しかありません。だからといって、投資家はゆっくり休んではいられない。9月の超重要イベントがこの週に集中しているからです。
今夜22日はFOMC(米連邦公開市場委員会)が声明を発表し、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長から緩和縮小の開始時期について(おそらく)説明があるはずです。利上げ見通しを示すドットチャートも公表されます。
東京市場が休みの明日23日にはSNB(スイス国立銀行)、BOE(イングランド銀行)、ノルウェー中銀が政策金利発表。新興国通貨では、SARB(南ア準備銀行)とトルコ中銀(CBT)が政策金利発表。トルコ中銀は利下げの噂。24日東京朝のリラ/円急落リスクに注意。
経済指標では、欧州の景気動向を示す製造業とサービス業PMIの速報値。ドイツIFO景況感指数、日本は全国CPI(消費者物価指数)を発表。さらに週末26日にはドイツ総選挙。与党保守党CDS/CSUの敗北が濃厚と伝わっていて、中道左派が第一党になれば16年ぶりの政権交代。メルケル首相は政界引退を発表。政治体制の変化は、ドイツ国内だけではなくユーロ全体に影響します。
中国不動産大手の恒大集団(エバーグランデ)は、23日に米ドル債の8,353万ドル(約92億円)の利払いが迫っています。30日間の猶予期間内に支払えなければデフォルト(債務不履行)ということになります。問題はその後どうなるかで、債権放棄で再建を目指すのか、完全清算となってしまうのか。それとも衝突事故を起こした列車を土の中に埋めて消すような荒業が繰り出されるのか?世界の投資家の注目が集まっています。
不動産部門は中国のGDP(国内総生産)の約1/4を占めます。中国政府は、これまで不況に陥るたびに、大規模マンション建設などの景気刺激策を使って切り抜け、経済成長を果たしてきましたが、今回起きていることは、その手がもう通じなくなったことを示しています。影響は中国だけではなく、不動産市場を介した中国政府の景気テコ入れ政策の恩恵を存分に受けていた一次産品輸出国にとっても経済的影響は大きいものとなります。
主要指標 終値
今日の為替トレッキング
今日の一言
どんな事が起こっても人には優しくしなさい。それは後々、あなたの大きな財産となるから - テイラー・スウィフト
Tonight's The Night
今夜はFOMC(米連邦公開市場委員会)。しかし、ドル/円がレンジを抜ける期待度は低く、インプライド・ボラティリティから計算した今夜の予想値動きは約0.30円。現在の水準(109.20円)からすると、110円に戻すのは難しく、反対に108円台の可能性はあります。108円台なら8月4日以来ということになりますが、その時も108円台滞在日はたった2日間しかなく、この水準での押し目買い興味は依然強そうです。
FRBの政策がどの方向へ進んでいるのかははっきりしています。緩和縮小はするとパウエルFRB議長は言明しています。ただ9月なのか12月になるのかという違いだけです。しかし、今回はリスクが多方向で増大中であるため投資家はいつも以上にヘッジをしっかりして備えているようです。
緩和縮小の減額幅は月150億ドルで来年7月に完了。利上げは2022年に「1回」というのが現在の市場予想の中心です。強気シナリオは2022年に「2回」以上の利上げ。弱気シナリオは来年利上げ「なし」。今回もドットチャートが大きな注目を集めそうです。
ドットチャートとは、FOMCメンバーが予想する米国の政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の見通しで、毎年3、6、9、12月に公表されます。それぞれがひとつの点(ドット)として散布図になっているため、このように呼ばれています。前回6月のFOMCで最も話題になったのは「ドットチャート」でした。マーケットの誰もが、FRBがいつ利上げするのか知りたいのです。
9月のドットチャートの見どころは、金利予想がさらに強気になっているかどうかということ。
6月は、2023年の金利予想の中央値が、2023年末までに「2回」利上げへ引き上げられました。またFOMCメンバー18名のうち7名が、2022年末までに1回の利上げを予想していました。
今回は、2023年末までの利上げが「4回」まで増え、2022年については、中央値は利上げなしで変わらないものの、利上げ派は1名増えて8名になるだろうと市場は考えています。
しかし、別の見方をすると、今回のドットチャートが2023年末までに「4回以上の利上げ」、そして2022年の中央値が「1回以上の利上げ」に引き上げられていたら、かなり強気ということになります。
緩和縮小に関しては、もし減額幅が想定を上回る150億ドル以上になる場合も、マーケットにとっては大きなサプライズとなるでしょう。
今日の注目通貨:ユーロ/円
今月の予想レンジ:↑132.03円 ↓127.05円
↑ 130円台が重い
↓ 8月安値は127.93円、その下は2月安値126.10円
今月のユーロ/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は129.54円。129.54円より上ならばユーロ買い優勢、130.13円より下ならばユーロ売り優勢。
134.12円 : 2021年 高値
132.98円 : 第4 レジスタンス(HBO)
132.03円 : 第3 レジスタンス
131.08円 : 第2 レジスタンス
130.78円 : 第1 レジスタンス
130.67円 : 2021年 61.8%
129.61円 : 2021年 平均値
129.54円 : ピボット
128.54円 : 2021年 32.8%
128.29円 : 第1 サポート
128.00円 : 第2 サポート
127.50円 : 2019年 高値(19年03月01日)
127.23円 : 2020年 高値
127.05円 : 第3 サポート
126.10円 : 第4サポート (LBO)
125.09円 : 2021年 安値
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