※本記事は2018年9月7日に公開したものです。

 月間100万PVを誇る人気ブログ「たぱぞうの米国株投資」。その管理人であるたぱぞう氏は働きながら米国株をメインに投資し、十数年で数千万円を稼ぎ出した。インタビュー[後編]の今回は、投資初心者でも気軽に始められる「つみたてNISA」と「iDeCo」を中心に話を聞いた。

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「楽天・全米株式インデックス・ファンド」に注目

──中編のインタビューでは、2018年1月に始まった「つみたてNISA」が話題に上がりました。「トウシル」の読者にも「つみたてNISA」に関心を持っている人が多いのですが、たぱぞうさんは購入されたのですか。

 僕もけっこう興味があったので、5本ほど購入しました。「楽天・全米株式インデックス・ファンド」と「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」、それから「iFree S&P500インデックス」「EXE-i 新興国株式ファンド」「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」です。

──米国モノ、全世界モノ、米国主要企業モノ、新興国モノ、先進国モノとすべて性格が異なりますね。

 実は資産形成のために買ったわけではないんです。あえて投資先が異なる商品を買い、それぞれどのようなパフォーマンスを見せるか、定点観測してみようと考えました。ご存じのように「つみたてNISA」は、毎年最大40万円を最長20年間積み立てるという商品です。だから、20年後どのような結果になるか、大いに楽しみにしています。

──今の時点ではどれが最も上昇するとお考えですか。

 ズバリ、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」です。前回、米国ETF(上場投資信託)のなかでは米国の上場企業の大半を網羅するバンガードの「VTI」がオススメと話しましたが、これはその「VTI」を「つみたてNISA」の商品としてパッケージ化したものです。つまりは、米国経済の成長とリンクした商品であり、米国経済が成長すればするほど利益を得られる仕組みになっています。今後、20年の間に米国経済が傾くのは考えにくいので、5本のなかでは最高のパフォーマンスを出すのではないかと。

──そうとう自信がありそうですね(笑)。

 ブログをやっていると「どの銘柄が買いですか」などとよく聞かれるのですが、普段はあまり答えないようにしています。とくに個別銘柄の場合、「絶対」はありえませんから。でも、強く聞かれたときには「楽天・全米株式インデックス・ファンド」と答えています。

──バンガードの「VTI」は米ドルでしか買えないですが、「つみたてNISA」なら手軽に買えますよね。

 そう思います。「つみたてNISA」は一般の「NISA」に比べると投資上限額が低いのですが、非課税期間が長いといったメリットもあります。これから投資を始めるという人は、ぜひ検討してみてください。

iDeCoの節税に注目

──「つみたてNISA」同様、最近人気を集めている積み立て型投資商品に「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」があります。こちらはどうですか。

 僕の場合、組織を辞めようと考えているのでまだ始めてません。自営業者になると毎月6万8,000円を上限に、積み立てた掛け金の全額が所得控除され、運用期間中に得られた利益にも税金がかからないというのはかなり魅力ですね。必ずやります。

──そのときは、どんなプランを組みますか。

 それはもちろん、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」で組みます(笑)。

※楽天・全米株式インデックス・ファンドがiDeCoで購入できるのは楽天証券のみ2018年8月現在

──今回、いろいろな話を聞きましたが、これを読んで、自分も米国株に目を向けてみようと考える読者がかなりいると思います。

 僕からすると、みんなどうして日本株にこだわるのか不思議なんですけどね。僕は2年間ベトナムに駐在したことがあるのですが、ベトナム人の多くは米ドルか金で資産を運用していました。中国人やタイ人も同様です。もちろん、日本の人口が増え、経済成長が見込める、将来性のある豊かな国であれば、なにも外貨に頼る必要はないでしょう。しかし、現実は真逆です。だったら、自分が持つささやかな富を将来性ある国や地域に振り向けるのは当然ではないでしょうか。

思い込みはうまくいかない

──そのときにはどんなことを心掛けたらいいでしょう?

 いちばん大事なのは長期的視点に立って考えてみることです。例えば今年になってインド株が上がったからインドに投資するとか、ロシア経済が好調というニュースを見たからロシアETFをまとめて購入するとか、そういう一時の感情や思い込みで投資先を選ぶとたいがい、うまくいきません。そうでなく、その国や地域はこれからどんな道をたどるのか、20年、30年先にはどうなっているのか。

 そういうことをきちんと考え、自分なりのストーリーを描いてみることです。そうして自分なりに確信をもつことができたら、トライしてみればいい。僕も、米国経済は今後も数十年にわたって成長し続けるというストーリーを描き、それを信じて投資活動を行ってきました。だから、米国経済に異変が生じたり、大統領選挙が思わぬ結果になっても、まったく動じることはなかった。自分でストーリーを描いて臨めば、充実した投資生活を送れると思います。

読者へのメッセージ

投資はストーリー と書くたぱぞうさん

 私は米国市場が成長し続けるというストーリーを描いて投資をしています。
人によっては新興国がよい、国際分散投資がよい、あるいはTOPIX(東証株価指数)がよいという人もいるでしょう。
適度な分散を心掛けつつ、自分の描いたストーリーに従って投資をするのが大切ですね。

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◎今回の取材先:たぱぞうさん
米国投資を中心に毎日記事を更新している「たぱぞうの米国株投資」。
投資分析や読者の質問に答える記事は、初心者にもわかりやすく、学べるブログとして定評がある。