今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.70円
↓下値メドは109.85円
アベノミクスの時のような大きな政策転換がなければ日本株のラリーは続かない
7月のドル/円の高値は7月2日につけた111.66円。8月の高値は8月11日につけた110.80円。いずれも、米雇用統計の発表日とその後1週間以内につけています。「雇用統計がその月の高値をつくる」パターンが2カ月連続で出現しています。
9月の雇用統計発表後の高値は、この日の110.45円。今週中に110.80円を上に抜けて、パターンを壊すことができるのか。それともここから深く潜っていくのか。
8日(水曜)のドル/円は、110円台前半で「円安横ばい」。高値110.45円、安値 110.14円、1日の値幅は0.31円。
米雇用統計サプライズのドル安はすぐに終わり、今週は全体的なドル買いが広がるなか、この日は110.26円からスタート。東京時間に110.45円まで高値を更新しましたが、その後は勢いを失い欧州時間朝に110.14円まで下落。終値は110.26円(前日比▲0.03円)
米10年債利回り1.30%という水準は、ドル/円が110円台を維持するための必要条件。この日(08日)はやや低下しましたが1.34%。なので、ドル/円も110円台をキープ。
米長期金利の水準は、先週の米8月雇用統計に見られる米経済の弱さは一時的だとマーケットが考えていることの表れです。旺盛な雇用需要を反映して平均労働賃金が上昇している。米経済は減速するどころか、過熱する方向へ進んでいると、マーケットは楽観的に考えています。
8日のユーロ/円はややユーロ安。高値130.70円、安値130.18円。
この日は東京時間午前に130.70円まで上昇して、今月の高値130.75円まで迫りましたが、欧州時間には130.18円まで押し戻されました。しかしまだ大台はキープ。終値は130.30円(前日比▲0.31円)。終値130円台は6営業日連続。
今日のハイライトはECB(欧州中央銀行)理事会。政策金利は0.0%に据え置きの予想。欧州のインフレ率は、%を超え、ECBタカ派は、PEPP(コロナ危機に対応する資産購入の特別プログラム)の縮小を求めています。ECBはFRBより先に緩和縮小に乗り出すのか。注目です。
主要指標 終値
今日の為替トレッキング
今日の一言
流れが悪いと思い込んで、気持ちが沈んだり、事態を打開しようとしたりして無理をすると、ますます敗色が濃くなる
Sailing
FRB(米連邦準備制度理事会)は、かなり意図的に、しかしとても賢明に、来るべき緩和縮小の開始に向けて、マーケットを誘導しようとしています。
FRBの金融政策の指導者的存在であるクラリダFRB副議長は、「インフレ見通しのリスクは上向き」で、「雇用市場は、2022年末までに最大雇用に達する」と、かなり強気の見解を示しました。FRBの金融政策のデュアルマンデート(2つの法的使命)は「物価の安定」と「完全雇用」ですが、クラリダ副議長の予測では、両方とも2022年中に達成することになります。
それは同時に、FRBの量的緩和政策が2022年で終了するという意味になります。緩和縮小の次の段階は利上げ。「マーケットは利上げに備えて準備を始めるように」というのがクラリダ副議長からのメッセージです。たった1年半前には、FRBの金利がコロナ前に戻るのは40年後という予想がまかり通っていたことを考えると、「2023年利上げ」のサプライズは非常に大きかった。
なぜクラリダ副議長は、量的緩和政策をできるだけ早く終わらせたいのか?それはコロナ対策で大きく膨らんでしまったFRBのバランスシートを安定した状態に戻すためです。次の金融危機に備えて、FRBの政策余地を増やしておく必要があると考えているのかもしれません。
現在のFRBの量的緩和政策による債券購入額は毎月1,200億ドル。2022年1月から緩和縮小を開始するとして、毎回のFOMC会合で債券購入額を150億ドルずつ削減していくならば、来年のFOMC会合は8回あるので、は、150億ドル x 8 回= 1,200億ドルとなって緩和縮小の完了時期2022年12月です。
では利上げはいつから始まるのか?クラリダ副議長は2023年からの利上げを予想していますが、FRBは緩和縮小完了から利上げ開始までに一定の期間を置くことが必要と考えています。前回の利上げサイクルでは、量的緩和が終了したあと最初の利上げまでに1年2ヵ月の間隔がありました。
ということは、2023年から利上げサイクルを始めるならば、緩和縮小をできるだけ早く、そして減額幅を大きくすることが必要。これがFRBタカ派の主張です。一方、ハト派のパウエルFRB議長は、緩和縮小の妥当性は認めながらも、利上げに対しては慎重。利上げは、FRBのデュアルマンデートである「物価の安定」と「完全雇用」の両方が達成されて初めて行うというのが、タカ派、ハト派の共通の認識です。
9月FOMC(米連邦公開市場委員会)前に発表される「最後の」雇用統計の非農業部門雇用者の増加数は市場予想の75.0万人を大幅に下回り、わずか23.5万人にとどまりました。
FOMCは、政策目標を、期間や数字定めた定量的なガイダンスから、「最大雇用と物価安定の目標達成に向け一段の著しい進展があるまで」という、定性的なガイダンスへと修正しています。タカ派とハト派では雇用統計の結果に対して異なる解釈をするでしょう。利上げ開始時期は再び不透明になりました。
今日の注目通貨:ユーロ/円
9月の予想レンジ:↑132.03円 ↓127.05円
今月のユーロ/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は130.13円。
130.13円より上ならばユーロ買い優勢、130.13円より下ならばユーロ売り優勢。
2021年これまでの高値は134.12円、安値は125.09円。平均値は129.61円。
1日の最大値幅は1.85円、最小値幅は0.29円。平均値幅は0.67円。
2021年のこれまでの値幅は9.03円。
134.12円 : 2021年 高値
132.98円 : 第4 レジスタンス(HBO)
132.03円 : 第3 レジスタンス
131.08円 : 第2 レジスタンス
130.78円 : 第1 レジスタンス
130.67円 : 2021年 61.8%
129.61円 : 2021年 平均値
129.54円 : ピボット
128.54円 : 2021年 32.8%
128.29円 : 第1 サポート
128.00円 : 第2 サポート
127.50円 : 2019年 高値(19年03月01日)
127.23円 : 2020年 高値
127.05円 : 第3 サポート
126.10円 : 第4サポート (LBO)
125.09円 : 2021年 安値
2021年 ユーロ/円データ
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