2021年4-6月期はコロナワクチン効果で利益急増、新薬事業の先行きには不透明感も

現地コード 銘柄名
01177

中国生物製薬

(シノ・バイオファーマ)

株価 情報種類

6.51HKD
(9/1現在)

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 総合医薬品メーカー、中国生物製薬の2021年4-6月期決算は、売上高が前年同期比11%増の71億1,100万元、純利益が同1,771%増の65億6,700万元に達した。出資先の北京科興中維生物技術が開発した新型コロナワクチンの販売急増が大幅増益に寄与。ただ、BOCIは「イノベーション薬」(いわゆる新薬)部門の収益見通しが明確さを欠くことや主要医薬品分野における競争激化の可能性を考慮し、2021-2023年の予想売上高を2-10%減額修正。さらに2024-2030年のDCF(ディスカウントキャッシュフロー)ベースの売上高見通しを12-16%下方修正した。また、新型コロナワクチンの予想外の好調を理由に、2021-2022年の予想EPS(1株当たり利益)を149%、42%増額修正しながらも、ワクチン効果はあくまで一時的であるとし、DCF方式の評価モデルから除外。目標株価を引き下げた。現在株価の低バリュエーションを理由に、株価の先行きには強気見通しを継続した。

 2021年4-6月期の売上高を品目別に見ると、肝炎治療薬が前年同期比14%増の10億4,600万元。抗がん剤は17%増の23億8,700万元に達し、同期決算のけん引役となった。ほかに、整形外科用医薬品が16%増の6億3,800万元。呼吸器系は喘息治療薬ブデソニドの貢献で、88%増の4億9,500万元に上った(ブデソニドの売上高は上期に5億元)。

 一方、パイプライン(製品候補群)は向こう2-3年にわたり、ジェネリック(後発医薬品)主体となる可能性が高く、イノベーション薬の先行きは見通しにくい。経営陣は、2021-2023年に毎年、30種以上のペースで新製品を投入するとの計画を示したが、その多くはジェネリックあるいはバイオシミラー(バイオ後続品)。国内の医薬品集中調達制度の対象となり、結果的に価格が下落する可能性が高い。そうなれば、イノベーション薬の収益貢献見通しも不透明感が高まるという。既存の主力製品のうち、アンロチニブの通期売上高について、BOCIは440億元を見込む。がん免疫療法の抗PD-1抗体に関しては、2021年に5億元、2022年に16億5,000万元との予測を示しつつも、この先、商用化の過程において、市場競争が激化する可能性を指摘している。

 2021年、2022年、2023年の売上高は、前年比25%増、17%増、11%増と推移する見込み。抗がん剤(アンロチニブ、PD-1、ポマリドミドなど)の持続的な成長と、2021-2023年のジェネリック業務の進捗が増収をけん引するとみる。

 BOCIはWACC(加重平均資本コスト)の想定値を8.7%に維持する半面、イノベーション部門の見通しの不明確さから、永久成長率を3.0%から2.0%に下方修正。これに伴い、DCF方式に基づく目標株価を引き下げた。今後のレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、ジェネリック薬の投入ペースが予想を下回る可能性、集中調達制度の下で薬価が引き下げられる可能性、主要医薬品分野において競争が激化する可能性――を挙げている。