今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは110.60

下値メドは109.25

気候変動による洪水や不作は実体経済を不安定化させる

 30日(月曜)のドル/円は109円台後半で「横ばい」。110円には戻れず。高値109.96円、安値109.70円、1日の値幅は0.26円。 

 週明けは109.84円からスタート。ジャクソンホールのパウエル議長の講演も聞いたし、この日はロンドン市場がサマー・バンク・ホリデーということで、静かなスタート。

 東京時間午前に109.70円まで下げたあとは緩やかに上昇。NY時間午前につけた109.96円がこの日の高値。終値は109.70円(前日比+0.08円)

 ドル/円が110円台と米10年債利回り1.30%台はシンクロしていると考えています。この日の米長期金利は1.28%台。米長期金利が上昇しなかったので、ドル/円も110円に届きませんでした。

 27日のユーロ/ドルは堅調、ユーロ高。高値1.1810ドル、安値1.1783ドル。 

 この日ユーロは再び1.18ドルを目指し、ジャクソンホールのパウエル議長の講演後につけた高値を超えて1.1810ドルまで上伸。ただその後は勢いを失い、NY時間に 1.1783ドルまで軟化。終値は1.1797ドル(前日比+0.0001ドル)。

 27日のユーロ/円はややユーロ高、130円手前。高値129.71円、安値129.49円。 

 この日は東京時間午後に129.49円まで少し下げてから上昇。8月5日以来一度も触れていない130円台を目指しましたが129.71円で挫折。直近の高値129.77円も超えられなかったことは残念。しかし安値も129円台を維持。終値は129.69円(前日比+0.10円)。

 30日の豪ドル/円は、高値80.38円、安値79.98円。 

 東京時間朝に80.38円まで上げた後、午後に79.98円まで下げる。しかし再び80円台に戻し、80.30円まで上昇。4営業日連続で80円台に乗せているものの、80円台半ばからは売り意識が勝っていて、なかなかその先に進めない状況。終値は80.20円(前日比▲0.11円)。

 ジャクソンホール会議が終わって、この日のマーケットは小休止。先週は米国の金融政策に集中していたので、今週は(金曜日まで)他の材料に目を向けることになります。世界で感染拡大に歯止めがかからないコロナ変異株。米国のアフガニスタン撤退で高まる地政学リスク、中国の景気減速のサインなど懸念はたくさんあります。さらに、最近の米指標に一時の強さが見られなくなってきたことを理由に「米経済ピークアウト」説まで囁かれ始めました。このまま世界は「ワクチン前」に逆戻りしてしまい、本格的なリスクオフが始まるのか。それともでこぼこ道を回復に向かって進んでいるのか。まだ結論はでていませんが、投資家の姿勢は以前よりも慎重になっています。今週は米雇用統計の発表があります。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替トレッキング

今日の一言

前進をしない人は、後退をしているのだ – ゲーテ

Good Morning, Afghanistan

 アメリカ軍はこの日、アフガニスタン時間午後11時59分をもって同地から完全撤退しました。2001年9月11日の米同時多発テロをきっかけに始まった米国史上最長の戦争に、ついに終止符が打たれました。しかし、性急ともいえるアフガニスタン撤退によって、アメリカは外交戦略の国際的信用を失い、西側同盟に亀裂が走っています。中東の地政学リスクも高まっています。

 国内的にも今回の撤退作戦は問題を引き起こしています。これまで目立った失政やスキャンダルもなく、攻め手を欠いてきた野党・共和党にとっては反撃のチャンスで、トランプ前大統領は「米国に大きな恥をもたらした」とバイデン政権を酷評しました。共和党だけではなく、民主党内部からも「インテリジェンス(情報分析)に失敗があり、外交力と想像力が欠如していた」と、疑問の声があがっています。バイデン政権に対する支持低下は、米国政治の不安定化につながります。

 バイデン大統領の政策の目玉ともいえる超大型景気刺激策は、超党派による成立がさらに困難な状態になったといえます。マーケットの関心は、地政学リスクよりも、むしろこちらにあります。ワクチン展開でコロナ収束、そして景気刺激策でアメリカ経済復活、という明るいシナリオを支える材料が次々と弱まっていることはドル安につながる可能性があります。

今日の注目通貨:ユーロ/円

今週の予想レンジ ↑130.76円  ↓127.87円
↑ 今月の高値130.42円を目指すが、130円台は手強い
↓ 129.18円が8月の平均値。下回れば弱気に転換

 今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は129.31円。
129.31円より上ならばユーロ買いが優勢、129.31円より下ならばユーロ売りが優勢。

 2021年これまでの高値は134.12円、安値は125.09円。平均値は129.61円。
1日の最大値幅は1.85円、最小値幅は0.29円。平均値幅は0.67円。
2021年のこれまでの値幅は9.06円。

134.12円 :     2021年 高値

131.31円 :     第4 レジスタンス(HBO)

130.76円 :     第3 レジスタンス
130.42円 :     08月 高値
130.32円 :     第2 レジスタンス
130.04円 :     第1 レジスタンス

129.47円 :     08月 61.8%

129.31円 : ピボット

129.18円 :     08月 平均値

128.88円 :     08月 38.2%
128.59円 :     第1 サポート
128.42円 :     第2 サポート 

127.93円 :     08月 安値
127.87円 :     第3 サポート
127.50円 :     2019年 高値(19年03月01日)
127.32円 :     第4 サポート(LBO)
127.23円 :     2020年 高値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 ユーロ/円データ