2021年中間期は実質18%増益、「中央国有企業」の地位が強み

現地コード 銘柄名
01109

華潤置地

(チャイナ・リソーシズ・ランド)

株価 情報種類

27.45HKD
(8/27現在)

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 中国国務院系の華潤グループ傘下の不動産デベロッパー、華潤置地の2021年6月中間決算は、売上高が前年同期比63.8%増の737億元と、BOCIの予想通りの水準に達した。粗利益率は2020年上期の33.5%から31.3%に低下したものの、2020年通期の30.9%や、BOCIの2021年通期予想の30.8%を上回る数字。販売費および一般管理費(SG&A)の対売上高比率が前年同期の8.0%から6.7%に低下したことで、コア純利益は前年同期比18.3%増の99億元に上り、15%増との予想を上回った。BOCIは現在の市場環境や政策環境が最も有利に働く不動産デベロッパーの1社として華潤置地を評価。「中央直轄の国有企業」としての地位を生かした財務面や土地取得面のアドバンテージを支えに、2020-2025年の物件成約額が年率平均15%の伸びを示すと予想している。さらに、力強い経常利益が財務費用をほぼ全面的にカバーしている点などを前向きに評価し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 2021年1-7月の物件成約額は前年同期比39.3%増の1,878億元と、大手・中堅デベロッパーの中でトップクラスの伸びを達成した。2021年通期目標の達成率は59.6%と、同業銘柄で最も高い数字。8-12月の分譲対象物件は3,310億元規模であり、わずか38%の成約率で、通期成約目標を達成できる見通しとなった。

 2021年上期の土地取得コストは914億元(持ち分換算では743億元)と、同期の物件成約額の55%に当たる数字。投資用不動産の開発用地を含むため上限の40%を超える比率に達した。「国有企業」という強みを持つ同社は土地取得チャネルの点で多様性があり、都市再開発プロジェクトやTOD(公共交通指向型開発:公共交通機関を基盤とした自動車に依存しない都市開発を指す)プロジェクト、さらにはグループ内シナジー、M&A(企業の買収や合併)といった多種多様なチャネルが、新規の分譲対象資源の40%を占めた。

 積極的に開発用地の確保に動いたにもかかわらず、2021年6月末の純負債比率は37.4%の低水準(関連会社の有利子負債を除くと28.5%)。この比率は2020年6月末に45.9%、2020年末に29.5%だった。

 一方、投資用不動産部門を見ると、上期の賃貸収入は前年同期比63.4%増の83億元。初めて金利と配当の合計額を上回った。経営陣によれば、賃料収入は2025年に、300億元に達する見通しという。

 現在株価の2021年予想PBR(株価純資産倍率)は0.7倍で、1株当たり予想NAV(純資産価値)に対して44.3%のディスカウント水準。BOCIは成長見通しの明確さや財務の健全性、土地取得上のアドバンテージ、低リスク、経常性利益の力強い推移などを前向きに評価した上で、現バリュエーションの魅力を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。