今回の決算発表シーズンも株価の乱高下が相次ぐ

 3月決算企業の第1四半期決算発表のシーズンが終わりました。これまでと同様、決算発表を受けて、多くの銘柄の株価が乱高下しました。

 もともと上昇トレンドだったものが好決算を受けてさらに上昇するケースと、もともと下降トレンドだったものが決算内容を嫌気してさらに下落するケースが多いのです。

 しかし、想定外のサプライズ決算により、上昇トレンドだった株価が一気に急落したり、逆に下降トレンドだった株価がストップ高まで上昇したり、というケースも目立ちました。

 筆者も、保有株の中で決算発表後に株価が急落してダメージを負ったものもいくつかありましたが、逆に株価が大きく上昇したものも多く、トータルでみればプラスで乗り切ることができました。

投資初心者へ:決算発表後の株価急落は今後も永遠に続く

 株式投資を始めたばかりの初心者の人は、この決算発表シーズンにおける株価の乱高下を目の当たりにすると、驚いてしまいます。そして、「いったいどうすればよいのだろう?」と途方に暮れてしまうでしょう。

 株式投資の怖さを感じた方も多いかもしれませんが、決算発表後の株価急落のリスクは、株式投資をしている限りは、いつまでも付きまといます。

 決算発表の前に、決算発表後に株価が上がるのか下がるのかを予測しようとしている方もいますが、事実上、極めて困難だと思います。

 決算の内容がよいのに売られたり、逆に決算の内容が悪いのに買われたりすることもありますし、決算発表前から上昇していても、決算発表後に上昇が加速するケースも急落するケースもあります。ふたを開けてみないとなんとも言えない、というのが実際のところです。

 ですから、できるだけ早く、決算発表シーズンの株価の乱高下には慣れてしまった方がよいです。

 単に怖がるのではなく、保有株の株価が急落することがあることを理解し、それに対して自分はどのようなルールで対応していくかを決めることが必要です。

 それができれば、いちいち決算発表シーズンごとに慌てることもなく、冷静に対応することができます。

 筆者であれば、決算発表シーズンに関係なく、常に25日移動平均線超えで買い、25日移動平均線割れで売り、というルールを原則としていますので、それに従って動くだけです。

決算発表後の株価急落が怖いなら…やっておくべき2つのこと

 もし、決算発表後の株価急落が怖いのでできるだけ避けたいと思っているなら、次の2つをやっておくべきでしょう。

 1つ目は、そもそも決算発表の前に保有株を売却してしまうことです。そうすれば物理的に株価急落に巻き込まれることはありません。

 しかし、この方法だと決算発表により株価が急落ではなく急騰した場合に、その株価上昇に乗ることができなくなってしまいます。

 そこで筆者は、できるだけ複数の銘柄に資金を分散させることでリスク軽減を図っています。これが2つ目です。少数の銘柄のみだと、運悪く保有銘柄の全てが決算発表後に急落してしまう可能性もありますが、銘柄数が多いほど、急落してしまう銘柄の割合は減らすことができます。

 何がなんでも決算発表後の急落は避けたいのであれば1つ目のことをやっておくべきですし、急落により損失が大きくなるリスクを軽減したうえで急騰にもできるだけ乗りたいというのであれば2つ目のことをやっておくのがよいと思います。

ベテラン投資家が決算発表後の株価の動きで注目している2つのこと

 最後に、決算発表後の株価急落を食らって意気消沈している投資初心者の方に、筆者からのプレゼントとして、筆者が決算発表後の株価の動きで注目している2つの点をお伝えしたいと思います。

ベテラン投資家の視点1:好調な決算発表でも株価が下落した場合

 まず1つは、かなり好調と思われる決算発表にもかかわらず株価が下落した銘柄です。株価下落の理由として、市場参加者の期待ほどの決算ではなかった可能性もありますが、実はもう1つの理由があります。

 それは、好調な決算が発表されると読んで先回り買いをした投資家が、実際に好調な決算が発表されたことによる当面の材料出尽くしとして、利食い売りしたために下落したという可能性です。

 この場合、利食い売りにより一時的に株価は下落しますが、もともと業績は好調なので、株価下落を好機と見た投資家からの買いが入り、再び株価は上昇トレンドに戻ることがあります。

 筆者は好決算の銘柄についてこうした動きがないかどうか、株価を定期的にウオッチし、実際に上昇トレンドに復帰したら買うようにしています。

ベテラン投資家の視点2:かなり決算内容が悪いのに上昇した場合

 もう1つは、かなり決算内容が悪く、普通であれば売られるであろう銘柄の株価が下落せず、逆に上昇したような場合です。

 このケースは、確かに決算内容は悪いものの、すでに最悪期は脱したと判断した投資家からの買いが入った可能性があります。

 筆者も、決算内容が悪いにもかかわらず株価が上昇トレンドになったものについては、注目して買いを入れることがよくあります。

 もちろん、買った後株価が下落することもありますので、どうなったら売却・損切りするかというルールを設定してそれを守ることが大前提です。