ごみ処理能力の増強と効率向上で利益見通し増額修正、A株重複上場期待も

現地コード 銘柄名
00257

中国光大環境

(チャイナ・エバーブライト・エンバイロメント・グループ)

株価 情報種類

4.95HKD
(8/13現在)

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 ごみ処理発電(WTE)や汚水処理などを手掛ける中国光大環境の2021年6月中間決算は、処理能力の増強や営業効率の改善を背景に堅調だった。2021年は同社にとって設備投資のピーク期に当たるが、その後は営業キャッシュフローが改善し、収支が安定する見込み。BOCIは保有プロジェクトに関する情報を更新した上で、2021-2023年の利益見通しを8-19%増額修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。

 2021年6月中間期の純利益は前年同期比28%増の38億8,700万HKドル。主に日量約2万4,000トン規模の新たなWTEプロジェクトが建設収入、運営収入双方の伸びに寄与した。決算説明会で経営陣が示した情報によれば、投資家が特に注視している営業キャッシュフローは前年同期比77%増の37億HKドル。BOCIは傘下の中国光大緑色環保(CEG:01257)のABN(資産担保手形)発行による効果を除外しても、上期の営業キャッシュフローは同53%増の約32億HKドルに達したとみる。同社経営陣は向こう1-2年以内に、営業キャッシュフローの100億HKドル到達を目指す方針。補助金の回収状況がさらに悪化しない限り、この数字は達成できる可能性が高い。

 WTEプロジェクトの効率を示す主要指標である単位当たり発電量は、2021年上期に4%上向いた。廃棄物資源の発熱量が相対的に低い地域での新規プロジェクトが増えたにもかかわらず、長期の研究開発投資が実を結ぶ形となった。

 一方、本土A株市場への重複上場計画に対する期待は依然存在する。経営陣は決算説明会で、A株の重複上場について「技術的な障害はない」と述べたが、具体的なA株IPO(新規公開株)のスケジュールは今のところ未定。仮にこの点で何らかの進展があれば、投資心理の改善を後押しする可能性が高い。

 今後のレーティング見直しにつながる可能性がある要因として、BOCIはまず、2021年以降のWTEプロジェクトの電気料金に関する不透明感を挙げている。同社のようなWTE運営事業者が入札に際して想定している電気料金は1kWh(キロワット時)0.65元。仮に中央政府がバイオマス発電向け補助金の段階的廃止を選択した場合、地方政府は企業側に支払うごみ処理料を引き上げるとのオプションが付帯されているが、地方当局が実際に、企業の希望通りに引き上げに応じるかは不透明という。

 もう一つの潜在リスク要因は、当局による補助金の支払いの遅れ。継続的な遅延は営業キャッシュフローの足を引っ張る。ただ、これは同社というより、傘下のCEGの問題。補助金未収分のうち3分の2をCEGが占めるという。

 BOCIはWTE処理能力の更新と効率性に関する想定値の見直しを受け、2021-2023年の利益見通しを8-19%増額した。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)に基づく目標株価を引き上げ(配当利回り5.9%を想定)、株価の先行きに強気見通しを継続した。