THE S&P 500 MARKET: 2021年7月

7月は投資家にとって非常に満足できる月となりました。米国では相場の上昇が続き、それが常態化する中で最高値の更新が続きました。ワクチン接種を受けていない人々の間で変異株の感染者数が急増しているにもかかわらず、米国では経済活動の再開が最大の関心事となりました(小売店では会計用レジやクレジットカードを機械に通す音が止むことなく続きました)。

 しかし世界全体を見ると、状況はそれほど良くはありません。感染拡大の第4波が押し寄せる中、景気の回復は足踏み状態または回復ペースが鈍化しているようで、米国を含む各国政府はワクチンを接種するよう国民に「説得する」作業に追われました(年初来の株式市場のパフォーマンスは米国の独り勝ちでした。

 S&P米国総合指数は16.48%上昇しましたが、米国を除いたS&Pグローバル総合指数の上昇率は6.62%にとどまりました)。フランスとイタリアではワクチン未接種者に対して一部施設への入場を制限している一方、英国は「フリーダム・デー」を宣言して経済活動を全面的に再開したものの、国内の感染者数の増加が続いています。さらにジョンソン首相も濃厚接触者に該当するとして、自主隔離しなければならない事態となりました。

 米国では、疾病予防管理センター(CDC)が(ワクチン接種の有無にかかわらず)国民全員に対してリスクがあると考えられる屋内でのマスク着用を推奨しています。バイデン大統領も連邦政府職員に対してマスク着用を義務付け、ロサンゼルスとニューヨーク市では(9月から始まる)学校でのマスク着用を義務化しています。

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