9月の株主優待銘柄

 9月の優待株は月末に休日がないため、権利付き最終日が9月28日(火)、権利落ち日が9月29日(水)となり、翌30日(木)が権利確定日という最短スケジュールになります。

 9月28日(火)までに優待株を買って株主になり、翌日の29日(水)まで持ち越せば優待の権利を獲得できます。

 秋の優待株祭りといえる9月は銘柄数も394(※)と3月に次いで年間で2番目に多く、優待内容も航空運賃割引券、買物・食事券、自社商品やクオカードなど、バラエティーに富んでいます。

 コロナ禍で株価が変動したり、ワクチン接種の拡大でアフターコロナに向けた優待内容への需要が高まっているせいか、人気トップ10の優待株に順位変動が見られます。

 昨年4位だったANAホールディングスが日本航空を逆転して1位に。前回圏外だった東日本旅客鉄道が8位、同じく圏外だったコニカミノルタのカレンダー優待が10位にランクイン、といった具合です。
※楽天証券 株主優待検索より

 9月優待株の人気トップは、ANAホールディングスの国内線搭乗優待。3月と9月の年2回、100株保有で国内線航空運賃が50%前後割引される「株主優待番号ご案内書」が各1枚贈呈されます。

 その他、ANAグループ各社の提携ホテル10%以上割引などの特典もあります。400株(投資金額約100万円台)で年間8枚までは、保有株数に正比例して優待搭乗券を獲得できます。

 同社は新型コロナウイルスによる航空旅客の激減で2021年3月期末の決算書にも「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載があります。

 1兆円近い借入や3,000億円近い増資で手元流動性の確保に努めており、重要な不確実性はないと表明していますが、デルタ株(インド由来のコロナウイルス)の感染拡大もあり、先行きは不透明。注意が必要です。 

 第2位も日本航空の国内線が50%割引になる航空運賃割引優待です。ANAHDは100株から年2回優待ですが、日本航空は100株保有だと3月末に1枚だけ。9月に割引券を獲得するには200株・約44万円の保有が条件です。

 その後、1,000株までは保有株数が100株増えるごとに年間1枚ずつ、もらえる割引券が増えていきます。

 JALパックツアー商品が7%割引になるなど、旅行商品割引券も贈呈されます。

 第3位はヤマダホールディングスの買物割引券です。3月、9月の年2回優待ですが、9月末のほうが優遇されており、100株保有で9月末1,000円分、3月末500円分の優待券が贈られます。

 1,000円以上の買い物で500円券1枚が使えますが、ヤマダウェブコムなど通信販売には利用できません。

 第4位はタカラトミーの通販サイト割引優待です。同社は3月末株主に株主限定のミニカーなどが贈られることで有名ですが、9月末株主にはネット通販の「タカラトミーモール」の割引優待だけになります。

 1年未満の保有では10%割引、3年未満で30%割引、3年以上で40%割引と保有期間に応じて割引率が上がっていきます。

 第5位はコロワイドグループの回転すしチェーン・アトムの自社ポイント優待です。3月、9月末の年2回、100株・約7.7万円の投資金額で各2,000ポイント、年間4,000ポイントが贈呈されます。

 同社はコロワイドグループ傘下のため、「牛角」など一部例外を除いて、親会社のコロワイドやその子会社カッパ・クリエイトの店舗でも利用可能です。

 両社とも同じ3、9月の年2回優待ですが、コロワイドは500株・約95万円の投資で年間2万ポイント、カッパ・クリエイトは100株・投資金額約14万円で年間6,000ポイントと、投資金額から見た費用対効果はアトムが一番です。

 第6位はトリドールホールディングスの飲食割引券優待。3月、9月末株主に対して年2回、100株保有で各3,000円(年間6,000円)分の割引券が贈呈されます。200株以上を1年以上継続保有した場合、さらに各3,000円分が増額されるなど、かなり使いごたえがあります。

「丸亀製麺」他の飲食店だけでなく、子会社のヘアカラー専門店の「fufu」などでも利用できる点がユニークです。

 第7位は東日本旅客鉄道が初のランクイン。同社株を3月末に保有していると、JR東日本路線内の乗車券が4割引きになる株主優待割引券が、1,000株までは100株ごとに1枚もらえるほか、各種JR東日本のサービスの割引が受けられます。

 9月末株主の優待は、東京駅丸の内駅舎見学ツアーなど、鉄道ファンにはたまらない株主限定イベントへの応募特典だけです。2021年3月のイベントはコロナ禍で中止になりましたが、今期の優待あたりから復活するかもしれません。

 第8位はオリエンタルランドの株主用1デーパスポート優待。3月末株主は100株で1枚、東京ディズニーランドか東京ディズニーシーの1デーパスポートが贈られますが、9月末はハードルが高く400株保有で1枚です。

 かつては人気優待でしたが、株価上昇で100株保有でも約155万円の資金が必要なので、「高値の花」優待といえるかもしれません。

 第9位はコニカミノルタのカレンダー優待。9月末株主限定で、自社製カレンダーが贈呈されます。またグループ会社のキンコーズ・ジャパンの年賀状印刷の割引クーポンもあります。同社の株は100株・約6万円から投資可能で、4%台の高い配当利回りが魅力になっています。

7~8月の緊急事態宣言で株価が下がった今はチャンス?

 7~8月に東京に発令された緊急事態宣言やコロナ・デルタ株のまん延を嫌気して、9月の人気優待株である航空、鉄道、外食、娯楽施設企業などの株価は一部を除いて下落しています。

 しかし9月末にはさすがにワクチン接種が普及して、コロナ禍もある程度は沈静化しているのではないでしょうか。まだ予断は許されませんが、最近の国内消費関連株の下落は、人気優待株を安値で仕込むチャンスになるかもしれません。

 ただ、感染拡大が秋になっても収まらない場合、さらなる下落も考えられるので注意が必要です。

 新型コロナウイルス感染者数拡大や大会運営の混乱で波乱含みの東京五輪は9月5日(日)のパラリンピックの閉会式で終わります。その後は今秋に控えた衆議院選挙が株式市場に影響を与えそうです。

 ANAホールディングスの人気1位返り咲きや東日本旅客鉄道の人気上昇は、「早くコロナが終わって旅行にでかけたい!」という個人投資家の期待感の表れといえるかもしれません。

9月株主優待 人気ランキング

1位 ANAホールディングス

優待発生金額※1:248,150円
ANAホールディングスの優待品例:運賃・料金割引券等

順位 コード 銘柄名 優待品例 優待発生株価※1
2 9201 日本航空 運賃割引券等 216,300
3 9831 ヤマダホールディングス 買物割引券 50,800
4 7867 タカラトミー 自社商品購入割引等 97,400
5 7412 アトム 自社ポイント 76,000
6 3397 トリドールホールディングス 飲食割引券 196,200
7 9020 東日本旅客鉄道 ドリンク割引券 704,600
8 4661 オリエンタルランド 1デーパスポート 1,495,000
9 4902 コニカミノルタ カレンダー 55,200
10 7421 カッパ・クリエイト 株主優待カードのポイント付与 137,000

最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>>

※この記事は銘柄を推奨するものではありません。
※売建可能数量や日歩は、楽天証券ウェブサイトにログインいただくとご覧いただけます。
※株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては最新の株主優待情報を各上場会社のホームページ等にてご確認ください。
※1優待発生金額 = 前営業日終値(8月5日)× 優待獲得最低株数*で計算した金額です。
※このランキングは楽天証券での保有されているお客様の人数が2021年7月27日時点で多い順番です。

「株主優待検索」のやり方

 9月の人気優待銘柄を株主優待検索で調べる方法を解説します。ログインは必要なく、どなたでもお使いできます。

 ※スマートフォンでお読みの方は、上記をクリックすると、「楽天証券スマートフォン専用サイトへ移動しますか?」とポップアップが出ます。「OK」をクリックしてください。スマホでも、PC版とほぼ同じ検索が行えます。
 ※楽天証券ウェブサイトのトップページから、「株主優待検索」を開く場合は、「国内株式」→「株主優待」とクリックしてください。次に、水色の文字で「株主優待検索」と出ているところをクリックしてください。

優待銘柄を検索

「優待検索」を開いてください。下記の左側の赤で囲んだ「検索条件を指定」から下の部分で、絞り込み条件を指定できます。

9月に権利が確定する人気優待銘柄を検索

 最初は、「権利確定日が近い順番」に並んでいるので、画面上部の「並び替え」のところで、「人気順」をクリックすると、自動で人気順に並び替えができます。