今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは111.00

下値メドは109.70

コロナによる学校閉鎖で、両親に代わり子供の面倒を見る55才以上の年齢層の再就職が進まず

 26日(月曜)のドル/円は、110円台を維持。高値110.58円、安値110.12円、1日の値幅は0.47円。 

 週明けは110.51円からスタート。110円台半ばから更に上値を追うには材料不足で日本時間夕方に110.12円まで下げる。しかし110円台前半から下は守りが固く、欧州時間には110.42円まで反発。終値は 110.38円(前日比▲0.16円)。高値は23日の110.59円に届かなかったものの、終値は110円台を維持。

 今夜からFOMC(米連邦公開市場委員会)の7月会合が開催されますが、ドル/円がこの水準を保っているということは、弱気なFOMCを想像していないともいえます。

 しかし、急落リスクが排除されたわけではない。先週のマーケットが急に「リスクオフ」になった理由はなにか? そしてFOMC後を狙う「柳の下のどじょう」作戦とは?

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

自分の欠点ばかり気になり出したら、そんな劣等感を直してくれる人間はこの世に一人しかいない。つまりあなた自身だ。- カーネギー

中央銀行のMy Ever Changing Moods

The past is knowledge
The present is our mistake
And the future we always leave too late

 先週のマーケットが急に「リスクオフ(リスク回避)」に動いたのはなぜか?欧米の投資家の多くが、最近までコロナ変異株は、「大した問題ではない」と高を括っていたせいだと思います。ところが止まらぬ感染拡大を前にして見通しが甘かったことを悟り、コロナによる経済リスクを厳しめ目に再評価した。これがリスクオフの引き金になったのです。

 では、なぜドル高なのか?欧州におけるワクチン接種率は、十分といえるレベルに達する前にペースダウンが始まっています。このまま夏休みに突入すれば、秋の第4波襲来は避けらない。ドイツでさえ医療崩壊の危機がいわれている。大陸移動の人流抑制措置が再強化されることになった場合、欧州経済の再開がさらに遠のきます。

 一方で、米国は再ロックダウンの可能性はかなり低いと考えられています。ワクチン接種が完了した人口比割合を見ると、米国が欧州に比べて大きくリードしているわけではない。(米国49%、ドイツ48%、フランス46%、日本23%)。しかし、米国は、経済再開の判定基準を、コロナ感染者数(の減少)からワクチン接種率(の高さ)へと変更するという政治的決断を下した。同様の動きは他の国でも見られ、英国はリスク基準を感染者数ではなく入院患者数に変更しています。

 なぜこれが、マーケットにとって重要かというと、中央銀行の政策運営に大きくかかわってくるからです。ECB(欧州中央銀行)は先週行われた7月の会合で、政策のガイドラインを変更しました。その内容は、量的緩和は延長、少なくとも今後2年間は「利上げしない」。日銀の「ハト派原理主義」陣営に新たにECBが新たに仲間入りしました。

 一方、「極タカ派」には、8月にも利上げが予想されているRBNZ(NZ準備銀行)、量的緩和は必要ないと宣言したBoC(カナダ銀行)がいます。このグループにBOE(イングランド銀行)が参加するのではないかという憶測が強まっています。

 そして、大御所のFRB(米連邦準備制度理事会)は、タカ派、ハト派のどちらの陣営に入るのか。デルタ変異株はハト派に量的緩和続行の根拠を与えたという意見もありますが、国内インフレ上昇のリスクマネージメントには、緩和縮小が必要だという見方の方が優勢です。

今日の注目通貨

ドル/円:今週の予想レンジ ↑111.71円、↓108.65円  

 先週前半にドル/円は109円台割れ近くまで下落しました。しかし回復は早く、2営業日後には110円台へあっさり戻し、22日からは110円台をキープ。今振り返れば、109円台の下げは買いたい人にとっては絶好のチャンスだったといえます。

 109円台まで下げてからすぐに110円台後半まで反発上昇するという動きは、今月すでに2回起きています。(7月9日に109.70円まで下落後、14日に110.70円まで上昇。19日に109.06円まで下落後、23日110.59円まで上昇)

 デルタ変異株の拡散で、米国では一日約8万人余りが陽性判定を受けています。WHO(世界保健機関)は、数週間以内に世界で2億人以上が感染するおそれがあると見通しています。

 FOMCが、デルタ変異株の感染拡大によって緩和縮小に対して慎重な決断を下す可能性はあります。しかし、たった数日のリスクオフで、ドル/円のトレンドは変わらない。ドルが下落しても、「柳の下の三匹目のどじょう」を狙った、ドル買いが待っていそうです。

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は110.18円。110.18円より上ならばドル買い優勢、110.18円より下ならばドル売り優勢。

 2021年これまでの高値は111.66円、安値は102.59円。平均値は107.13円、値幅は9.07円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.57円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて7.25円の円安。

112.30円 :     第4レジスタンス(HBO)
112.22円 :     2020年 高値(20年02月20日)

111.71円 :     第3レジスタンス
111.66円 :     07月 高値(2021年 高値)
111.13円 :     第2レジスタンス 

110.95円 :     第1レジスタンス
110.67円 :     07月 61.8%
110.36円 :     07月 平均値

110.18円 : ピボット

110.05円 :     07月 38.2%

109.42円 :     第1サポート
109.24円 :     第2サポート
109.06円 :     07月 安値

108.65円 :     第3サポート
108.07円 :     第4サポート(LBO)

107.32円 :     2019年 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 ドル/円データ