※モトリーフール米国本社、2021年7月12日投稿記事より

 キャピタルゲインだけでなくインカムゲインも狙えるのが配当株ですが、その魅力を最大限に引き出したいなら長期保有するのがベストです。

 例えば配当を自動で再投資するように設定して何十年と保有し続ければ、市場をアウトパフォームする可能性を最大限に高められます。

 問題は、景気の浮き沈みを乗り越えて永久的に持ち続けられるような銘柄が、なかなか見当たらないことです。

 完璧な株は存在しませんが、さまざまな局面を乗り越えつつ増配を続けてきた実績を持つ優良配当株として、プロクター・アンド・ギャンブル(NYSE:PG)マクドナルド(NYSE:MCD)シャーウィン・ウィリアムズ(NYSE:SHW)の3銘柄を紹介します。

プロクター・アンド・ギャンブル

 日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブルは多数の生活必需品で国際的に安定した地位を築いています。

 たとえば同社の「タイド」、「アリエール」などのブランドは洗濯用洗剤・柔軟剤の世界販売額の25%を占め、「バウンティ」は米国のペーパータオル市場で40%のシェアを誇ります。

 この安定した地位に基づく収益力により、60年以上にわたり毎年増配を続けています。

 そしてキャッシュフロー、収益性、利益のすべてで、キンバリー・クラーク(NYSE:KMB)などの同業他社をコンスタントに上回っています。

 配当利回りは7月初めの時点で2%を超えており(執筆時点)、十分に魅力的と言えるでしょう。

マクドナルド

 ファストフード業界は競争が激しく薄利とされていますが、マクドナルドは別格です。

 食品販売は事業のほんの一部にすぎず、フランチャイズ加盟金、ロイヤルティ、不動産収入が全体の収入の中で大きな割合を占めています。

 そのために利益率が同業他社に比べてはるかに高く、例えば営業利益率はチポトレ・メキシカン・グリルが10%を切っているのに対し、同社は約45%です。

 業界でのリードを保つためにイノベーションを続けており、ここ数年ではメニュー面でヘルシー志向を推進する一方、運用面でデリバリーオプションを増やしました。

 その結果、客数はコロナ禍で大きなダメージを受けた期間を除けば着実に増え続けています。
そして連続増配期間は、50年に近づいています。

シャーウィン・ウィリアムズ

 米国最大の塗料メーカーであるシャーウィン・ウィリアムズは、近年大きなリターンを株主にもたらしてきました。

 2011年半ばからの10年間のリターンは約900%、配当も加味すると約1,000%で、S&P500指数の300%をはるかに凌ぎます。

 成長を続ける業界で大きなシェアを維持しつつ、インフレ率以上のペースで値上げしてきた実績と、市場の好不調に関わらず増配を継続してきた実績を誇っています。

 自社株買いや借入、あるいは同業バルスパーの買収を含む大型買収など、効果的な資本配分を実施しており、塗料市場のブームが終わったとしてもリターンをさらに高めていくための戦略的土台を築いています。

 実際には減速の兆しは見られず、直近の四半期では前年同期比で12%の増収を記録しました。

 ガイダンスによると、7月下旬に発表される第2四半期決算では増収率がさらに高くなる見込みです。

転載元:モトリーフール

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