上海A株市場への重複上場計画が進行、2021年上期決算は予想上触れへ

現地コード 銘柄名
00728

中国電信

(チャイナ・テレコム)

株価 情報種類

2.99HKD
(7/16現在)

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 中国の3大通信キャリアの一角であるチャイナ・テレコムは、上海A株市場に重複上場する計画であり、このほど最新のIPO(新規公開株)目論見書を公開した。BOCIはこれを、A株上場に向けた確かな一歩と受け止めている。また、同社経営陣がこのほど発表した2021年6月中間期の利益見通しの下限が、自社の4-6月期予想および中間期予想を上回ったとし、4-6月期の利益成長ペースの加速を示唆したと指摘。目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。さらに、国内全体の通信サービス収入の伸びが4-6月も回復傾向を維持したことから、通信セクターは健全な発展を遂げているとの見方。3大通信キャリアの中では、チャイナ・テレコムを最有力視し、以下、チャイナ・モバイル(00941)、チャイナ・ユニコム(00762)の順でえり好みしている。

 チャイナ・テレコムが示した2021年6月中間決算の利益見通し(中国会計基準)は、前年同期比26-28%増の175億7,600万-178億5,500万元。一過性損益を除いたコアベースでは、160億6,600万-163億5,500万元に上る見通しという。こうした数字は4-6月期の利益成長率が前年同期比で2桁台に乗ったことを示唆する。また、同社が示した利益見通しの下限(175億7,600万元)と、一過性利益を除外したコア利益の下限(160億6,600万元)はいずれも、BOCIの4-6月、中間期の利益予想(香港会計基準)を上回るという。

  A株上場計画に関しては、CSRC(中国証券監督管理委員会)が7月9日に追加の質問を行い、同社はこれに応える形で目論見書を更新した。BOCIはIPOの実施に向けた確実な進歩を意味するとの見方。経営陣は予定通り、2021年8月中のA株上場の実現を確信していると報告している。

 BOCIは2021-2023年の利益見通しを0.9%、1.9%、0.4%上方修正し、キャッシュフローの想定値を調整。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を据え置いた。株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。最新の予想純利益は2021-2023年にそれぞれ、258億5,900万元、278億9,200万元、308億3,000万元となる(2020年実績は208億5,000万元)。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、市場の競争激化のほか、米国人投資家を対象とした同社株への投資制限を指摘。それぞれ利益と株価パフォーマンスに、マイナス影響が出る可能性に言及した。

 逆に、株価の支援材料としては、上海A株市場への重複上場と、2021年4-6月期および中間期の業績発表を挙げている。