2021年上期に好決算見通し、管理面積の拡大と地域サービスの開拓がけん引

現地コード 銘柄名
06098

碧桂園服務控股

(カントリー・ガーデン・サービシズ)

株価 情報種類

76.95HKD
(7/13現在)

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 中国の不動産管理サービス会社、碧桂園服務の2021年6月中間決算について、BOCIは前年同期比50%超の大幅増収を見込んでいる。新型コロナの影響で、2020年の新規物件管理契約が下期に集中し、上期の比較対照値が相対的に低いことが理由。一方、早期のコロナ感染の落ち着きを受け、一時的な社会保障費支払い免除期間が終了したことから、BOCIは6月中間期の粗利益率が約36%へ、1.5ポイント程度縮小するとみている。その結果、コア純利益は前年同期比約48%増、コアEPS(1株当たり利益)は約30%増となる見通しという(第三者割当に伴いEPSが希薄化)。BOCIはまた、最近の150億HKドル超の資金調達を背景とした事業買収の可能性を考慮。21年下期も管理対象面積の拡大を受けた力強い増収ペースが続くとみる。2021年、2022年の予想EPSを5.4%、4.7%増額修正した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIは現時点で、2021年12月通期決算の増収率を前年比51%、利益成長率を同42%と予想しながらも、これはかなり保守的な数字だとしている。TOB(株式公開買い付け)を通じて買収した四川藍光嘉宝服務(02606)による潜在的な収益貢献がまだ反映されていないことが一因。2021年下期中に連結化にこぎ着けた場合、少なくとも通期利益の5%の上乗せが見込めるという。さらに、最近の資金調達を受けたM&Aの可能性も、今のところ収益予想には織り込まれていない。

 同社業務のうち、コミュニティー向け付加価値サービスの売り上げ貢献について、BOCIは2021年上期に10-11%を予想。この比率の上昇は現時点で予想しにくいとしている。2020年下期以降に管理対象の物件面積が急増し、一般の不動産管理サービス業務が拡大していることに加え、新規プロジェクトにおいて付加価値サービス業務が本格化するまではある程度時間がかかることが理由。とはいえ、ランドリーや家事代行、ケータリング、不動産代理といった新規サービスの成長の勢いはすでに鮮明となっている。

 同社はマンションだけでなく、オフィスなどの商業不動産向けの管理ビジネスにも歩を進めている。この分野の管理対象面積は1,900万平方メートル。最近ではジョーンズ・ラング・ラサールを抑え、中国輸出入銀行本店の管理契約を獲得した。

 現在株価は2022年予想PER(株価収益率)で39.8倍の水準。BOCIは2020-2023年の利益成長率が年率平均37.2%(M&Aは未反映)に達する見通しや、小都市部での独占的地位、買収継続への期待、プラットフォームビジネスの開拓といった同社の優位点を列挙。現在株価の値ごろ感を指摘している。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、同業他社による相次ぐ資金調達を受け、M&A市場で買収価格が高騰する可能性を挙げている。