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菅義偉首相は30年度に日本の温暖化ガス排出量を13年度比で46%削減し、できれば50%減を目指すと表明するなど国内外で『脱炭素』の動きが前倒しで進み始めています。これまでは『脱炭素』は電力などの供給サイドや製造業が先行していましたが、利用者や株主など利害関係者の環境意識が急速に高まるなか、ここにきて流通・サービスなど非製造業の需要家も『脱炭素』の取り組みを本格化させています。
【ポイント1】遅れていた非製造業の需要家も『脱炭素』の取り組みを本格化
4月22日、菅義偉首相は30年度に日本の温暖化ガス排出量を13年度比で46%削減し、できれば50%減を目指すと表明、欧米各国も同様に表明したため前倒しで『脱炭素』が進み始めています。
これまでは『脱炭素』は電力などの供給サイドや製造業が中心でしたが、ここにきて非製造業の需要家も取り組みを本格化させてきました。この背景には利用者や株主など利害関係者の環境意識が急速に高まるなか、日本では再生可能エネルギー(再エネ)比率の割合が低く、コストも高いため、需要家自らが再エネ比率の引き上げなど『脱炭素』の取り組みを迫られたことがあります。
【ポイント2】イオンなど取り組み本格化
イオンは7月に2030年までに日本国内の店舗の50%を再エネに切り替える目標を、新たに定めました。2030年までにショッピングセンター(SC)のイオンモール155店、イオンタウン148店と総合スーパーのイオン、イオンスタイル293店で使用する電力については全て再エネに切り替えを目指します。店舗屋上などへの太陽光発電システムや再エネ事業者などに太陽光発電設備を設置してもらい電力を全量購入する「PPA(電力販売契約)」と呼ばれる仕組みの活用などを進めます。
Jフロントは2050年までに100%再エネを使用することを目標として、大丸心斎橋店などにおける再エネ電力の100%使用などの取り組みを進めています。今後も、大丸松坂屋百貨店やパルコを中心に、主要店舗において、再エネへの切り替えを順次進めていきます。
【今後の展開】非製造業の需要家も『脱炭素』の取り組みが競争力を左右
小売りなど非製造業は、工場で大量の電力を使う製造業がいち早く省エネ技術を導入してきたのに対し、導入が遅れがちでした。小売りなどは品ぞろえやサービスの競争力を優先してきたためです。ただ、消費の分野では近年、地球環境に配慮したブランドや商品を選別する「エシカル消費」が急速に広がるなど『脱炭素』などへの対応は優先的な条件になり、競争力を左右しかねない状況にあります。コストが高い太陽光発電など再エネのコストをいかに引き下げつつ『脱炭素』を進められるかが注目されます。
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