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世界が『脱炭素』に向けて大きくかじを切り、CO₂排出削減に取り組んでいます。欧州は、2050年にカーボンニュートラル(CO₂実質ゼロ)を目指すといち早く表明しました。米国も、バイデン大統領が前政権の方針を転換し、2050年のカーボンニュートラルを掲げました。中国も2060年にカーボンニュートラルを目指すと打ち出しました。『脱炭素』社会の実現に向けて世界が動き出し、さまざまな分野においてビジネスチャンスが拡大しています。
【ポイント1】『脱炭素』の取り組みは約130兆ドルの投資需要
2050年までの約30年で「CO₂実質ゼロ」を目指す『脱炭素』の取り組みは、農業、産業、IT革命に続く第4の革命とも考えられます。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によれば、『脱炭素』社会の実現のために必要な予測投資額(2016~2050年)は約130兆ドルと、巨額の投資額が予測されています。
【ポイント2】さまざまな分野でビジネスチャンスが拡大
『脱炭素』社会の実現に向けて、『脱炭素』技術の進化、エネルギーのクリーン化、限られた資源の活用などさまざまな分野で大きなビジネスチャンスが想定されます。
各国・地域政府はガソリン・ディーゼル車の新車販売禁止に向けて動いており、今後5~20年で主役は電気自動車(EV)等へシフトすると考えられます。EVの台頭に伴い関連するバッテリーや部品などの中長期的な需要増加が期待されます。同時に、自動車産業の構造変化が起こることが予想されます。
『脱炭素』に向けた需要の高まりで、割高とされたクリーンエネルギーのコストが大きく低下しています。IRENAの2019年報告書によれば、新規に導入される再生可能エネルギー発電が、既存の石炭火力発電所に対して価格優位性を強めており、今後一段のシフトが見込まれます。また、水素エネルギーは燃焼しても副産物としてCO₂を出さないため、次世代エネルギーとして期待され、事業機会が増えそうです。
地球環境の改善には、企業の「脱プラスチック」も重要です。現在大量に廃棄されているプラスチックごみのリサイクル率を大幅に引き上げることによって、回収から再資源化までの処理やリサイクル材販売などの市場が大きく拡大することが予想されます。
【今後の展開】『脱炭素』社会に向けた技術革新に期待
『脱炭素』に向けた市場が急拡大するなか、企業は、生産プロセスや製品等の革新、エネルギーシステムの革新、プラスチックの抑制などを積極的に進めており、さまざまな産業でビジネスモデルが変化していくとみられます。『脱炭素』社会の実現には技術革新が不可欠であり、企業や産業の成長や利益の源泉となると考えられます。
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