※モトリーフール米国本社、2021年6月27日投稿記事より

 現在、新型コロナウイルスは収束したとは言い難いものの、ワクチン接種が進み、就業率は上向き、多くのビジネスが再開しつつあります。

 このトレンドが継続すれば、消費者の繰延需要から世界経済はパンデミック後の好景気に入る可能性があり、マスターカード(NYSE:MA)マッチ・グループ(NASDAQ:MTCH)といった企業は大きな恩恵を受けるでしょう。

マスターカード

 同社は決済ネットワーク最大手の一角であり、世界で28億枚もの同社クレジットカードが利用されています。

 そういったユーザー基盤の広さから、ビジネスを行う業者はマスターカードを受け入れざるを得ず、これが同社の大きな優位性につながっています。

 そのような強みのある同社でも、昨年は新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けました。

 多くの企業が支出を削減し、消費者は自宅で過ごす時間が増え、2020年の世界中の店頭における同社の取引総額は前年から4.4%減少しました。

 さらに海外旅行の減少によりクロスボーダー決済は急激に減少しました。

 クロスボーダー決済にかかる手数料収入は2019年の同社総売上の22%を占めています。

 これらの要因から、昨年の同社総売上は前年比9%減となりました。

 しかし、2021年第1四半期には同社売上は前年同期比4%増と回復がみられました。

 国内支出はパンデミック前のトレンドに戻り、同社経営陣はとりわけ小売販売と国内旅行が好調だったと示しました。

 2021年後半の見通しはさらに明るく見えます。

 直近の決算カンファレンスコールで同社のマイケル・ミーバックCEO(最高経営責任者)は、今年後半に海外旅行は回復するという考えを示しましたが、それが実現すれば同社のクロスボーダー決済額は増加し、売上を大きく伸ばす可能性があります。

 長期的に見ても、同社は着実に成長しています。売上高は2016年通期の108億ドルから2021年第1四半期時点の直近12カ月実績は155億ドルと、年平均成長率(CAGR)は9%にのぼります。

 フリーキャッシュフロー(FCF)は2016年通期の42億ドルから2021年第1四半期時点の直近12カ月実績は62億ドルとなり、CAGRは10%です。

 マスターカードは世界中で信用されているブランドで、事業における力強い競合優位性を築いています。

 パンデミックが収束し、世界経済が成長を再開すれば、同社は恩恵を受けるはずです。

マッチ・グループ

 同社はオンラインデート・サービスのパイオニアです。

 同社の最も知名度の高いサービスは出会い系アプリ分野で最大の売上を誇るTinderですが、その他にも同分野の売上高上位10サービスのうち、Pairs(3位)、Hinge(6位)、Plenty of Fish(7位)を保有しています。

 昨年は、施設や店舗の休業、そしてソーシャルディスタンスの施策により、公共の場でのデートがほぼ不可能になりました。

 2020年第1四半期と第4四半期に新型コロナウイルスの新規感染者数が急増すると、マッチ・グループは初めてユーザー数の下落に直面しました。

 しかし、パンデミックの中でも健闘し、2020年通期売上は前年から17%増、希薄化後EPS(1株あたり利益)は2ドルと同6%増となりました。

 また過去4四半期のいずれでも増収率が加速しました。

 そして最近のプレスリリースで経営陣は、Tinderを通した婚約件数がパンデミック以前の水準を大きく上回っていると述べました。

 同社は長期的にも力強い成長を示しています。売上高は2017年通期の13億ドルから2021年第1四半期時点の12カ月実績は25億ドルと、CAGRは22%にのぼります。

 FCFは2017年通期の2億9,230万ドルから2021年第1四半期時点の直近12カ月実績は7億8,060万ドルと、CAGRは35%となりました。

 世界経済が再開すれば、デート業界はパンデミック後の好調の波に乗る可能性があり、さらに先を見れば、オンラインデート市場は2025年までに92億ドル相当に拡大する見通しもあります。

 マッチ・グループがそこで大きなシェアを獲得するとみられることから、同銘柄は検討に値します。

転載元:モトリーフール

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