7月1日(木)は中国共産党創立100周年。北京で開催された数万人規模の祝賀大会のほか、全国各地で記念イベントが行われ、市民の生活に活気をもたらしました。

 習近平総書記の演説では、「建党100年」までの奮闘目標である「小康社会(生活にややゆとりのある社会)」の実現を宣言、「建国100年」(2050年ごろ)までに世界トップグループ入りの大国を作り上げることを目指すと発言し、中国のさらなる成長を目指す姿勢を内外に示しました。

6月の主要指数は調整局面!

<直近6カ月間の香港ハンセン指数の推移>

<直近6カ月間の上海総合指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2021年上半期(1~6月)の取引を振り返ると、株価のピークは2月中旬でした。主要株価指数である香港ハンセン指数は2019年以来、上海総合指数は2018年以来の高値をつける場面がありました。

 その後は両指数共にもみ合う展開で、6月は、5月下旬の上昇からの調整的な値動きとなりました。

 中国における「こどもの日」は6月1日ですが、その前日に発表された新たな産児緩和政策は、「1組の夫婦に第3子までの出産を容認」という内容で、中国国内で話題となり議論が沸騰しました。

 30年以上実施してきた「1人っ子政策」を撤廃し、2016年から「2人っ子政策」を導入したものの、少子化の歯止めにはなりませんでした。その原因のひとつは、教育をはじめとする子供の養育費が高騰し続けていることにあるとされています。

 5月中旬に発表された10年に一度の国勢調査結果では、人口の伸び率・出生率ともに前回から著しく低下していたことが明らかになりました。今回の緩和政策が少子化を食い止め、中国社会全体の活力を維持できるか注目したいところです。

2021年6月 個人投資家に人気だった銘柄は?

2021年6月 中国株式買付代金ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 700 2 騰訊控股 (テンセント・ホールディングス) インターネットサービス大手
2 1810 7 小米集団 (シャオミ) スマホ大手
3 1211 6 比亜迪 (BYD) 自動車・電池メーカー
4 9988 1 阿里巴巴集団控股 (アリババ・グループ・ホールディング) ネット通販最大手
5 9888 11 百度 (バイドゥ) 検索エンジン最大手
6 2800 3 Tracker FUND OF HONG KONG (トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン) ハンセン指数連動のETF
7 257 42 中国光大環境 (チャイナ・エバーブライト・エンバイロメント・グループ) 環境関連
8 2318 16 中国平安保険集団 (ピンアン・インシュランス) 金融(保険)
9 9618 35 JDドット・コム(京東集団) オンライン小売事業
10 384 49 中国燃気控股 (チャイナ・ガス・ホールディングス) 都市ガス大手
※楽天証券内買付代金ベース。2021年6月1日~6月30日、国内約定日ベース。

 楽天証券における6月の月間買付代金ランキング・中国株式部門のトップとなったのは、テンセント(700)でした。米商務省が6月17日、対話アプリ「微信(WeChat)」の禁止令を撤回すると報じられたことが追い風となりました。

 上位10銘柄のうち、5銘柄が2カ月連続のランクインを果たしました。5月は7位だったシャオミ(1810)は、2位にジャンプアップしました。

 米国のバイデン政権が6月3日に発表した、米国人の証券投資を禁止する中国企業リストに、同社が含まれていなかった影響が大きかったと考えられます。

 米国政府による中国企業への規制強化の動きが広まっている中、米国に上場する中国企業は、香港市場にも重複上場する事例が相次いでいます。

 アリババ(9988)は2019年11月、JDドット・コム(9618)は2020年6月、バイドゥ(9888)は2021年3月に、香港で重複上場を果たしました。

ランキング上位の銘柄について、最近の動向を確認

テンセント(700)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近6カ月間日足チャート)

 中国当局によるインターネット・プラットフォーム企業への締め付けが警戒されているなか、テンセントは2021年上半期だけで27社のゲーム会社に投資していたことが報じられました。

 オンラインゲームやカードゲームなどジャンルを問わず、勢いのあるゲーム開発会社を次々と取り込んでいます。

 テンセント(00700)はゲーム会社だけでなく、さまざまなインターネットサービス企業にも出資しています。

 オンライン就活の需要増加で6月11日ナスダック上場を果たした中国本土最大の求人サイト「看准(BZ)」や、6月30日ニューヨーク証券取引所に新規上場した中国国内配車サービス最大手の「滴滴出行(DIDI)」もテンセントの投資先です。

シャオミ(1810)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近6カ月間日足チャート)

 株式指数を運営するFTSEラッセルは6月2日、FTSE中国50指数の構成銘柄にシャオミを採用すると発表しました。

 米ガートナーが6月7日発表した2021年1-3月期の世界スマートフォン販売台数によると、シャオミは3位で4893万8600台(前年同期比64.9%増)、市場シェアは9.9%から12.9%に上昇しました。同社副総裁は2023年にサムスンを抜いて世界一になる目標を明らかにしています。

 シャオミは、スマートフォンと並ぶ柱であるIoT(モノのインターネット)製品の開発にも力を入れています。スマートテレビの出荷台数を見ると、2021年1-3月期に260万台、9四半期連続で国内首位を維持しました。

BYD(1211)

出所:楽天証券ウェブサイトより(直近6カ月間日足チャート)

 株価指数を運営するハンセン・インデックシズは6月7日、ハンセン指数の構成銘柄にBYDを含む3銘柄を追加し、構成銘柄数を現在の55から58に増やしました。

 6月17日、BYDによる半導体事業(BYDセミコンダクター)の分離上場計画が株主総会で承認されたと報じられ、同社の株価は大幅に反発しました。

 BYDは日本で小型電気バス「J6」や大型電気バス「K8」を次々発売し、2030年までに電気バス4000台の販売を目指します。

 そうした中で、中国における電気自動車の三大新興勢力の一角・小鵬汽車(9868)が7月7日に香港メインボードに重複上場したことも、電気自動車関連株であるBYDにも追い風となりました。