THE S&P 500 MARKET: 2021年6月
6月も市場は上昇し続けました。22営業日中8営業日で終値での最高値を更新し、最後には5営業日連続で最高値を更新したまま月末を迎えました。年初来では、124営業日中、終値での最高値更新は34回となり、そのうち11回は週の最終営業日での更新でした。
インフレ(さらに悪いこととして米連邦準備制度理事会(FRB)の景気刺激策の終了)に対する懸念でさえ、市場の過去最高値更新を止めることはできませんでした。企業の第1四半期利益やキャッシュフローも過去最高を更新し、第2四半期の企業利益はやや落ち込んで史上2番目となる見通しです。「マスク先物」というものが存在するとしたら、その価格は特別買収目的会社(SPAC)を上回るスピードで下落していたでしょうが、どちらも年初来や前年同期比では依然としてプラスのリターンを維持しているはずです。
米国ではさまざまな活動が再開し、再開後初のクルーズ船もフロリダの港を出港し、米国人は最も得意なこと、すなわち消費にいそしみました。ただし、企業や政府は別として、借り入れが少ないのは米国人らしくない傾向です。いずれにしても、パンデミックの期間中に使わずにいたお金を米国人が使い始めたということです。
米国以外では、インド、英国、オーストラリアをはじめとする多くの市場で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており(中国に関しては誰にも分かりません)、活動再開による成長は抑制されるとみられます。米国も、30%近い人がワクチン接種を拒否していることから、感染が再拡大するのではないかとの懸念が水面下で高まっています。
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