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 デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の到来で私たちの生活はますます便利になり、ビジネスも飛躍的に効率化しています。その一方で、コンピューターウイルス「ランサムウェア」を使って企業を脅迫する『サイバー攻撃』が世界で頻発しています。コロナ禍によるリモートワークの普及や社外サーバーを活用するクラウドコンピューティングの浸透が、こうした『サイバー攻撃』への防御を難しくしている面もあり注意が必要です。

【ポイント1】猛威を振るう『サイバー攻撃』

 

 企業を狙う『サイバー攻撃』が世界で猛威を振るっています。米国では大動脈の東海岸沿いの石油パイプラインが止まり、一時ガソリン価格が急騰しました。オーストラリアでは世界最大規模の食肉加工場が操業停止に追い込まれ、またアイルランドではほぼ全域で病院のシステムがダウンしました。

 深刻な事態を受けて、先のG7では米国のバイデン大統領がこうした企業を狙う『サイバー攻撃』に共同で対処するよう呼び掛けるなど、参加各国でも危機感が高まっています。

【ポイント2】悪質かつ卑劣な「ランサムウェア」

 

 近年特に被害が大きいのが「ランサム(Ransom、英語で身代金)ウェア」を使った『サイバー攻撃』です。

「ランサムウェア」を使った『サイバー攻撃』では、まず社員に成りすましたハッカーがターゲットとなる企業のネットワークに侵入、「ランサムウェア」をばらまき企業のデータを暗号化して使用不能の状態にします。そしてこの暗号化されたデータを人質に身代金を要求、さらに身代金の支払いを拒否した場合は搾取した情報を一般に公開すると脅す、二重の脅迫となっている点が特徴です。

【今後の展開】今後は日本でも被害拡大か

 これまでは言葉の壁もあり、日本企業が狙われるケースはあまり多くありませんでした。今後は中国系ハッカーの活動活発化もあり、被害の増加が懸念されています。こうした『サイバー攻撃』を受けた企業では、事業継続が困難になるだけでなく機密情報の流出リスクに見舞われるため、その被害は甚大です。

 さらに、公益や通信といった社会インフラを担う企業が狙われた場合、その影響は社会全般に及ぶため、大規模災害時のように金融市場全体が動揺するような事態にもなりかねず、注意が必要です。