アナリスト評価◎の割安高配当株TOP15

コード 銘柄名 市場 株価 配当
利回り
時価総額 コンセンサス
レーティング
移動平均線
乖離率
9434 ソフトバンク 東1 1,454 5.93 69,581 3.8 1.74
8316 三井住友FG 東1 3,830 5.20 52,625 3.9 -2.07
8725 MS&ADインシュアランスHD 東1 3,208 4.99 19,038 3.9 -1.55
8308 りそなHLDG 東1 427 4.97 10,731 3.6 -5.89
5411 ジェイエフイーHLDG 東1 1,301 4.95 7,993 4.0 -8.00
9513 電源開発 東1 1,585 4.91 2,901 3.6 -4.77
8354 ふくおかFG 東1 1,939 4.90 3,706 3.7 -1.38
5020 ENEOS HLDG 東1 465 4.88 15,017 4.3 -0.96
8630 SOMPO HLDG 東1 4,106 4.87 15,328 3.8 -2.59
4502 武田薬品工業 東1 3,719 4.84 58,699 3.9 -0.14
8473 SBI HLDG 東1 2,628 4.81 6,429 4.3 -8.14
1861 熊谷組 東1 2,800 4.79 1,310 4.0 -5.19
8309 三井住友トラストHLDG 東1 3,528 4.60 13,240 3.7 -5.27
4544 H.U.グループHLDG 東1 2,864 4.51 1,644 3.6 -10.95
8306 三菱UFJ FG 東1 600 4.48 81,505 3.9 -0.54
※データは2021年6月30日時点。
※配当利回りは予想、単位は%。時価総額の単位は億円。移動平均線乖離率の単位は%、基準は13週移動平均線。

※コンセンサスレーティング…アナリストによる5段階投資判断(5:強気、4:やや強気、3:中立、2:やや弱気、1:弱気)の平均スコア。数字が大きいほどアナリストの評価が高い。

※移動平均線乖離(かいり)率…株価が移動平均線(一定期間の終値の平均値を結んだグラフ)からどれだけ離れているかを表した指標。この数値がマイナスならば、移動平均線よりも現在の株価が安いということになる。

 上表は、長期投資に適した銘柄の高配当利回りランキングと位置付けられます。2021年6月30日時点での高配当利回り銘柄において、一定の規模(時価総額1,000億円以上)、ファンダメンタルズ(コンセンサスレーティング3.5以上)、テクニカル(13週移動平均線からの乖離率20%以下)などを楽天証券の「スーパースクリーナー」を使ってスクリーニングしたものとなっています。配当利回りはアナリストコンセンサスを用いています。

ランク外となった銘柄、新規にランクインした銘柄

 6月の日経平均株価は前月末比で0.2%の下落、一時急落の場面もありましたが、ほぼ横ばいの状況となっています。ただ、米長期金利の低下によってバリュー銘柄への関心が高まらなかったことで、ランキング銘柄は総じて下落するものが多くなっています。

 プラスサイドとなったのは、ソフトバンク(9434)電源開発(9513)ENEOS(5020)の3銘柄のみでした。一方、下落率が10%超と大きかったのがJFEHD(5411)でした。5月の初旬にかけて急上昇した大手鉄鋼株には利食い売りの動きが向かったものとみられます。

 りそなHD(8308)SOMPO(8630)などをはじめ金融関連株は、米長期金利の伸び悩みがストレートに株価の伸び悩みにつながりました。

 今回、新規に上位15銘柄にランクインしたのは、ふくおかFG(8354)SOMPO三井住友トラスト(8309)三菱UFJ(8306)の4銘柄、除外となったのは、めぶきFG(7167)東京海上(8766)三菱商事(8058)平和(6412)となっています。

 米長期金利低下を嫌気した株価下落で金融関連株のウエートが高まった形ですが、ふくおかFGに関しては、大和証券の投資判断格上げでコンセンサスレーティングが引き上がったことでランクインとなりました。

 一方、めぶきFGは投資判断格下げでコンセンサスレーティングが基準以下となったほか、東京海上は自社株買いの実施発表で相対的に株価が底堅かったことがランキング低下の要因です。

 ランキング銘柄の予想配当利回り水準は、おおむね会社計画に沿ったものとなっていますが、なかでも、熊谷組やHUグループは予想配当利回りの水準がやや楽観的な印象も強いです。一方、SOMPOは会社計画をベースにすると5.11%の高水準となります。

 SBIHD、JFEHDは会社側で配当予想を示しておらず、SBIHDは前期の120円配当に対して125円水準がベースとなっており、JFEHDは前期の10円配当に対して65円程度がベースになっています。JFEHDに関しては、さらに配当水準が切り上がる余地が大きいように感じます。

相場の注目点

 米国長期金利が依然として伸び悩んでいることで、高配当利回り銘柄などのバリュー株は相対的に物色されにくい状況が続いていますが、6月16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では2023年に2回の利上げ実施がコンセンサスとなっており、足元では住宅価格の高騰なども話題になりつつあります。

 長期金利反転のタイミングは近く、相対的にバリュー株が物色されやすくなる局面入りも想定されます。また、今後の増配や自社株買いの制限撤廃を見据えて米国銀行株が上昇しやすいタイミングも近づくため、高配当利回りの国内銀行株にとっても刺激となってきそうです。

 なお、7月には3月期決算企業の第1四半期決算発表がスタートしますが、コロナ禍が続く中、このタイミングで増配アナウンスが増える可能性は低いとみられます。