生物製剤受託ビジネスの長期見通しを楽観、世界市場をリードへ
現地コード | 銘柄名 |
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02269 |
薬明生物技術 (ウーシー・バイオロジクス) |
株価 | 情報種類 |
132.10HKD |
株価 企業情報 チャート |
バイオ医薬品の開発受託会社である薬明生物技術は、6月18日の「インベスターズ・デー」で強気の長期見通しを維持し、世界の生物製剤CDMO市場がこの先3-5年にわたり、年率平均25%前後の成長を遂げるとの予測を明らかにした。CDMOとは、CMO(医薬品製造受託機関)に「開発」を加え、医薬品の製法開発から製造までのプロセスを受託する事業形態。世界的な生物製剤の販売急増に加え、製薬大手とバイオテック企業双方からのアウトソーシング需要の増加が、市場全体の高成長を支える見通し。BOCIは2021年1-5月のプロジェクトの追加ペースが予想を上回ったことや、技術やサービスを強みに他社からの乗り換えを促す「Win-the-Molecule」戦略の効果、新型コロナ関連プロジェクトからの収入貢献の上乗せなどを見込み、同社の2021-2023年の予想売上高を7-12%増額修正した。目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。
経営陣は「インベスターズ・デー」で、2021年の売上高、純利益の成長見通しを前年比50%から65%以上に上方修正。さらに向こう数年にわたって、40-50%の増収ペースを維持する見通しを示した。この数字は業界全体の予想成長率の1.5-2倍に相当する。
5月21日現在、同社が保有するCMOプロジェクトは4件だが、10-12月期までには新たに1-2件が生物製剤承認を取得する見込み。2021年通期のCMO事業の売上高は3億米ドルに上る見通しという。
また、5月21日時点で、同社は401件の総合開発製造プロジェクトを保有する(2020年下期時点では334件)。うち10件は「Win-the-Molecule」戦略の下、他社から奪ったプロジェクト。受注残高は5月21日時点で124億米ドルと、2020年末の113億米ドルから増加した。うち72億6,000万米ドルはサービス受注で、51億4,000万米ドルは開発の進捗状況に応じた潜在的な「マイルストーン収入」。こうした潤沢な受託業務量が同社の長期成長を後押しすることになる。
BOCIは2021-2023年に前年比70%、47%、43%の増収を予想。調整後純利益は同62%、52%、50%増加する見通しを示した。予想を上回るプロジェクトの上乗せペースと、CMO事業の売り上げ構成比の拡大見通しをその理由としている。
目標株価の算出方式はDCF(ディスカウントキャッシュフロー)で、WACC(加重平均資本コスト)を8.8%、永久成長率を5.0%と想定した。現在株価の2022年予想PEGレシオは2.7倍(22年予想PER[株価収益率]を2022-2024年の予想利益成長率で割った値)と、世界の同業銘柄の平均値である2.3倍を上回る。BOCIが設定した目標株価は2022年の予想PEGレシオで3.5倍と高水準。高成長見通しや世界CDMO市場におけるリーディングポジション、強力な執行力と生物製剤モダリティ(治療手段)への投資を強みとしたシェアの拡大に触れ、同業他社を上回るPEGレシオの設定は妥当との見解を示している。
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