今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは111.60

下値メドは110.20

第4次産業革命によって、世界のサプライチェーンの依存度は低くなる

 23日(水曜)のドル/円は円安、111円台。高値111.10円、安値110.59円、1日の値幅は0.51円。 111円は2020年3月26日以来1年3カ月ぶり。

 この日は110.60円からスタート。強い買い意欲が見られ、安値は東京時間の110.59円と全く下がらないまま上昇。欧州時間に111円を抜けて111.10円をつけました。終値は110.96円(前日比+0.29円)。111円台の滞空時間は短かったですが、すぐに狙える位置につけています。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)で公表された政策金利の予想表のドットチャートは、利上げ時期の前倒しを示唆するタカ派内容でした。ドル/円は110円台後半に上昇した後、109円台後半まで下落。しかし、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、今週の議会証言で、「インフレ一時、緩和継続マジ」的ハト派政策は不変と述べて、市場を落ち着かせた。ドル/円は111円へ。

 こうして見るとFRBの政策見通しや米長期金利の動向とドル/円の動きは必ずしも一致していません。他通貨の動きからクロス円を通して見たほうがわかりやすいでしょう。この日の米長期金利はやや上昇しましたが、まだ1.5%を下回っています。日米金利差を理由にしたサスティナブルな111円台は難しい。来週は月末、そして半期末。トレンドとしての円安は続行するとして、調整的に109円台に下げる可能性もあると考えます。

 昨年3月に111円台は、新型コロナ感染拡大で世界中の金融市場がパニックに陥っているときに起きたもので、いわゆる「有事のドル買い」が原因でした。今はFRBの利上げでドルを買っています。1年で世界は変わりました。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

「1時間だけ悩む」「1時間だけ心から楽しむ」ことによって、その1時間にものすごく集中できる

Heat Is On

 今日はBOE(イングランド銀行)の政策会合が開かれます。今回の会合でBOEはインフレ予想を上方修正する可能性が高く、FOMCの時と同じようなBOE版「タカ派サプライズ」の可能性があるといわれています。

 BOEのブリハ委員はハト派として知られていて「強い成長が半年続いても、緩和政策続けるべき」というのが主張でした。ところが最近になって「来年前半にも利上げを行う可能性がある」と意見を変えています。英国ではワクチン展開が成功して、7月末にもロックダウンが解除される予定です。経済指標を見ると、5月の失業率は6.2%に低下(4月7.2%)、コアCPI(消費者物価指数)は前年比1.3%から2.0%に急上昇。ハト派のブリハ委員がタカ派に宗旨替えするほどの変化が起きているのです。

 マーケットは、2022年末までに2回のBOE利上げを予想しています。BOEもFRBと同様に、利上げの前に緩和縮小を開始すると考えられています。しかし、BOEがFRB以上に緩和縮小に向けた積極的なガイダンスを示すならば、ポンドがドルに対して上昇する可能性があります。

今日の注目通貨:ポンド/円

予想レンジ ↑156.39円  ↓149.42円

 ポンド/円のブルベアの分かれ目は152.90円。152.90円より上ならばポンド買いが優勢、152.90円より下ならばポンド売りが優勢。

157.72円 : 第4レジスタンス(HBO)

156.61円 : 2018年 高値
156.39円 : 第3レジスタンス
156.07円 : 2021年 高値

155.93円 : 06月 高値
155.06円 : 第2レジスタンス

154.65円 : 第1レジスタンス
154.43円 : 06月 61.8%

153.96円 : 06月 平均値
153.50円 : 06月 38.2%

152.90円 : ピボット

151.99円 : 06月 安値
151.16円 : 第1サポート

150.75円 : 第2サポート

149.42円 : 第3サポート

148.09円 : 第4サポート(LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成